小城市：市民病院【地方財政ダッシュボード】

経営比較分析表（2021年度）

地域において担っている役割

救急・小児に関わる医療のほか、生活習慣病への対応を積極的に行っている。特に糖尿病については、県内9ｹ所ある糖尿病コーディネート事業の小城多久地区の拠点病院として、当院コーディネート看護師がかかりつけ医へのサポート・情報提供等を行い、重症化防止（透析予防）へ積極的に関与している。また医療安全網（MedicalSafetyて、地域の病院の選択肢の保障が出来ることが当院に求められている。また新型コロナウィルス受入れ医療機関として、入院、外来共に対応を求められている。

経営の健全性・効率性について

COVID-19の流行により外来リハビリや健診を長期間に渡り停止し、また陽性患者受入れのため、約半数の病床（45床）を空床としたことで患者数や病床利用率が落ち込み、例年に比べ医業収益は大きく減少している。一方、病床確保等の補助金により経常損益は単年度黒字となっているが、本来の儲けである医業収益が落ち込んだことにより、医業収益に対する職員給与費率は大きく悪化している。また慢性的な医師不足に陥っており、特に外科、小児科系医師は充足の見込みが無く、厳しい運営形態が続いている。

老朽化の状況について

病院本体が築３８年経過しており、建物の老朽化が散見される。現在、隣市の多久市立病院と統合準備が進んでおり、引き続き現病院では小規模修繕等での対応を行っていく方針である。機器についても老朽化が著しく、機械備品減価償却率も他施設平均より高い水準となっている。統合までの間、更新機器についても必要最低限に厳選し、その他の機器については小規模修繕等で対応する予定であるが、統合病院での使用を想定した医療機器等の先行購入についても検討していく必要がある。

全体総括

年間病床利用率の減少が続いているが、コロナによる病床確保、及び常勤医師の不足、医療スタッフの不足等の影響により、患者数・病床利用率向上は非常に困難を来たしている。また建物・機器の老朽化による修繕費の増加、更に最低賃金の改定や物価高騰の影響等を受け固定経費は今後さらに高騰することが予想される。その他にも統合を控え退職者が増加しており、病院運営に必要な人員数が不足し始めている。ダウンサイジング（適正病床数・適正人員配置）等を検討する一方、必要職員数を考慮しながら運営が賄える人員確保を取り進めていく必要がある。

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