経営の健全性・効率性について
福岡地区水道企業団の経営状況は、令和19年度までの長期財政収支見通しにおいて、適切な事業費を見込み料金設定を行っていることから経常収支比率や料金回収率ともに100%を超えており、累積欠損金も生じていない。流動比率が100%を超えていることから資金的にも健全である。企業債残高については、借入利息軽減及び借入残高の縮減のため、企業債借入を抑制していることから減少傾向にある。なお、水資源機構への償還金の残高を含めた企業債等残高対給水収益比率は113.26%(R03)であり、類似団体を下回る。効率性については、給水原価が類似団体に対して高額であるが、筑後川からの流域外導水(約25km)や海水淡水化センター等に多額の経費がかかるためであり、コストの削減に努めている。また、施設利用率は類似団体に比較し高率で推移しており、有収率は100%で推移している。
老朽化の状況について
福岡地区水道企業団の管路については昭和48年度から整備を開始しており、布設から40年を超えた管路経年化率は上昇している。当企業団は管路整備計画で実耐用年数を最長80年に設定しており、管体調査等の条件を踏まえて、第Ⅰ期管路整備事業に引き続き、優先度の高いものから更新していく。
全体総括
経営比較分析の結果、福岡地区水道企業団の経営状況は概ね安定している。福岡都市圏の安心で快適な住民生活を支える水道として、将来にわたって、効率的な経営のもとに、安全で良質な水道用水を継続して安定的に供給していくことができる見込みである。