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産業基盤が確立されていない本市においては、都市部のような景気回復基調は見受けられず、個人市民税や法人税の増などの要素はあるものの依然市税収入は伸び悩んでいることなどから、財政力指数は0.63と類似団体や四国の他県庁所在市と比べ低く推移している。平成30年度末に策定した「高知市財政健全化プラン」に基づき、債権管理の徹底や受益者負担の適正化、遊休資産の活用等による歳入の確保に努めるとともに、事務事業の見直しや公債費負担の低減による歳出の削減に努め、安定的で健全な財政運営への取組を強化していく。
都市部に比べて景気回復が鈍い本市経済状況により市税収入が伸び悩んでいる中,災害に強いまちづくりを重点的に取り組んだことや生活保護費を中心とする扶助費が高い水準で推移していることに加え、職員数の増加等や修繕費の実績増により経常経費充当一般財源全体では+3.1億円の増となったが、巣ごもり需要等の影響で市税や消費税交付金が増加したことや臨時財政対策債への振替を行ったことで歳入経常一般財源が+58.1億円と増加したため、経常収支比率は前年度比-6.0ポイントとなったが、コロナ禍における巣ごもり需要によって歳入経常一般財源が一時的に増加しているためであり、経常経費規模が増加していることを考慮すると財政構造の硬直化について依然として厳しい状況である。
新高知市財政再建推進プラン(計画期間:平成21~25年度)に基づき、徹底的な事務事業の見直しを行った結果、人口一人当たりの決算額は類似団体と比べて低く推移している。市民の求める真に必要なサービスを最少のコストで提供する観点から、平成30年度に策定した高知市財政健全化プラン(計画期間:平成30~令和4年度)に基づき、事業のスクラップや手法見直しによる事業費の抑制、庶務事務の効率化による人件費の抑制、業務量の削減による時間外勤務の抑制など、常に見直しを行うとともに、計画的・効率的かつ適正な執行に努める。
平成28年4月1日には、国の給料表の見直し内容を踏まえ、一般行政職の給料表について平均1.49%の引下げを行うなど、国に準拠した給与制度の運用による給与の適正化に努めている。また、類似団体との比較においても、平均水準と同程度で推移している。
持続可能な行財政運営の確立に向けて、平成11年度に初の定員適正化計画を策定して以降、平成24年度まで3次にわたり定員適正化計画を策定し、職員定数の削減を基本として取り組んできた。しかし、国・県からの権限移譲による業務範囲の拡大や、将来発生が予想される南海トラフ地震への対策、少子高齢化の進展などに伴う市民ニーズ・行政需要の多様化・複雑化などにより、本市の業務量は確実に増加している。こうしたことを踏まえて、行政運営の一層の効率化を図るため、これまで個々に策定していた定員適正化計画とアウトソーシング推進計画を統合し、職員定数の管理とアウトソーシングの推進に一体的に取り組んでいる。
基幹産業に乏しく、都市計画税を徴収していないなど、脆弱な税財政基盤の中、遅れていた都市基盤整備を行うための財源議論を経て、平成6年度頃から土地区画整理事業、街路事業などの公共事業への重点的な取組に加え、集中豪雨に伴う浸水対策や、本市の喫緊の課題である南海トラフ地震対策等に取り組んできた結果、事業実施による市債発行が進み,地方債残高は高い状態で推移している。中長期的な視点において投資事業計画を見直し、起債発行額及び残高を低減させ、起債などの将来負担に対して長期的に償還が可能となる財政構造の構築を目指し、実質公債費比率の低減に取り組んでいる。
基幹産業に乏しく、都市計画税を徴収していないなど、脆弱な税財政基盤の中、集中豪雨に伴う浸水対策や、本市の喫緊の課題である南海トラフ地震対策等に集中的に取り組んできた結果、事業実施による市債発行が進み、地方債残高は高い状態で推移している。中長期的な視点において投資事業計画を見直し、起債発行額及び残高を低減させ、起債などの将来負担に対して長期的に償還が可能となる財政構造の構築を目指し、将来負担比率の低減に取り組んでいる。
従来より給与水準の適正化を図っていることに加え、定員管理計画に基づく行政運営の効率化などにより、類似団体平均と同水準で推移しており、今後も引き続き人件費関係経費全体について縮減に努める。
新高知市財政再建推進プラン(計画期間:平成21~25年度)に基づき、徹底的な事務事業の見直しを行った結果、引き続き、類似団体と比べて低い水準で推移している。平成30年度に策定した高知市財政健全化プラン(計画期間:平成30~令和4年度)に基づき、今後も事業のスクラップや手法見直しによる事業費の抑制など、常に見直しを行うとともに、計画的・効率的かつ適正な執行に努める。
長引く景気低迷や高齢化率の上昇に伴い、生活保護費を中心とする扶助費は、類似団体との比較において高い水準で推移しており、財政構造の硬直化の大きな要因となっているが、社会保障関連経費削減の余地は少ない。
プロジェクト事業の実施や国の経済対策との協調、地域経済への配慮等による投資的事業の実施に伴う市債発行に比例し、類似団体との比較においても極めて高い状態となっている。あらゆる投資事業について、市民生活への影響を最小限としつつ、財源確保や緊急性等を総合的に勘案して優先度付けを行い、実施時期を検討することにより平準化と先送りを行うことで起債発行額を抑制し、元利償還金と残高等将来負担を軽減する。また利率の見直しや償還期間の適正化により、単年度の元利償還金の減額に努める。
定数管理計画等による行政運営の効率化や事務事業見直しによる経費削減などに努めたことに伴い、対前年比-4.7ポイントとなり類似団体平均を下回る結果となったが、今後もより一層の歳出削減に努める。
(増減理由)・令和3年度の市税及び地方消費税交付金等の増により決算対策のための取り崩しを行わなかったことや、交付税再算定による臨時財政対策債償還基金の積立て及び新型コロナウイルス対策として新設した基金積立てによる増。(今後の方針)・厳しい財政運営を迫られている状況ではあるが、財政健全化プランに基づいた事務事業見直しを行い、健全な財政運営を確立する中で、財政調整基金残高を標準財政規模の5%以上を目標とし、適正な積立に努めることとしている。
(増減理由)・令和3年度の市税や地方消費税交付金等の増により取り崩しを行わず、決算積立てを行ったことによる増。(今後の方針)・厳しい財政運営を迫られている状況ではあるが、財政健全化プランに基づいた事務事業見直しを行い、健全な財政運営を確立する中で、財政調整基金残高を標準財政規模の5%以上を目標とし、適正な積立に努めることとしている。
(増減理由)・令和3年度の市税や地方消費税交付金等の増により取り崩しを行わず、交付税再算定による臨時財政対策債償還基金の積立てを行ったことによる増。(今後の方針)(今後の方針)・厳しい財政運営を迫られている状況ではあるが、近年の投資事業に伴う今後の公債費増に備えるため、適正な積立に努めることとしている。
(基金の使途)・地域振興基金:高知市における市民の連帯の強化又は地域振興に要する経費。・施設等整備基金:市の施設等の整備に要する財源を円滑に調整するための経費。・広域行政推進基金:れんけいこうち広域都市圏において、活力ある地域経済を維持し、住民が安心して快適な暮らしを営むことができる圏域づくりに要する経費その他広域的な行政課題に対応するための事業に要する経費。・南海地震等災害復興基金:南海地震等の大規模災害発生時に、本市における社会基盤の復旧及び復興に要する経費。・新型コロナウイルス感染症対策短期継続融資基金:新型コロナウイルス感染症の影響を受け、経営の安定に支障が生じている事業者に対して、当該経営に係る資金繰りの改善を支援するための経費。(増減理由)新型コロナウイルス感染症対策短期継続融資基金を新設したことによる増等。(今後の方針)・公債費を除く経常収支比率を低く抑えることで、起債の償還財源を確保するとともに、将来世代のために起債残高を減らしながらも基金を確保し、持続可能な財政運営につなげる。・財政健全化プランに基づいた事務事業見直しを行うことで健全な財政運営を確立し、南海地震等災害復興基金への積立財源を確保して本市の喫緊の課題である南海トラフ地震に備える。
令和3年8月に改訂した高知市公共施設マネジメント基本計画において,今後35年間で公共施設の延床面積を32%削減することが必要と推測しており,施設の統廃合や長寿命化に向けた取組を進めることとしている。令和3年度の有形固定資産減価償却率は,前年度から増加しており,類似団体平均より高い水準にあるため,平成29年度に策定した高知市公共施設再配置計画(第1期)や,令和2年5月に策定した高知市個別施設保全計画に基づき,総量の最適化・管理の最適化に取り組んでいく。
分子の主要素である起債残高では,投資事業費の縮減などにより,平成17年度をピークに減少を図ってきたが,近年南海トラフ地震対策に集中的に取り組んだ結果,平成29年度から上昇に転じており,今後も高水準で推移する見通しである。加えて,本市は都市計画税を徴収していないことから,類似団体よりも充当可能特定歳入が少ない財政構造となっている。分母では,経常経費充当一般財源において,扶助費充当分が中核市比較で高い水準となっており,償還可能年数が長くなる要因となっている。
将来負担比率,有形固定資産減価償却率ともに,類似団体内平均値を上回っており,施設の老朽化が進んでいることに加えて,起債残高等の将来負担も大きい状況となっている。特に将来負担比率は,中核市の中で最も高い数値となっており,平成30年度に策定した高知市財政健全化プランに基づき,収支の健全化(資金繰り)と将来負担の健全化(償還能力の確保)を目標に掲げ,中長期での財政健全化への取組を進めていく。
起債残高については,投資事業費の縮減などにより,平成17年度をピークに減少を図ってきたが,近年南海トラフ地震対策に集中的に取り組んだ結果,平成29年度から上昇に転じており,今後も高水準で推移する見通しである。加えて,本市は都市計画税を徴収していないことから,類似団体よりも充当可能特定歳入が少ない財政構造となっている。その結果,将来負担比率,実質公債費比率ともに,類似団体内平均値を大きく上回っており,公債費負担の適正化が本市の財政健全化への重要な課題となっている。平成30年度に策定した高知市財政健全化プランに基づき,収支の健全化(資金繰り)と将来負担の健全化(償還能力の確保)を目標に掲げ,中長期での財政健全化への取組を進めていく。
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