経営の健全性・効率性について
・収益的収支比率は100%を下回っており、また、平成26年度においては、直近5年間で最低の比率となっている。主な要因としては平成24年度より町内の集落排水施設施設使用料の統一を行ったことによる使用料収入の減少や施設の老朽化による維持修繕費であるが、今後は地方債償還金が減少していく見込みであり、徐々に改善していくものと考えられる。・汚水処理原価については、ほぼ横ばいであるが、類似団体と比較すると高い数値で推移していることから、維持管理費の削減や接続率の向上等の経営改善が必要である。・経費回収率については、平成24年度から上昇傾向にあるが、類似団体平均40.39%と比較すると25%前後と低く推移しており、収益については、使用料以外の収入に依存していることが考えられ、経営の効率性を低下させる要因となっている。・施設利用率については、ほぼ横ばいであるが、類似団体平均と比較すると低く推移しているため、適切な施設規模となっているか検討する必要がある。・水洗化率について、近年は65%前後で横ばい状態であるが、類似団体平均と比較すると低く推移している。また、平成26年度においては、前年と比べ、2.5%程度低下しているが、これは、接続人口の減少が影響していると考えられる。しかし、処理区域内人口は若干増加していることから、未接続者への水洗化普及促進の強化に努めることが必要である。
老朽化の状況について
本町の漁業集落排水施設は、供用開始から15年以上経過している施設もあり、経年による老朽化が懸念されている。近年ではポンプ施設等、機械施設の故障が頻繁に発生しており、これらの修繕費の増加が、経営の効率性を低下させている要因である。このため、将来的には施設の長寿命化やライフサイクルコストの縮減を図る計画的な維持管理・更新を行うため、漁業集落排水施設の機能保全計画策定に取り組むことが必要である。
全体総括
1.経営の健全化・効率性について分析した結果、本町において、特に改善が必要だと考えられるのは、収益的収支比率、経費回収率及び汚水処理原価である。収益が使用料以外の収入で賄われていることが顕著にあらわれていることから、適切な使用料への見直しや、水洗化の普及促進により利用効率を高め、有収水量の増加による使用料収入を確保し、経営改善に努めることが必要である。また今後は、徐々にではあるが、地方債償還額の減少による、収益的収支比率等の数値向上が見込まれる。2.老朽化の状況については、近年、経年による施設の故障等が多くみられ、修繕費による経営負担も増加していることから、施設の機能診断や保全計画策定を検討し、計画に基づく日常の点検業務を行うとともに、老朽化した施設の改修・更新等を実施することで投資額の削減に努める。