経営の健全性・効率性について
新居浜市の水道事業会計については、平成9年の料金改定以来22年連続して純利益を計上している。しかしながら、人口減少及び節水型機器の普及などから、水需要は減少傾向が続き、将来的にも水道料金収入の大幅な増加は見込めない。それに加え、今後発生の恐れがあるとされている南海沖巨大地震に備えるための耐震対策や老朽化に伴う施設の整備・更新を行う必要があるが、企業債残高が全国平均より高くなっていることから、企業債に依存しない施設整備を行っていく必要があり、水道事業の基盤強化のためには、近い将来、料金改定が必須と考えられる。新居浜市の水道料金については、愛媛県内においても低料金であるが、事業全般にわたり一層の効率化を図り、平成30年度に策定した新居浜市水道事業経営戦略に基づき、経営基盤の強化を進め、持続可能な水道事業の経営に取り組んでいく。
老朽化の状況について
管路の経年化率は、大量に布設していた時期の管が耐用年数を超えて加算されていることにより、増加傾向にある。アセットマネジメントに基づき策定を行った経営戦略の投資財政計画により、老朽化対策や耐震対策による施設の更新等を進めて行くとともに、更新後の性能(口径・能力等)の合理化・ダウンサイジングなどを検討し、計画的に整備を行っていく。
全体総括
新居浜市の水道事業については、黒字決算を維持している。しかし、将来発生の恐れがある南海沖巨大地震などの耐震対策として、配水管路の2重化や基幹管路の効率的な布設替えを実施しているが、老朽化した管路の更新や水道施設の建て替えには多額の建設事業費が必要なこと、また今後も人口減少が続き有収水量が減少することが予想されることから、コスト削減だけでは対応できないと考えられる。安心・安全な水の安定供給を継続して行うため、平成30年度に策定した経営戦略に基づき、水道事業の基盤強化に取り組んで行きたい。