経営の健全性・効率性について
●収益的収支比率の上昇がみられ,企業債残高対給水収益比率は減少傾向にあるが維持傾向にある。平成18年度を計画の初年度とし,年度毎に経営状況を分析しながら当会計の健全化に務めており,将来的な地方債償還金の増加が見込まれるため,平成21年度から3ヵ年及び平成30年度の消費増税で段階的に料金改定を行ってきました。また,平成25年度から人件費を削減し,老朽化施設の修繕費等の支出の増加により収益的支出の縮小に対応する努力をおこなっている。経営戦略の策定により,増加傾向にある修繕費について,具体的な施設台帳を作成し老朽化施設の計画的維持管理に努めております。今後も継続した収益的収支比率の上昇を目指します。●料金回収率,給水原価が平均値より高い。料金改定,団地開発等に伴い,使用料収入は増加傾向にあります。計画的に老朽化施設の更新を行っていくうえで,投資規模には十分留意し,一層の経営改善を図っていけるよう,継続して努力します。●有収率は平均値に対し高い水準となっている。料金収入に対して,企業債元利償還金が大きく,依然繰入金に依存した会計となっています。また,老朽化施設の修繕に係る費用も給水原価の増加に大きく影響しています。施設の更新を含めた計画的維持管理に重点を置いて,維持管理に要する経費の縮小に務めます。また,施設の更新にあたっては,水道を取り巻く環境の変化に対応できるよう水道システムの機能を向上させ,水道利用者が増加するよう,継続して努力します。
老朽化の状況について
●高度経済成長期等に整備された水道施設の老朽化が進行し,大規模な更新のピークを迎えつつあり,水道施設の計画的更新は,本町水道事業の最重要かつ緊急の課題となっています。●耐用年数を超過したものも多数あり,また職員の減少等から,現在では事後的な対応の維持管理が多くなっています。●水道施設のライフサイクル全体にわたって効率的かつ効果的に水道施設を管理運営するアセットマネジメントの実践を取り組んでいます。本町では,長期総合計画が策定されており,適切に実施していくべきものでありますが企業債の借入が今後の経営収支において,減価償却費,支払利息の発生として影響してくるので,投資規模の適正化には十分留意した計画に務めます。
全体総括
人口減少時代を迎え,料金収入の伸びが見込めない中,老朽施設の更新・再構築が緊急の課題でありますが,その財源の多くを起債に依存しており,起債の元利償還が財政支出を大きく圧迫している状況にあり,今後も同様の問題を抱えています。また,人件費の抑制から,職員の削減等による技術継承に課題があります。R5年度から広島県水道広域連合企業団へ参画をします。経営統合によるスケールメリットを活かした経費抑制に努め,中長期的な視点から,業務のDX化推進や民間委託・施設の統廃合等,抜本的な検討を今後も継続します。