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人口の減少や高齢化、長引く不況の影響などにより、町税が引き続き減少しており、歳入全体に占める町税収入は14.9%と非常に少なくなっている。依存財源である地方交付税が42.4%を占めるなど自主財源比率が24.1%と低く、財政力指数は類似団体と比較し0.25下回る状況である。今後も引き続き、勧奨退職制度の実施や新規採用の抑制、事業の外部委託等による人件費の削減に努め、既存事業について廃止を含めた厳正な見直しを行うなど歳出削減に取り組む。また、税の徴収率向上に向けた取り組みを推進するとともに、適切な財産管理による資産の売却、使用料・手数料の見直しといった自主財源の確保に努めていく。
経常的経費充当一般財源においては、新規採用の抑制等により人件費で23,041千円(1.4%)、補助費等で32,924千円(3.7%)削減することができたものの、障害者自立支援事業などにより扶助費が37,864千円(15.7%)増加したほか、公債費で41,526千円(3.7%)、繰出金で28,279千円(4.1%)増加し、経常的経費充当一般財源全体では49,811千円(0.9%)の増加となった。歳入面においては、普通交付税が244,756千円(6.6%)、臨時財政対策債が123,252千円(29.4%)の増加となったことなどから、歳入経常一般財源も372,852千円(6.3%)の増加となった結果、経常収支比率が4.7%良化した。今後も施設の統廃合や事務事業の見直しによる行財政基盤のスリム化を図り、経常経費の圧縮に努めなければならない。
合併後、分庁舎方式を採用していることや、隣町の消防事務を受託していることなどから職員数が多く、類似団体平均と比較し人件費が高くなる要因となっている。勧奨退職制度の実施、新規採用抑制等の取り組みにより、平成22年度の人件費は前年度より17,670千円(0.9%)減少、物件費についても、地域活性化交付金関連事業の減により41,437千円(3.4%)の減少となった。今後も定員適正化計画に基づく職員削減や施設の統廃合など合併効果を活かした人件費、経常経費の削減に努めていく。
調整手当の廃止や超過勤務手当、休日勤務手当などの抑制、5級制の施行、技能労務職員については1、2級のみで運用することなどにより人件費の抑制に努めており、給与水準を示すラスパイレス指数は類似団体平均を2.2下回っている。適正な給与水準を確保し、今後とも新規採用の抑制や勧奨退職制度の実施等と併せて人件費の抑制に努めていく。
平成17年の合併以後、新町財政計画に基づき、平成19年度までの3年間は新規採用を停止し、現在では定員適正化計画に基づき、勧奨退職制度の実施、新規採用の抑制などによる職員数の削減を行っているところであるが、分庁舎方式を採用していることや、隣町の消防業務を受託していること、2つの消防署を抱えていることなどから類似団体平均を3.76人上回る結果となっている。合併当初452人であった当町の職員数は、平成22年度において387人となり5年間で65人(14.4%)、普通会計で37人(13.5%)の職員削減を行っているが、行政サービスを低下させることのないよう職員の事務能力向上を図りながら、定員適正化計画に基づき今後も人員削減を行っていく。
平成22年度の実質公債費比率は9.9%となり、昨年度と比較して0.9%良化し、類似団体比率を2.8下回る結果となったが、これは普通交付税や臨時財政対策債の増により標準財政規模が増加したことによるところが大きい。今後は消防防災センター建設事業をはじめとする公共施設の高台移転など防災対策事業等の実施により地方債残高が増加する一方、合併算定替えの減による普通交付税等の減少により、同比率は上昇に転じる見込みである。事業の厳しい取捨選択や事業費の圧縮による地方債発行額の抑制、高金利債の繰上償還を行うなど、適切な地方債管理を行っていく必要がある。
平成22年度の将来負担比率は78.8%となり、昨年度と比較して16.8%良化したが、類似団体平均を8.8上回っている。当比率が減少した主な要因は、普通交付税や臨時財政対策債、充当可能基金である財政調整基金残高が増加したことなどが挙げられる。当町は今後、消防防災センター建設事業をはじめとし、保育所、幼稚園など公共施設の高台移転など多額の財政負担を要する事業を数多く抱えており、地方債残高は上昇する見込みであることから、安易に合併特例債に頼ることなく、事業実施年度や事業の精選、事業費の圧縮により地方債発行の抑制に努めなければならない。
合併後、分庁舎方式を採用していることや、隣町の消防業務を受託していること、2つの消防署を抱えていることなどから職員数が多く、人件費が高くなる要因となっており、人件費に係る経常収支比率は26.5%と類似団体平均を2.0上回っている。勧奨退職制度の実施、新規採用抑制等の取り組みにより、平成22年度の人件費は前年度より17,670千円(0.9%)減少し、経常収支比率は減少傾向にあるが、今後も定員適正化計画に基づく職員削減により人件費抑制に努めていく。
平成22年度は地域活性化交付金関連事業の減により、物件費全体で41,437千円(3.4%)の減少となったが、経常収支比率については類似団体平均を0.7上回っている。今後も施設の統廃合や事務事業の徹底した見直しによる行財政基盤のスリム化を図り、経常経費の圧縮に努めなければなならない。
平成22年度は障害者自立支援事業や子ども手当経費の増加により扶助費全体で184,026千円(27.5%)、経常一般財源でも37,864千円(15.7%)の増加となったが、経常収支比率は類似団体平均を0.7下回っている。今後も少子高齢化や社会保障制度の見直しにより法定の扶助費の増加が見込まれるため、町単独で実施する施策についても見直しを検討していく必要がある。
その他経費のうち、最も大きいものが繰出金であり、平成22年度は全体で25,418千円(2.6%)増加し、経常一般財源についても28,279千円(4.1%)増加した。繰出金が増加する要因として、高齢化により後期高齢者医療会計や介護保険事業会計に対するものが増加傾向にあることや、国民健康保険事業会計についても赤字解消のための繰り出しを行っているところである。独立採算を原則とする公営企業会計(法非適用)に対しては基準外繰り出しを抑制していく必要がある。
平成22年度は定額給付金事業の終了により、補助費等全体で303,130千円(15.1%)の減少となり、経常一般財源についても32,924千円(3.7%)減少し、類似団体平均を0.1下回った。今後も単独施策に係る事業補助金や公共的団体への補助金について、引き続き見直しを行っていく必要がある。
平成22年度は公債費全体で34,878千円(2.8%)の減少となったが、経常収支比率は類似団体平均と比較し、0.9上回っている。平成19年度から21年度にかけて高金利債の繰上償還を行ったが、新病院建設事業や消防防災センター建設事業、公共施設の高台移転など多くの事業の実施による公債費の上昇が将来の町財政を圧迫することが危惧される。安易に合併特例事業債に頼ることなく、事業実施年度や事業の精選、事業費の圧縮、高金利債の繰上償還を行うことにより公債費の抑制に努めなければならない。
公債費以外で最も経常一般財源の大きいものが人件費であり、引き続きその抑制に努めていくとともに、義務的経費以外の物件費や補助費等の抑制にも努めていかなければならない。
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