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平成25年度から平成27年度までは横ばいとなっていたが、平成28年度は平成27年度に比べ、市税収入が増加したことなどにより、基準財政収入額が増加したため、0.01ポイント改善した。平成29年度は、人口増等によりさらに市税収入が増加したことで、基準財政需要額の伸び率よりも基準財政収入額の伸び率が上回ったため、0.01ポイント改善した。
平成29年度は扶助費等の支出が増加しているが、地方税や株式等譲渡所得割交付金等の収入が増加したため、0.6ポイント改善した。しかし、依然として、類似団体内平均値を上回る状況となっていることから、財政構造の弾力性を担保すべく、引き続き経常経費の削減等に努める。
人件費については、3年間停止していた新規採用の再開(平成27年度~)による職員増により増加となった。物件費については、基幹系システム再構築により大型汎用機の運用が終了したことなどにより減額となった。一方で、分母となる人口が増加したことから、人口1人当たりの人件費・物件費等の決算額は平成28年度に比べ、79円減少しているものの、依然として類似団体内平均値を上回る状況となっている。
平成24年1月1日に給与制度改革を実施し、ほぼ国家公務員に準拠した給与体系に改めた。平成29年度のラスパイレス指数は99.6であり、国家公務員及び類似団体内平均値を下回っている。
平成30年2月に「職員体制最適化計画(暫定版)」を策定し、地方公務員法等の改正への対応や中核市移行を見据えるなか、職員体制上、大きな変化を迎える状況にあることから、目標数値を定めていませんが、可能な限り現状の職員数を超えることのない職員体制の構築に努める。平成28年度から、ワーク・ライフ・バランスの観点から、産休、育休者等に対応するために必要な職員を採用し、また、再任用常時勤務を希望する職員が増加する傾向にあることから、より適正な定員管理に努める。
普通建設事業費の精査に努めていることに加え、平成23年度以降臨時財政対策債を発行しない財政運営を行っていることから、近年は地方債の発行が抑えられている。また、過去に借り入れた地方債について、償還が完了するものも多く、地方債償還のための一般財源等を昨年度以下に抑えることができている。ただし、近い将来、多額の地方債発行を伴う普通建設事業の実施が見込まれていることから、今後も十分な精査のもと、普通建設事業を実施するよう努める。
本市が将来負担する可能性のある債務等の規模は、平成28年度に引き続き類似団体と比べて小さい。しかしながら、小中学校校舎の大規模改造や都市計画道路の整備などの大規模な普通建設事業が施行中であり、その財源として多額の地方債発行が見込まれている。今後も将来世代への過度な負担を先送りすることがないよう、世代間の公平性を十分に考慮した財政運営に努める。
給与制度改革(役職に応じた給与カット等)を実施し、人件費抑制を図ったものの、3年間停止していた新規採用の再開(平成27年度~)による職員数の増により、人件費が増加している。類似団体内平均値と比べると高い水準が続いていることから、今後も職員体制等の見直しを実施していく。
平成29年度決算では、基幹系システム再構築により大型汎用機の運用が終了したことなどにより、平成28年度に比べ0.6ポイントの減少となった。しかし、図書館や体育館などの公共施設が多いことから、施設保守や設備点検に係る経費が多額となっており、類似団体内平均値と比べて大きく乖離する状況となっている。今後、公共施設総合管理計画に基づき、施設規模の縮小等により効果的な運営策を検討し、経費の縮減を図ることが必要である。
私立保育所・小規模保育事業所等の新規開所に伴う、特定教育・保育の利用者に対する施設型給付・地域型保育給付費の支給や障害者自立支援給付費の支給が増加したことなどにより、平成28年度に比べ0.2ポイントの増加となった。
平成29年度より下水道事業が地方公営企業法の一部(財務規定等)を適用し、公営企業会計に移行したことに伴い、繰出金が大幅に減少したことにより、平成28年度に比べて大きく減少した。維持補修費については、公共施設が多く、構造的に維持管理経費が多く必要なことから類似団体内平均値と比べて高い比率を示している。
平成29年度より下水道事業が地方公営企業法の一部(財務規定等)を適用し、公営企業会に移行したことやB型肝炎予防接種助成を開始したことにより、平成28年度に比べて大きく増加した。
将来世代へ負担を先送りしないよう平成23年度以降臨時財政対策債の発行を行っていないことや起債対象となる事業の必要性・効果等を十分に検討し、発行を抑制してきた結果、さらなる改善が見られた。.
過去から安定した市税収入に恵まれたことで、直営の公共施設を多く有し、また、直営で多くの事業を実施してきたことから、補助費等を除いた各性質で類似団体内平均値を大きく上回っており、類似団体の中で最も高い数値を示している。今後も事務事業を精査し、持続可能な財政運営に努めていく。
(増減理由)平成28年度の実質収支額の2分の1である2.6億円を財政調整基金に積立てた一方、都市計画道路の新設工事に伴い都市計画施設整備基金を8.4億円取崩したこと、破砕選別工場の改修工事に伴い廃棄物処理施設整備基金を1.9億円取崩したこと、公園等の維持管理のために緑化推進基金を3.2億円取崩したことなどにより、基金全体としては11.1億円の減少となった。(今後の方針)平成27年度より基金残高は減少傾向にあり、今後も公共施設の整備等が進むため減少していく見込みである。各基金の設置目的の達成のため、今後も適切な積立て、取崩しに努める。
(増減理由)平成28年度の実質収支額の2分の1である2.6億円を積立てた一方、取崩しによる財源補填措置を行わなかったため、平成28年度に引き続き増加となった。(今後の方針)災害への備え等のため、目標額をおおむね100億円程度と設定している。平成28年度及び平成29年度は財政調整基金の取崩しによる財源補填措置を行うことなく黒字決算となり、目標額を達成している。今後も目標額を下回ることがないよう、事務事業を精査し、持続可能な財政運営に努める。
(増減理由)(今後の方針)
(基金の使途)都市計画施設整備基金:都市計画道路などの都市計画施設等の整備廃棄物処理施設整備基金:資源循環エネルギーセンターや破砕選別工場等の廃棄物処理施設の整備スポーツ推進基金:サッカースタジアムの利用促進、プロサッカーチームのホームタウン関連施策の推進並びにスポーツ施設及びその環境の整備こども笑顔輝き基金:子育て支援、青少年健全育成に係る環境整備(増減理由)都市計画施設整備基金:都市計画道路の新設工事のために8.4億円取崩したことにより減少となった。公共施設等整備基金:文化会館の改修や小中学校校舎の大規模改造などのために7億円取り崩したものの、土地の売却収入を7.6億円積立てたことにより、0.6億円の増加となった。緑化推進基金:公園等の維持管理のために3.2億円取崩したことにより減少となった。こども笑顔輝き基金:認定こども園の整備等のために2.3億円取崩したことにより減少となった。(今後の方針)都市計画施設整備基金:都市計画道路の整備が続くため、今後も減少していく予定である。公共施設等整備基金:小中学校校舎や屋内運動場の大規模改造が続くため、今後は減少していく予定である。
本市では、一般建築物やインフラ・プラント系施設を含めた公共施設の最適化に取り組んでおり、長寿命化など、施設の特性に応じた最適化を進めているが、多くの施設が昭和30年~50年代にかけて建設されており、減価償却の累計額が上回っているため、有形固定資産減価償却率が上昇し、類似団体内平均値より上回っていると考えられる。今後、各施設の状況を踏まえ、修繕・更新などの検討を進める。
現時点では地方債の現在高などが近い将来に本市の財政を圧迫する見込みは少ないと思われる。しかしながら、北大阪健康医療都市(建都)のまちづくりや都市計画道路の整備などの大規模な普通建設事業が施工中であり、多額の地方債発行が見込まれていること、また、有形固定資産減価償却率が60.6%と、既存施設の老朽化が進んでいることから、今後、多額の費用が必要となるため、長寿命化など公共施設のあり方の検討を進め、公共施設の維持管理・修繕・更新等にかかるトータルコストの縮減や市の財政負担の平準化を図り、公共施設の管理運営に取り組む。
吹田市が将来負担する可能性のある債務等の規模は前年度に引き続き類似団体内平均値と比べて小さく、また、地方債償還のための一般財源等を前年度以下に抑えることができている。しかしながら、今後、多額の地方債発行を伴う普通建設事業の実施が見込まれていることから、世代間の公平性を十分に考慮し、将来世代への過度な負担の先送りなどを行わない財政運営に努める必要がある。
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