経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、公営企業会計移行に伴う打ち切り決算の影響があり、大幅な比率低下となった。ただし、地方債償還金の増加額が、下水道使用料の増加額を上回っている点も数値低下の要因となっている。④企業債残高対事業規模比率は、公営企業会計移行に伴う打ち切り決算の影響があり、比率が上昇している。ただし、影響を考慮した場合、類似団体平均値を下回る数値となる。⑤経費回収率は、公営企業会計移行に伴う打ち切り決算の影響があり、大幅に数値が低下している。ただし、影響を考慮した場合の数値は、85.1%であり、供用開始区域の拡大に伴う使用料収入増加により数値が微増している。しかし、類似団体平均を下回る状況となっており、経費回収率向上に向けたロードマップ作成を行っていく必要がある。⑥汚水処理原価は、概ね150円で推移している。本年度から類似団体平均値を上回っており、南部浄化センターへの包括民間委託導入の検討等による経費節減に努めていく必要がある。⑦施設利用率は、供用開始区域の拡大に伴い、処理水量が増加したため、利用率上昇につながり、類似団体平均を上回る状況が継続している。⑧水洗化率は、接続調査や接続依頼などの普及啓発により、比率が上昇し、類似団体平均を上回る状況が継続している。
老朽化の状況について
③管渠改善率は、1.49%となっている。従来は、供用地区の拡大に建設財源を集中的に配分してきたが、本年度からストックマネジメント計画に基づいた老朽化対策を開始した。今後も計画的な老朽化対策を進めていく予定である。
全体総括
整備区域の拡大を引き続き行う予定であるため、下水道使用料の増加が見込まれるが、整備区域拡大に伴う南部浄化センターの増設や、ストックマネジメント計画に基づく施設の老朽化対策に伴う費用増が見込まれている。そのため、令和2年度策定予定の経営戦略に基づき、公営企業会計移行後の決算数値等を基にした経営指標等の検証を行い、必要に応じ、経費回収率改善に向けたロードマップ作成を進める予定としている。