経営の健全性・効率性について
「①経常収支比率」100%以上であり黒字を継続しているが、減価償却費の増加等により比率が減少し、類似団体平均値との差が増大している。「②累積欠損金比率」未処理欠損金が発生していないため0%である。「③流動比率」現金・預金の増加等により比率は上昇しており、類似団体平均値を大きく上回っている。また、一時借入金の実績がないことから、短期的な債務に対する支払能力については問題はない。「④企業債残高対事業規模比率」比率は上昇したものの、類似団体平均値を大きく下回っている。計画的な投資と起債による企業債残高の減少や、適切な使用料水準の達成に努める。(※左の表ではR03の当該値が「413.30」とあるが正しくは「417.98」である。)「⑤経費回収率」減価償却費の増加に伴う汚水処理資本費の増加等により前年度から率は減少し、類似団体平均値を下回っている。率を向上させるため、下水道使用料の対象となる費用に加え、将来の更新を見据えた資産維持費や人口減少による使用料収入の減少も考慮した上で、適切な下水道使用料について検討する。「⑥汚水処理原価」年間有収水量の減少、減価償却費の増加に伴う汚水処理資本費の増加等により大きく上昇した。水洗化率の向上による有収水量の確保等の措置が必要である。「⑧水洗化率」類似団体平均値よりも高い率を維持しているが、前年度から、水洗便所設置人口が0.09%の増加、処理区域内人口が0.06%の減少であり、水洗化率は微増となった。引き続き未接続者への周知・依頼を通して率の向上に努める。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」年々増加傾向にあり、類似団体平均値よりも高い数値が続いている。法定耐用年数に近い資産を多く保有しており、施設の更新や長寿命化等を検討する必要がある。「②管渠老朽化率」、「③管渠改善率」ともに0%であり、法定耐用年数を経過した管渠は保有していない。今後はストックマネジメント計画に基づき、計画的な修繕や改修を実施する。
全体総括
各指標を見ると類似団体平均値を下回る数値があり、引き続き、有収率や水洗化率の向上に努め、施設の効率性を確保しながら、施設の老朽化対策を計画的に進めていく。また、施設の更新事業に対する所要の財源確保のため、適正な債務残高を維持しながら水洗化率向上による使用料収入の増加や適正な施設の維持管理による汚水処理費の減少に努める。汚水処理費を下水道使用料で賄えず、企業債の償還も基準外を含む一般会計からの繰入金で支えられている状況からの脱却を図る必要がある。そのため、令和5年度からの経営戦略見直しにおいて料金改定について検討するなど、積極的な経営改善に取り組む予定である。