経営の健全性・効率性について
本市では、平成31年4月1日から地方公営企業法を一部適用(財務適用)し、企業会計へと移行しました。本年度は、前年度に引き続き決算で欠損金が発生したことから、経常収支比率が低く、累積欠損金比率が高くなっています。さらに、流動比率においても100%を下回っており、現金を貯蓄する余裕がなく非常に厳しい経営状態であることが示されています。また、経費回収率においても100%を下回っていることから、汚水処理に係る費用が使用料で賄えていないことを示しています。経営の改善に向け、使用料を改定するため、条例の改正を行いました。(下水道使用料改定日:令和4年7月1日)企業債残高対事業規模比率においては、普及率が100%となり維持管理を中心とした経営であることから、類似団体平均値と比較して低い傾向にあります。今後、大規模な施設更新に伴う企業債の増額が見込まれており、より厳しい経営状況となることが予測されます。
老朽化の状況について
昭和40年代後半に供用開始した本市においては、特に処理場の老朽化が深刻な状況になっています。また、類似団体平均値と比較すると、管渠老朽化率が高く管渠改善率が低くなっており、老朽化した管の更新が進んでいないことを示しています。処理場、管渠ともにストックマネジメント計画等に基づいて、適切な改築・更新を行う必要があります。本年度、老朽化が進行する浄水管理センターに関する再整備基本構想を策定しました。
全体総括
下水道施設の老朽化が進んでいることを踏まえると、今後より厳しい経営状態で推移することが予測されます。令和2年度に策定した経営戦略を基に、将来にわたって健全な経営を持続的に運営していくため、経営指標も参考にしながら、引き続き適正な使用料の検討及び維持管理費の確保を行っていきます。