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財政力指数は、類似団体平均を大きく上回っているが、リーマンショック以降の長引く景気低迷により、個人市民税等の税収が大幅に落ち込み、前年に引き続き指数を減少させている。今後も厳しい財政状況が続くと見込まれるため、歳入確保を中心とした財務基盤の強化と行財政運営の効率化に努める。
市税等一般財源が伸びない一方、扶助費等の増により上昇する傾向にあったが、経常経費の削減により前年度比で0.3%低下した。類似団体内平均を下回っているものの、平成19年度から90%を超え、全国市町村平均および愛知県市町村平均を上回っており、財政構造の硬直化が進んでいる。今後も税収の落ち込みが見込まれる一方で社会保障関係費の増が見込まれることから、財政構造の硬直化が不可避となっている。こうした状況を踏まえ、内部管理経費の見直しや事務事業の整理・統廃合等などによる経常経費の抑制やプライマリーバランスの堅持による公債費の圧縮等に努め、財政構造の健全性・弾力性の確保に努める。
人件費、物件費等については、従前から歳出削減の取り組みを進めてきたこともあり、類似団体内平均、愛知県市町村平均、全国市町村平均の全てにおいて下回っている。前年度を大きく上回っているのは、新給食センターの稼働や緊急雇用創出事業、市制40周年事業の実施が主な要因である。今後も引き続き、公の施設の指定管理、民間委託等を進めるとともに、内部管理経費の見直しや事務事業の整理・統廃合等を図り、費用削減に努める。
ラスパイレス指数については、昨年度まで類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均を下回る水準で推移してきたが、今年度は各平均を上回っている。要因としては、職員が少ない年齢層において昇格があったことで、一時的にその階層の平均給与が上昇したことが挙げられる。今後も、給与体系の適正化に努める
人口千人当たりの職員数については、類似団体平均を上回っているが、市民ニーズの高い子育て・福祉分野への重点的配置によるものと考えている。全国市町村平均、愛知県市町村平均を下回っていることから、限られた職員による効率的な運営を行っていると認識しており、今後も行政サービスの提供体制を工夫し、最適な組織規模で効率的な行政経営を行うよう努める。
実質公債比率は、公営事業会計の地方債の補償金免除繰上償還による準元利償還金の抑制や、過去に高金利で借り入れた事業債の償還が進んだことにより、年々低下傾向にある。類似団体平均を下回り適正な水準にあり、今後においても現行の水準で推移することが予想される。ただし、一般会計において臨時財政対策債発行額が増加傾向にあることや、公共下水道事業などの普通会計以外の会計で借入を行っている地方債の割合が他団体に比べ高いことなど、本市固有の事情もある。今後も、世代間の負担の公平化と将来負担のバランスをとりながら適切な地方債の発行管理を行うとともに、公共下水道事業会計における高金利借入の補償金免除繰上償還を実施する。
将来負担比率は、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てにおいて下回っており、他団体と比較すると非常に低く抑えられているが、これは、市債発行の抑制などにより、以前から将来負担額の低減に努めてきた結果である。また、前年度と比べ大きく下回ったのは、基金(財政調整基金等)への積み立てを例年より増加させ、このことにより充当可能基金が増加したことが要因となっている。今後も、市債発行の適正化に努めるとともに、公営企業においては独立採算制の確保に努める一方,将来負担比率の動向に留意した上で地方債の発行規模を定め、健全な財政政運営を図る。
人件費に係る経常収支比率については、類似団体の平均値を0.4%上回っているが、対前年度比で1.2%の減となった。定員適正化計画に基づき職員数及び給与の適正化を進めていることから、平成20年度より人件費は年々減少しており、人口1人当たり人件費・物件費等は、類似団体平均を下回っている。今後とも行政サービスを維持しつつ、内部事務の見直しや組織の簡素化を進め、経費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率が高くなっているのは、業務の民間委託化により職員人件費から物件費(委託料)へのシフトが起きているためである。このことは、物件費が上昇しているのに対し、人件費が低下傾向にあるという比率の推移にも表れている。今後も、公の施設の指定管理、民間委託等を積極的に進めていく予定であるため、職員人件費から物件費へのシフトは進むことが見込まれるが、内部管理経費の見直しや事務事業の整理・統廃合等を図り、物件費の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体、全国市町村、愛知県市町村の各平均の全てを大きく下回っているが、国の制度改正による社会保障関係経費の増加により、扶助費の額が急増しており、併せて扶助費に係る経常収支比率が上昇している。また、経常収支比率(合計)が高水準で推移している要因も、この扶助費の増加によるものである。
その他に係る経常収支比率は類似団体の平均値をわずかに上回っているが、対前年度比で0.4%の減となった。このことは、この経費の多くを占める公営事業会計への繰出金の減少が主な要因となっている。今後とも、事業の一層の効率化及び適正化を図ることなどにより、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
補助費等に係る経常収支比率は、類似団体、全国市町村、愛知県市町村の各平均の全てを下回っており、概ね適正な水準にある。長期間に渡り経常的に支出されている補助金等の見直しを実施したことから、前年度より0.4%低下している。今後も補助金の廃止、縮小、統合等の見直しを行い、補助費等の削減に努める。
公債費に係る経常収支比率は、類似団体、全国市町村、愛知県市町村の各平均の全てを下回っており、低下傾向にある。これは、過去の高金利地方債の償還が進む中で、新発債抑制を進めていることによるものである。しかし近年、臨時財政対策債発行額が増加しているため、今後も適切な地方債の発行管理に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、物件費に占める経常一般財源等の割合が高いことから、類似団体平均を上回っている状況にある。しかしながら、1人当たり決算額で比較した場合の人件費、物件費等においては、従前から歳出削減の取り組みを進めてきたこともあり、類似団体内平均、愛知県市町村平均、全国市町村平均の全てにおいて下回っている。今後も引き続き、歳出削減を図るとともに、内部管理経費の見直しや事務事業の整理・統廃合等を図り、物件費等の削減に努める。
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