経営の健全性・効率性について
経営の健全性においては、「経常収支比率」は100%を超えており、収支の均衡は保たれているが、「経費回収率」は、前年度よりも25.12ポイント改善されたものの、100%を下回っており、類似団体より低く、汚水処理にかかる費用が使用料収入以外の収入(一般会計からの繰入金)により賄われている。また、「流動比率」においては、借り入れた企業債の償還金が減少傾向となっていることなどから、前年度よりも13.51ポイント改善されたものの、100%を下回っているため、使用料単価を見直し適切な使用料収入を確保することが必要となる。「企業債残高対事業規模比率」は、類似団体・全国平均よりも低く、今後についても償還ピークを過ぎているため、今後も数値は減少していくと思われる。経営の効率性において、「施設利用率」は61.78%ではあるものの、類似団体・全国平均より高い状況となっている。現在でも未整備地区の管渠整備を進めているため、今後もわずかに増加していくと考えている。また、「水洗化率」では、類似団体・全国平均よりも高い状況だが、引き続き未接続世帯への啓発活動を実施し、水洗化率の向上を図っていく。※下水道事業経営の健全性・効率性の向上を図るため、令和2年度から鮫島・浜部集落排水処理施設[農排]を公共下水道施設[特環]に編入(施設の統廃合)した。
老朽化の状況について
磐田市下水道事業は、昭和56年度から資本費投資を開始しており、現時点では老朽管は存在しない。有形固定資産減価償却率については、令和元年度に公営企業会計移行したため、累積は非常に低いものとなっている。今後、減価償却を重ねていくことにより上昇していく。
全体総括
本市事業の課題として、経費回収率が低く、一般会計からの繰入金に依存している割合が高いことが挙げられる。経営状況を改善するため、令和3年8月から上下水道事業審議会に下水道使用料のあり方を諮問し、使用料の適正化を検討しており、安定して適正な使用料収入を確保するとともに、投資・財政計画を見直し、計画的な管路の整備、ストックマネジメントによる施設等の修繕を進め、健全な下水道事業経営に努めていく。※令和元年4月から地方公営企業法を全部適用したため、平成30年度以前のデータはありません。