経営の健全性・効率性について
十和田湖特定環境保全公共下水道は、県内有数の観光地である十和田湖の水質改善のために実施された事業である。「①収益的収支比率」は、100%を上回っているが、近年の観光客の減少等に伴い、下水道使用料は減少傾向にあり、また、多額の他会計負担金に依存していることから、経営改善に向けた取組が必要である。「②累積欠損金比率」は、令和3年度決算においては減少しており、引き続き、経営改善を図っていく。「③流動比率」は、100%を上回っているが、流動比率が減少しているため、今後注視する必要がある。「④企業債残高対事業規模比率」は、建設改良費の財源に県債を充当していないことから、0となっている。「⑤経費回収率」は、汚水処理費に秋田県分が含まれていることから、低い値となっている。「⑥汚水処理原価」は、⑤と同様、汚水処理費に秋田県分の費用が含まれていることから、高い値となっている。「⑦施設利用率」は、当事業が観光客をメインとした事業であり、観光シーズンにあわせて施設が整備されていることから、年間を通した施設利用率は低い値となっている。「⑧水洗化率」は、類似事業と比較して、高い値となっている。今後も、水洗化率向上の取組を進めるとともに、地理的要因や将来の見込みも踏まえ、対応を検討する必要がある。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」は増加傾向にあり、施設の老朽化が進んでいる。このため、可能な限り既存施設を活用し、ライフサイクルコストの低減を図りつつ、必要なものについては改築更新を実施することで持続的な下水道機能の確保を図っていく必要がある。「②管渠老朽化率」及び「③管渠改善率」は、供用開始後30年程度であり、これまで大規模な管路改修の必要がなかったことから0となっているが、計画的な調査など状態監視を行うことで今後も継続して適切な維持管理に努めていく。
全体総括
施設については、観光シーズンの宿泊者等を想定して整備されているため、近年の観光需要の低迷も併せて、年間を通した下水道事業の経営という面では厳しいものとなっている。今後は、令和3年に策定した青森県下水道事業経営戦略に基づき、現状と将来の見通しを踏まえた経営改善に努めるとともに、下水道ストックマネジメント計画に基づき、重要度の高い設備から予防保全や改築を実施する。