経営の健全性・効率性について
収益的収支比率については年度ごとの大規模修繕の有無や維持管理的事業の実施状況により、年度ごとのばらつきが生じている。経費回収率は類似団体と比べ高いものの、100%を下回っており、今後は汚水処理原価へ影響する施設規模の適正化や適正な料金設定の検討が必要である。汚水処理原価は今年度、類似団体と比べ高くなっており、今後は更に電気料等の維持管理費の増大に伴う原価の上昇が予想されるため、適正な料金設定を検討する必要がある。水洗化率も近年の接続勧奨取り組み強化によって上昇傾向にあり、同じく経営の効率化に寄与している。企業債残高対事業規模比率については、起債償還が進み、他類似団体と比較して低い水準にあるものの、今後、「下水道ストックマネジメント計画」に基づく施設の老朽化対策や施設改築等事業実施に充てる企業債の新規借入れや、汚水処理人口の減少に伴う営業収益の減少の影響が懸念される。施設利用率は、直近の2年において、類似団体と比較して低い状況である。当該処理区は、観光エリアを抱えており、寡雪、新型コロナウイルス感染症の影響による観光客の減少が影響している。農業集落排水地区の統廃合の影響により、今後浮き沈みが予想されるが、実態としては低下傾向にあり、今後更なる人口減少に伴う施設利用率の低下が予想されることから、下記の老朽化対策と併せて将来の施設能力の適正化を図るのは勿論のこと、既存ストックの将来の有効活用を検討する必要がある。
老朽化の状況について
管渠は、全ての処理区において耐用年数は未到来であるが、令和元年度から建設年度の古い管渠の調査・点検を開始した。処理場については最も古い施設で供用開始から30年余りが経過しており、機械・電気設備を中心に標準耐用年数を超過する施設が存在している。平成28~30年度にかけて処理場の長寿命化対策と耐震対策を実施してきたが、このうち長寿命化対策として更新した機器類は全保有機器の4%程度であり、今後の改築需要が相当量存在する。今後の施設の改築更新にあたっては、予算制約の中、施設の重要度に係るランク分けを適切に行い、老朽化の状況を見ながら「目標耐用年数」を基準に改修計画を検証し、施設によっては「状態監視保全」による保守も考慮すること、また機器等の更新時には、能力及び仕様の適正化を最大限考慮し、施設全体のライフサイクルコストの最小化を目指す。
全体総括
今後人口減少が進む中、下水道ストックマネジメント計画に基づく改築需要に応じた適正な下水道使用料の設定や事業運営のあり方を検討し、計画的に事業を運営したい。