地方独立行政法人長野県立病院機構：阿南病院【地方財政ダッシュボード】

経営比較分析表（2021年度）

地域において担っている役割

長野県下伊那南部地域の中核病院として二次医療を担っており、へき地医療拠点病院、救急告示病院として、地域住民の疾病予防、早期発見、治癒及び救急患者の対応に寄与している。また、交通事情や地域ニーズに合ったへき地巡回診療や、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリなどの在宅医療にも力を入れた地域医療を提供している。さらに、併設の阿南介護老人保健施設とも連携し、医療と福祉の切れ目のないサービスを提供している。

経営の健全性・効率性について

・令和３年度は、①経常収支比率は、新型コロナウイルス緊急包括支援事業補助金により前年度横這いとなり、また、類似病院平均値より上回った。②医業収支比率は前年度を上回ったものの、類似病院平均値を下回った。・④病床利用率は、新型コロナウイルスの影響が引き続き前年度横這いとなった。また、類似病院平均値よりも下回った。

老朽化の状況について

本館棟は耐震化改築工事により2013年に新館となったが、1985年に建築された東館、西館についてはともに不具合箇所が散見される。今後は、計画的に修繕を実施するとともに、改築を視野に入れた経営計画を検討していく必要がある。また、器械備品減価償却率は前年度比で低下したものの、引き続き収支のバランスを踏まえた上で、計画的に器械を更新する必要がある。

全体総括

経常収支比率は5年連続で100%を達成しているが、医業収支比率が60%台で推移しており、本来の医業活動から生じる医業収益だけで賄われている状況ではない。地域唯一の中核病院として、高齢化と人口減少が進む地域における地域包括ケア病床の開設などの地域のニーズに沿った病院運営を進めるとともに、患者本位の優しさと思いやりのある地域医療の推進に努めている。

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