収益等の状況について
収益的収支比率は、類似施設の平均値を下回る水準が続いていましたが、駐車場建設時の起債償還が平成30年度に終了したことから、収支比率は改善しています。今後、暫く新規の建設工事の予定が無いことから、収益は黒字で推移するものと見込んでいます。ただし、施設自体は供用開始より20年近くが経過し、老朽化が進んでいるため、大口投資に至る前に適切な施設管理を行う必要があります。
資産等の状況について
平成26・27年度の2カ年に渡り、消防設備の大規模修繕を実施し、続く平成28年度には駐車管制設備の更新を行ったことから、収益は赤字基調で推移してきました。しかし、平成30年度は建設当初の起債償還が完了し、大規模な改修が無いことから黒字に転換しております。なお、当面の間、収益は黒字で推移していく見通しとなっています。
利用の状況について
当該駐車場の稼働率は類似施設の平均値と同等の水準を維持しており、利用者の需要が高い施設であると言えます。要因としては、近在の会館や公共施設を会場として行われる講義、講演他催し物への参加者の利用が多いことによるものです。稼働率をはじめとして利用の状況が好転しているだけに、満車時に駐車出来ないことによる顧客満足度の低下や機会損失、入出庫時の交通渋滞等懸念されるところですので、安心、安全且つ快適な施設を提供出来るよう、周辺の市営駐車場との連携を視野に入れ、一層効率的な施設運用に努める必要があるものと考えます。
全体総括
計画的な設備更新が一巡し、令和元年度をもって起債償還が完了したことから、収益面は大幅に改善されています。周辺の会館や公共施設を訪れる方が当該駐車場を利用するため、今後もこうした利用ニーズに支えられ、安定した実績を維持し、大きな収益を生むことが期待されています。利用者の満足度向上のため、また施設の長寿命化のため、今後も駐車場施設の適切な管理運営を行える体制を整えることが必要です。今後は、令和元年度に策定した当該駐車場を含む市営市街地駐車場事業経営戦略に沿って、計画的に改修を行っていく予定です。