経営の健全性・効率性について
収入については使用料、受託事業収益とも減少、組織市町からの繰入金は支払利息と減価償却費を繰入根拠としているためやや増となった。経費については支払利息は減少傾向であるが減価償却費等の増などでやや増加となった。この結果①経常収支比率は若干の減少がみられる。⑤経費回収率については使用料等の減少により悪化した。⑥汚水処理原価については、当組合の処理区域からの使用料で原価を算定したもので類似団体に比べ高く推移している。受託事業にかかる汚水量を加味すると158.35となり、類似団体以下の処理原価となる。以上のことから、経営の健全性、効率性については、受託事業収益を含めた場合、類似団体と同程度であると考えられる。受託事業収益は事業の広域化によってもたらされているため、今後も広域化や共同化を推進しスケールメリットを生かしたいと考える。③流動比率については、留保資金の確保等現在のところ十分であると考える。④企業債残高対事業規模比率については、投資額を償還額以内に抑えているものの営業収益の減少により増加している。
老朽化の状況について
供用開始後36年を過ぎ、①有形固定資産減価償却率は50%を超えている。設備の老朽化が進んでいるため、ストックマネジメント計画を策定し計画的な改築事業を行っている。管渠設備については耐用年数は50年であるため②管渠老朽化率は0%である。管内調査を行った結果不具合が見つかったため平成29,30年度に管更正工事を実施した。このため③管渠改善率が増加している。
全体総括
組合では、下水道サービスを永続的に区域住民に提供していくために、平成30年度に策定した経営戦略に基づく事業計画や経営の健全化に向けた取り組みを実施している。組織市町との事業の共同化や処理場のダウンサイジングなど具体的な経営の効率化に向けた取り組みを一歩ずつ実施する予定であるが人口減少社会や水需要の低下、施設の老朽化など経営環境は非常に厳しいものと認識している。