経営の健全性・効率性について
本市では、前年度と比較して費用が増加したことから、経常収支比率は前年度対比マイナス0.42ポイント、料金回収率は100%を下回る数値となりました。給水原価についても同様の理由により増加しています。また、前年度と比較して未払金の増加を主因として流動負債が増加したことから、流動比率は前年度対比マイナス202.01ポイントと数値が下がりました。一方で、企業債残高対給水収益比率は低い数値で推移していることから、費用・債務に対する支払能力は前年度同様高いといえます。また、施設利用率及び有収率は類似団体と比較して高い値を示しており、効率性は確保されています。しかし、今後も給水収益の減少傾向、施設の老朽化による維持管理費の増加傾向は続くと予想されることから、引き続き、施設の耐震化等に必要な資金の確保等が課題となっています。
老朽化の状況について
管路更新率は前年度と比較してマイナス0.5ポイントとなりましたが、引き続き類似団体平均値を上回っています。また、有形固定資産減価償却率及び管路経年化率は類似団体平均値を上回る数値であり、管路の更新等の必要性が高いといえます。更新が必要な管路は今後も更に増加するため、更新に必要な資金をいかに確保していくかが課題となっています。
全体総括
本市の水道事業は、水需要の減少傾向、施設の経年化に伴う維持管理費の増加傾向は続くと予想されることから、将来的に厳しい経営状況になると考えられます。また、持続的な経営を行うためには、内部留保資金を十分に確保する必要があります。今後も企業債に過度に依存することなく、経費節減に努めるとともに、適正な料金水準を検討し、健全な経営を目指します。