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基準財政収入額は、市内主要企業の好況に伴う市町村民税(法人税割)の増、地方消費税率の引き上げに伴う地方消費税交付金の増、新・増築家屋の増加に伴う固定資産税(家屋)の増などにより、全体で5.2%の増額となった。基準財政需要額は、地域の元気創造事業費の算定項目新設に伴う皆増、25年度債の償還費発生による公債費(臨時財政対策債)の増、社会福祉費、高齢者保健福祉費の単位費用及び補正係数の増などの影響により、全体で3.1%の増額となった。この結果、平成26年度の財政力指数(単年度)は前年度を0.02ポイント上回り、3か年平均は前年度を0.01ポイント上回る0.95となった。
歳入面では、固定資産税を中心とした市税の増収や、地方消費税交付金が消費税率の引き上げの影響により増となったものの、地方交付税の減や臨時財政対策債の発行抑制に伴う減が大きく、経常一般財源全体では、昨年度より1.1%の減となった。歳出面では、消費税率の引き上げの影響などによる物件費の増や扶助費の増などにより、経常的経費充当一般財源全体としては、1.7%の増となった。経常一般財源が減となり、経常的経費充当一般財源が増となったことから、経常収支比率は前年度より2.5ポイント悪化した。臨時財政対策債を経常一般財源に含めない場合は前年度より0.5ポイントの悪化にとどまることから、将来の負担軽減のために行った臨時財政対策債の発行抑制の影響も考えられる。しかしながら、類似団体と比較して比率が高い数値で推移しており、厳しい財政状況となっている。
人件費については給与の適正化に努めていることから減となったが、物件費は、消費増税による影響のほか、マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)の導入に伴うシステム改修費や、市立保育園の改築に伴う仮園舎借上料が増となったことなどから、人件費・物件費等の決算額は前年度と比較して増となった。人件費については、退職者数の増減の幅が大きいことによる影響があり、物件費については、更なる消費増税の影響のほか、マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)の開始に伴うシステム改修経費や指定管理者制度の推進による指定管理料の増が見込まれるが、仕様書の見直しや施設そのもののあり方を検討するなどにより、引き続き削減に努めたい。
平成26年度において、東京都に準拠した給与改定を行ったことなどから、類似団体平均と同水準となった。今後も、東京都や都下他団体の動向も踏まえながら、引き続き給与の適正化に努めていきたい。
従前から、適正配置を基本として、組織の統廃合を行うことや、再任用職員の活用・民間委託化等を積極的に進め、退職者の不補充や配置の見直しなどにより、定員の適正化に努めている。今後についても、限られた人的資源の有効活用の推進に向けた計画的な定員管理を行っていくことに努める。
人口増加に伴う公共施設の建設が続いた時期の市債の償還が終えてきたことや、平成4・5年度に建設した市民文化会館などに係る起債の償還が平成24・25年度に終了したこと、また市債借入額が償還元金額を上回らないこととした財政規律を設け債務残高の抑制を図ってきたことで、前年度に比べ公債費は減少した。また、1990年度に下水道普及率100%に達している下水道事業においても前年度に比べ公債費は減少した。今後としても、財政規律を基本としつつ財務残高の抑制を図っていく方針であるため、公債費は減少していく見込みであるが、老朽化する公共施設等の大規模改修及び改築などに係る起債が必要になる際には、公債費は増加していくことが予想される。
地方債現在高や公営企業債等繰入見込額の減少による将来負担額の減及び財政調整基金などの現在高の回復による充当可能基金の増加による充当可能財源の増などにより、平成26年度においても将来負担比率は算定されていない。今後も単年度における市債借入額が償還元金を上回らないことを基本としつつ、余剰財源等を活用した基金現在高の確保に努めることにより健全な財政運営を図りたい。
人件費に係る経常収支比率が前年度より0.7ポイント悪化した主な要因は、退職者の増に伴う退職手当が増加したことによる。類似団体平均と比較すると、人件費に係る経常収支比率は2.8ポイント低くなっている。全国平均や東京都平均と比較しても低くなっており、職員一人当たりの人口が高い水準にあることなどから経常経費が抑えられていると考えられる。今後も引き続き、東京都や都下他団体の動向も踏まえながら、直営事業の業務委託化などを進めることにより適正な定員管理を行い、人件費の抑制に努めていきたい。
物件費に係る経常収支比率は対前年度比で1.1ポイント上昇している。この要因としては、消費増税による影響のほか、小学校給食調理の指定管理者制度を推進したことによる経常経費の増加が主なもの考えられる。今後も更なる消費増税の影響のほか、指定管理者制度の推進などにより増加傾向が続くと考えられることから、引き続き削減努力に努めていきたい。
平成26年度の決算額全体にしめる扶助費の割合は、サービス量増加に伴う障害者自立支援給付費の増や待機児童解消に向けた民間保育園新設に伴う民間保育園保育実施委託費の増などにより、対前年比で1.0%増の29.0%となった。経常収支比率は、扶助費に係る一般財源支出額が児童福祉費の伸び等により、前年比で6.0%の増となったため、1.0ポイント悪化し13.8%となった。今後も保育需要の増加や高齢化の進展に伴い扶助費一般財源負担額の増傾向が続くものと考えられる。
その他にかかる経常収支比率が類似団体を上回っている主な要因は、繰出金である。国民健康保険事業特別会計については、高齢化の進行、医療の高度化、被保険者数の減に伴う保険税の減収などの影響により、赤字補てん的な繰出金が増加傾向であるため、経費の削減や国民健康保険税の適正化を図ることなどにより、市の財政負担が軽減されるよう努める。また、後期高齢医療特別会計及び介護保険事業特別会計についても、高齢化の進行などによる医療費の増加に伴い繰出金が増えており、今後も同様の傾向が続くことが懸念される。下水道事業特別会計については、公債費の減少に伴い繰出金も減少している。
補助費等にかかる経常収支比率が類似団体を大きく上回っているのは、常備消防の東京都事務の東京都負担金、一部事務組合に対する負担金、病院に対する補助が多額になっているためである。一部事務組合への負担金のうち、ごみ処理に係る経費が多くを占めている。今後は、常備消防事務に対する補助は大きく変化しない見込みであるが、ごみ処理経費は焼却施設の更新工事や共同リサイクル施設の設置に向けた負担金の増が予想される。病院についても動向を注視する必要がある。市の財政状況が厳しい中で、一部事務組合に対しても経費削減の努力を働きかけていく。
公債費に係る経常収支比率が前年度より1.2ポイント改善した主な要因は、人口増加に伴う公共施設の建設が続いた時期の市債の償還が終えてきたことに加え、平成4・5年度に建設した市民文化会館などに係る市債の償還が平成24・25年度に終了したことなどによる。公債費については、今後も市債借入額が償還元金を上回らないとした財政規律を基本とし、債務残高の抑制を図っていく。
公債費以外の経常収支比率が、前年度に対して3.7ポイント上回った要因としては、扶助費で1.0ポイント、物件費で1.1ポイント、人件費で0.7ポイント上昇したことなどによる。類似団体平均に比べると6.2ポイント上回っているが、補助費等や扶助費、繰出金の影響によるものと考えられる。
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