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市の歳入構造が市税中心であり、安定した収入に支えられていることから、昭和52年度以降「1」以上で推移している。平成22年度以降は、リーマンショック後の市税収入を反映して基準財政収入額が伸び悩む一方で、基準財政需要額から控除されている臨時財政対策債発行可能額が平成23~25年度にかけて段階的に減少したことなどにより、下降傾向となっていた。平成30年度は、基準財政需要額が増となったことに加え、基準財政収入額が減となったことにより減となった。今後は法人市民税の国税化などによる減収が見込まれているため、事業改善や委託化・民営化の推進などにより経常経費の削減を図るとともに、収納率の向上に向けて取り組むなど歳入確保を図り、引き続き安定的な財政構造の維持に努める。
市税収入が低迷する一方、扶助費が増加する中で、行財政改革の推進により、80%台を維持している。平成30年度は、待機児童の解消に向けた私立認可保育園や認証保育所等の運営事業費が増となったほか、介護保険事業や後期高齢者医療特別会計への繰出金の増などにより経常的経費充当一般財源が増となったものの、市民税や固定資産税などの市税収入が増となったことなどによる経常一般財源の増が上回ったことから、89.4%(前年度比0.2ポイント減)となった。今後も「第4次三鷹市基本計画(第1次改定)」で定めている「概ね80%台を維持(特殊要因による場合にあっても90%台前半に抑制)」に努める。
人件費は、定数の適正化や給与の見直し等による減、職員の働き方改革の推進による時間外勤務手当の減があった一方で、退職手当の増、嘱託職員数の増などによる嘱託員報酬の増、共済組合市負担金の負担率引き上げなどの影響により増となった。また、物件費等は、予算編成においてマイナスシーリングを実施するとともに、平成22年度から「事務事業総点検運動」、23年度から「公共施設総点検運動」、26年度から事務事業総点検運動を発展的に継承した「対話による創造的事業改善」の取り組みを進めたものの、庁内システムや教育ICTのセキュリティ強化への対応など情報システムに関する経費が増となったことなどにより、前年度比で増となった。引き続き、職員給与の適正化や経常経費の削減を通して、人件費・物件費等の更なる抑制に努める。
平成31年4月1日現在のラスパイレス指数は、「99.6」である。職務の困難度や責任の度合いに応じた給与制度を平成12年度から導入して以降、ラスパイレス指数は6.9ポイント低下している。制度の導入以降も、国における給与構造改革等への対応も含めて給与の適正化に継続的に取り組んできた。今後も、地方分権時代にふさわしい給与制度の確立に向けて見直しを行っていく。
平成7年度以降、国や他団体に先んじて定員管理の適正化に取り組み、その後も、「三鷹市行財政改革アクションプラン2022」に基づき、更なる職員定数の見直しに取り組んだ。その結果、取組前の職員数1,334人(平成7年4月)が、953人(平成31年4月)となり、28.6%削減された(公益的法人等派遣職員を除く。)。今後も、事務事業の見直し、業務の委託化、再任用化などを図るとともに、新規事業や国及び東京都からの権限移譲に適切に対応し、職員定数を適切に管理することで、市民サービス、「組織力」の維持・向上を図っていく。
市債発行額の抑制や低金利債への借換え、高金利債の繰り上げ償還などを実施し、後年度負担の抑制に努めていることにより、類似団体平均を下回っている。平成30年度は、標準財政規模が減となったものの、一般会計の公債費の減や特定財源の増などにより、前年度と比べて1.2ポイントの減となった。今後もバランスに配慮した市債の発行を図り、「第4次三鷹市基本計画(第1次改定)」で目標としている、「概ね6%を超えないこと」の達成に努める。
地方債現在高が減となったことに加え、三鷹市土地開発公社の借入金に係る繰上償還や先行取得した公共用地の買戻しが進んだことにより債務負担行為に基づく支出予定額が減となったことなどから、前年度比9.3ポイントの減となった。今後も基金残高の確保を図るなど健全な財政運営に努める。
三鷹市では、以前から職員数を低く抑えてきたが、平成7年度以降、行財政改革に取り組み、職員定数の見直しを継続的に実施してきた。平成12年度以降は、給料や諸手当の全般にわたって見直しを図り、給与水準の適正化に努めているところである。平成30年度においては、退職手当の増、嘱託員報酬の増などにより人件費総額では増となったものの、分母となる経常一般財源等が前年度を上回ったため、人件費に係る経常収支比率は減となった。今後とも、職員定数と給与水準の両面の見直しを検討・実施し、人件費の適正化に努める。
指定管理者制度の導入や学校給食調理業務などの事業の民営化・委託化を推進していることから、人件費に係る経常収支比率が低い一方で、物件費に係る経常収支比率が高くなっている。平成30年度は、更なる学校給食調理業務の委託化を進めたほか、庁内システムや教育ICTのセキュリティ強化などにより、前年度と比べて0.3ポイントの増となった。今後も引き続き、「新・三鷹市行財政改革アクションプラン2022」に基づき、民営化・委託化の一層の推進を図るとともに、経常経費の削減に取り組む。
待機児童の解消として積極的に進めている保育園の増設、障がい福祉サービス利用者の伸びを反映した自立支援給付費の増などにより、扶助費に係る経常収支比率は年々上昇傾向にある。平成30年度は、私立認可保育園4園が開設したことなどに伴う運営事業費の増に加え、障がい者(児)の自立支援に係る給付金の伸びなどがあったものの、経常経費全体が増となったため、前年度と比べて0.1ポイントの減となった。
その他における経常収支比率の大部分は特別会計への繰出金となっている。長寿化の進展などによる介護保険や後期高齢者医療特別会計への繰出金は増加傾向にある。平成30年度は、要介護・要支援認定者及びサービス利用者の増加による給付費の伸びや後期高齢者の増などにより介護保険事業及び後期高齢者医療に係る繰出金が増となったことなどから、前年度と比べて0.2ポイント増加している。
全国や東京都平均と比べて補助費等に係る経常収支比率が高いのは、コミュニティ・センターにおける施設運営等を住民協議会が行うなど、市民・NPO法人・事業者等との協働を推進しているためである。平成30年度は、認証保育所入所児童数の増や保育従事職員宿舎借り上げ支援事業による保育士等の処遇改善の拡充のほか、国庫支出金等超過収入額の返還金が増となったことなどにより、前年度と同程度となった。引き続き、各種補助制度の見直しに取り組むことにより、一層の適正化に努める。
これまで低金利債への借換えや高金利債の繰上償還などに取り組んできたことから、公債費に係る経常収支比率は、類似団体内平均値を下回っている。平成30年度は、三鷹中央防災公園・元気創造プラザ整備事業債の大部分の償還開始があるものの、平成29年度に井口地区の総合スポーツセンター(仮称)用地取得事業債の償還が完了したことなどから、前年度比0.3ポイントの減となった。今後も「都市再生」に向けた取り組みなどに一定の市債の活用を図ることとしているが、計画的かつ適正な活用により、引き続き、後年度負担の軽減に努める。
「対話による創造的事業改善」の取組により経常的な業務の見直しを行っている。平成30年度は、そうした恒常的な取り組みのほか、行財政改革の指針となる計画の改定に向けた全事務事業の基礎情報を整理する「事務事業の棚卸し」を実施した。待機児童の解消に向けた経費の増などにより経常経費充当一般財源等が増となった一方で、地方消費税交付金が都道府県間の清算基準の見直しにより大幅に減となったものの、個人・法人市民税がそれを上回る増となったことなどにより経常一般財源等が増となったため、公債費以外の経常収支比率は前年度と比べて微増した。今後も経常的な業務の見直しや民間委託化など、徹底した行財政改革を推進し、各費目の歳出削減に努める。
(増減理由)高環境の創出を目指す先導的な活動を支援するため「環境基金」から33百万円をとりくずした一方、市税の増収や寄付金を財源として、「財政調整基金」に342百万円、「健康福祉基金」に414百万円、「庁舎等建設基金」に402百万円を積み立てたことなどにより、基金全体としては1,479百万円の増となった。(今後の方針)第5次三鷹市基本計画の計画期間内に学校施設の長寿命化などの大規模事業が本格化し、多額の経費を要することが想定されることから、とりくずしを極力抑制するとともに計画的な積立を行うなど残高の確保に努めていく。
(増減理由)平成30年度は、市税の増収等により積み立てを行うとともに、将来にわたる安定的な財政運営やセーフティネット機能の確保を図るため、とりくずしを抑制したことから、前年度比342百万円の増となった。(今後の方針)標準財政規模を基準とし、将来的には15%の残高を目指しつつも、第4次三鷹市基本計画(第一次改定)計画期間内(令和4年度まで)においては、3年分の財源不足に対応するため残高目標を50億円とする。
(増減理由)(今後の方針)
(基金の使途)・まちづくり施設整備基金:都市再生に向けた公共施設・道路・橋りょうの整備、自然環境の保全などの推進・健康福祉基金:市民が地域において健康で安心して生活できる高福祉のまちを目指し、高齢者、障がい者及び子どもに係る福祉施策並びにすべての市民の健康施策及び健康福祉施設の整備の推進(増減理由)・健康福祉基金:障がい者自立支援給付費など社会保障関連経費の増加に的確に対応するため、414百万円を積立てたことにより増加・庁舎等建設基金:市庁舎等の建替えに向けて402百万円を積み立てたことによる増加・まちづくり施設整備基金:公共施設の整備や都市計画事業の着実な推進のため327百万円を積立てたことにより増加(今後の方針)・健康福祉基金及び子ども・子育て基金:今後の財政需要を勘案し、40億円を基金残高の目標とする。・まちづくり施設整備基金:第5次三鷹市基本計画の計画期間内に三鷹駅前再開発等が本格化する見込であることから、計画的な積立を行う。
各資産の減価償却が進んだことから前年度を上回っているが、東・西多世代交流センターの大規模改修など計画的に施設の更新に取り組んでいる。全国平均や東京都平均に比べ高い水準にあるものの、平成28年度に三鷹市が策定した「公共施設等総合管理計画【本編・公共施設カルテ編】」に基づき、施設の総合的かつ計画的な管理を推進し、行政サービスの維持・向上及び財政負担の軽減等を図っている。
全国平均や類似団体内平均値を下回っており、前年度と比較しても減少傾向となった。主な要因としては、地方債発行額の抑制や繰上償還の実施などにより地方債現在高が減少傾向にあることによる。今後も債務の減少に努めるとともに、業務の見直し等により収支の改善を図ることで後年度負担の抑制に努める。
将来負担比率については減少傾向が続いており、平成30年度は地方債の現在高が減となったことや債務負担行為に基づく支出予定額が減となったことになったことから、前年度を下回った。一方で、有形固定資産減価償却率は前年度を上回っており、今後も「公共施設等総合管理計画【本編・公共施設カルテ編】」に基づき、施設の総合的かつ計画的な管理を推進し、行政サービスの維持・向上及び財政負担の軽減等を図る。
実質公債費比率については、「第四次三鷹市基本計画(第一次改定)」で目標としている「概ね8%を超えないこと」を満たす範囲内で推移している。平成30年度は、債務負担行為に基づく支出である三鷹市土地開発公社からの買戻し経費等が減となったことから、前年度を下回った。将来負担比率については、減少傾向が続いている。平成30年度は地方債の現在高が減となったことに加え、三鷹市土地開発公社借入金の繰上償還を行ったほか、先行取得した公共用地の買戻しが進んだことにより債務負担行為に基づく支出予定額が減になったことから、前年度を下回った。今後も市債発行額の抑制や低金利債への借換え、高金利債の繰上償還などを実施し、後年度負担の抑制に努める。
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