経営の健全性・効率性について
①経常収支比率:前年度に比べ0.64ポイント上昇した。これは、平成29年度に料金改定を行ったため、給水収益が増加となっているが、類似団体平均値に比べ低い数値である。②累積欠損金比率:平成29年度に料金改定を行ったため、給水収益が増加しており、累積欠損金は発生していない。③流動比率:前年度に比べ19.24ポイント低下した。施設更新の財源として内部留保資金を活用してきたため、比率は低下傾向にある。ただし、比率が100%を超えているため、短期的な債務に対する支払能力は備えている。④企業債残高対給水収益比率:前年度に比べ10.71ポイント改善した。これは、当該指標の分母である給水収益が増加したことが主な要因である。なお、類似団体平均値及び全国平均値を上回っている要因としては老朽管更新及び施設整備の財源として毎年度企業債を発行しているためである。⑤料金回収率:前年度に比べ1.05ポイント上昇した。平成29年度の料金改定により100%を超える数値となっているが、類似団体平均値に比べ低い数値である。⑥給水原価:前年度に比べ1.84円上昇した。これは、前年度に比べ修繕引当金の充当額が減少したことによるもので、経常費用が増えたことが主な要因である。⑦施設利用率:類似団体平均値を上回っており、事業規模に見合った運用ができている。⑧有収率:前年度に比べ0.1ポイント低下した。主に漏水やにごり水などの発生による無収水量が増加したことが要因である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率平成27年度より上昇傾向が続いているが、類似団体平均値及び全国平均値を下回っている。これは、老朽管や経年施設の更新を計画的に行っていることが要因である。②管路経年化率年々上昇傾向にあるが、類似団体平均値及び全国平均値を下回っている。これは、老朽管の更新を計画的に行っていることが要因である。③管路更新率前年度に比べ上昇している。類似団体平均値及び全国平均値は上回っている。これは、老朽管の更新を計画的に行っていることが要因である。
全体総括
本市の水道事業は、平成30年度決算において当期純利益を計上した。これは平成29年度に料金改定を行ったことにより、給水収益が増加したことが主な要因である。ただし、今後は給水人口の減少や節水機器の普及に伴って有収水量が減少するため、給水収益は減少する見込みである。したがって、引続き経費の節減等により経営改善を図っていくこととする。また、今年度から浄配水場の更新事業が始まり、工事が本格化することから、その財源確保に努め効率化を図ることとする。なお、平成29年度に経営戦略を策定した。今後はこの計画の達成状況について毎年度進捗管理を行い、計画と実績の乖離が著しい場合には、その原因を分析し対策を講じ、経営健全化及び経営基盤の強化を図っていくものとする。