経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、修繕費や支払利息等の減により類似団体平均を上回るだけでなく、過去4年間で最高となっており、健全な経営が行われている。②累積欠損金比率も0%を維持している。③流動比率は引き続き100%以上を維持し、更に企業債償還額の減や資金残高の増等により、類似団体平均も上回った。④企業債残高対給水収益は起債額の抑制により減少が続いており、類似団体平均も下回ることができた。しかし、今後は施設の更新による支出の増加が見込まれるため、企業債残高に配慮しつつ資金の確保に努めていく必要がある。⑤料金回収率は100％以上を維持し、給水に係る費用は水道料金でまかなわれている。また類似団体平均値を大きく上回っている。⑥給水原価も類似団体より低く抑えられている。しかし、人口減少により今後の有収水量の大幅な増加は期待できず、利益の確保のため経費削減に努めていく必要がある。⑦施設利用率は、類似団体平均値を上回っており効率的な施設運営が行えているが、裏を返せば余裕がないともいえる。安定供給のために計画的な施設更新を行っていかなければならない。⑧有収率は類似団体平均値を下回っているが、平成27年度より老朽管布設替えを本格化させたことや配水管洗浄の実施により、それ以前と比べ改善している。今後も計画的な老朽管更新による漏水防止と定期的な配水管洗浄により有収率の向上を目指す。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は固定資産全体の老朽化度合を示したもので、類似団体平均値を上回っている。これは他団体と比べて耐用年数を過ぎた施設の割合が高いということである。そのため策定した第2次基本計画に従い、老朽施設の更新を順次進めている。②管路経年化率は、数値が高いほど管路の老朽化が進んでいることを示すもので、類似団体平均値が上昇傾向にある中、石綿管の布設替えを計画的に行うことにより、比較的低く抑えられている。③管路更新率は類似団体平均値を下回ったが、令和７年度完了を目標にした石綿管布設替計画により更新を行っている。今後も引き続き計画的な更新を進めていく。
全体総括
経営の健全化及び効率性に関する指標から、本市水道事業の経営は良好であり、健全な状況を維持しているといえる。しかし、今後、水利権取得に係る負担金や老朽施設更新のための財源確保が必要であり、また、人口減少による料金収入の減少が見込まれるなど、経営は厳しくなっていくものと予想される。そのため、効率的かつ効果的な施設更新を進めていくとともに、経営の効率化を図り、更なる経費の削減に努めるなど、持続可能な事業運営を行っていく必要がある。
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