経営の健全性・効率性について
士幌町の水道は、良質な地下水(深井戸水)を水源としていることから、滅菌のみで水道水を供給している。そのため、水を浄化するための施設や設備の投資額及び、経常的な管理経費を抑制する事が出来る。よって、類似団体と比べ以下の特徴を持つ。⑥「給水原価」が低い。⑤「料金回収率」が高い。①「収益収支比率」が高い。また、町の主要産業は農業である。よって、町内の大半を占める農業地域に水道施設を建設する際には、農林水産省の補助を活用することにより、経営の負担を低減できた。よって、④「企業債残高対給水収益比率」が低い。更に、農業の大規模化に伴い、町内の水需要は依然として高く、水不足の解消を図るため、平成10年以降に施設・管路の更新を行っている。よって、⑧有収率が高い。⑦施設利用率が比較的高い。
老朽化の状況について
士幌町には、6箇所の浄水場、33の配水池、約350Kmの水道管がある。町では、施設が老朽化していた農業地域において、経営認可を取得し水道事業を実施した。(平成10~20年度)これにより、町内の水道施設・管路の約4割を改修することができ、現在も市街地を含む農村区域の更新を行っている。③「管路更新率」が類似事業体より低い理由は、新設した管路が供用を開始していないためである。
全体総括
士幌町では、農業地域の整備に重点を置いて整備を行ってきた。これにより、郊外地域の老朽施設・管路の更新を終えることが出来た。しかし、今後は、老朽化した市街地を更新する必要があることから、中長期計画で事業に着手している。この事業により、起債残高が大幅に増えるため、今後は、水道事業の経営を圧迫する事が予想される。永続的な事業継続を図るため、料金の改定をはじめとする抜本的な改革が必要である。