経営の健全性・効率性について
平成30年11月分から料金改定を実施し、改定率19.59%に対して2年ごと1/2づつの2段階での改定としております。このことにより、給水収益が増加したことから、企業債残高対給水収益比率は減少しましたが、費用の増加により、経常収支比率は減少、給水原価は増加しております。今後、令和2年11月分から2段階目の改定を予定しており、短期的には経営状況の改善が図られる見込みです。しかし、流動比率については類似団体の平均値と近いが、企業債残高対給水収益比率については、類似団体の平均値を大きく上回っていることから、毎年度生じた利益を施設更新財源の一部に充てるなど、企業債残高の圧縮に取り組む必要があります。給水原価は類似団体の平均値を上回っておりますが、給水区域面積が広く複数の浄水場が点在し管路延長が長いことが要因であり、長期的にさらなる効率化を図っていく必要があります。有収率が減少しているのは、漏水量が増加したためであり、このことは施設利用率の増加にも影響しております。有収率が類似団体の平均値を下回る状況で推移している要因のひとつとして、管路延長が長く凍結対策で水道管の埋設深度が深いため、漏水発見の遅れがあると考えており、老朽管の計画的な布設替とともに、定期的な漏水調査など適切な維持管理を継続して実施することにより、有収率の向上を目指して参ります。
老朽化の状況について
管路経年化率は、類似団体の平均値を上回っており、高度経済成長期に整備した管路が順次法定耐用年数を迎えることにより年々増加傾向で推移しています。管路更新率では、類似団体の平均値を下回る状況ですが、施設の重要度、経過年数及び漏水・濁水発生箇所などを考慮しながら老朽管の更新を進めております。今後は老朽化した管や施設がさらに増加することが見込まれるため、長寿命化を図りつつ、適正な管路更新のペースなどを勘案しながら計画的に事業を行い、施設の健全性を確保し、水道水の安定供給を維持する必要があります。
全体総括
北見市の水道事業においては、給水人口の減少などにより料金収入が減少していることから、民間委託の業務範囲の拡大や業務の見直しを行いながら健全経営に努めてきたほか、より安定した収入の確保のため料金改定を行いました。今後、施設の老朽化に伴う更新需要の増加などにより費用の増加が予想されるため、さらなる業務の効率化による経費の縮減や、施設の統廃合、規模の縮小を検討しながら、安定的な経営の継続を目指して参ります。