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地方財政ダッシュボード

熊本県球磨村の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

村内事業所が少なく、人口減少も進んでいるため、税収等の自主財源が乏しい状況にあり、類似団体と比較でも数値が下回っている。今後も人口減少が進み、住民税は減少すると思われる一方で、令和2年7月豪雨災害からの復旧・復興事業により一部の事業所の業績が上昇すると予想されるため、数値は同程度で推移するものと思われる。

経常収支比率の分析欄

経常経費充当一般財源等(分子)は、前年度と比較して、経常一般物件費が56,162千円の増(一勝地交流センター指定管理委託料38,500千円増等)、経常一般扶助費25,821千円の増(保育所運営費30,188千円増等)など、全体として44,964千円の増となった。今後は、自治体DXの推進により、システムや事務器等にかかる物件費や、人吉球磨広域行政組合負担金の増加が見込まれることから、経常収支比率の分子は増加すると見込まれる。経常一般財源等(分母)は、前年度と比較して、普通交付税が48,037千円の減、地方消費税交付金14,082千円の減となり、全体として49,353千円の減となった。これにより、経常収支比率は3.4ポイント上昇した。今後は、人口減少が進むことから、普通交付税の基準財政需要額が減額し、経常収支比率の分母は減少すると見込まれる。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

物件費については、指定管理者制度の運用に戻した一勝地交流センター関連の物件費が増加した。また、戸籍事務処理システムのベンダーを変更したことにより事務機等使用料が増加した。自治体DXの推進により、システムや事務機等にかかる物件費の増加が予想されるが、業務効率化や生産性の向上に寄与するのかを見極めていく必要がある。人件費については、退職手当組合負担金は定年引上げ伴う特例措置により減少した。また一勝地交流センターの運営を指定管理者制度に戻したことから前年度に雇用していた会計年度職員の減が主な減少の要因となっている。復旧復興業務にかかる人員は今後縮小していくと思われるが適正な人員配置及び人員確保に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

国に準じた給料の改定を行ったものの、影響を大きく受ける若年層の職員数が少ないため、指数が上昇しなかった。さらに、災害に伴い任用している任期付職員ついては、適用する給料表の性質上、経験年数に対して平均給与が低くなるため、全体的に指数が下がっている。同様の傾向は、任期付職員の任期が終了する令和7年度までは続く見込みである。今後も人事院勧告等に基づき、適正な給与水準を維持できるよう努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

計画的な定員管理を行っているものの、令和2年7月豪雨による人口減少及び復旧復興に従事する職員の増加により数値が増加している。今後2年程度は復旧復興に従事する職員の雇用が継続される一方で、人口減少の歯止めがかからない見込みであるため、数値が高止まりすることが予想される。また、令和5年度から定年延長制度が開始されており、全体の業務量を見ながら適切な定員管理を図っていく。

実質公債費比率の分析欄

令和5年度(単年度)の実質公債費率を算定する際の分子に当たる数値が前年度と比較し15,156千円増加し、分母にあたる数値が前年度と比較し34,602千円減少したことにより、令和5年度(単年度)の実質公債費率が7.9となったため、3か年平均をとる実質公債費率が前年度から0.9ポイント増加した。分子の増加は、元利償還金の額のうち、緊急防災・減災事業債が前年度と比較し38,906千円増加したことが主な要因であり、分母の減少は普通交付税額及び臨時財政対策債発行可能額がそれぞれ41,321千円、10,597千円減少したことが主な要因である。

将来負担比率の分析欄

令和2年7月豪雨災害の復旧・復興事業の実施に伴い、地方債の借入は前年度比495,662千円増額している。また各基金の積み立ても前年度比790,632千円増加していることから、将来負担比率は算定されない状況が続いている。今後も令和2年7月豪雨災害からの復旧・復興事業が継続されるため、事業費が多額となる事業が実施される見込みであることから、多くの財源が必要となり、それに伴い、地方債の活用額も大きくなることが予想される。将来負担に備えるため、適正な基金積み立ても併せて実施していく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費については、退職手当組合負担金は定年引上げ伴う特例措置により減少した。また一勝地交流センターの運営を指定管理者制度に戻したことから前年度に雇用していた会計年度職員の減が主な減少の要因となっている。今後も通常業務及び復興業務にかかる適正な人員配置及び人員の確保に努めていく。

物件費の分析欄

災害後、村直営(温泉のみ)で運営していた一勝地交流センターの運営を災害前の指定管理者制度に戻し、宿泊も含め再開したことにより、一勝地交流センター関連の物件費が増加した。また、戸籍事務処理システムのベンダーを変更したことにより事務機等使用料が増加した。自治体DXの推進により、システムや事務機等にかかる物件費の増加が予想されるが、業務効率化や生産性の向上に寄与するのかを見極めていく必要がある。

扶助費の分析欄

令和4保育所運営費40,000千円について、ふるさと応援基金の繰り入れを行い臨時的経費取り扱いとしていたが、令和5は保育所運営費に基金充当をしなかったため、経常一般扶助費が増加した。今後は、少子高齢化に加え、高齢者も高止まりが続く見込みであるため、扶助費は緩やかに減少していくことが予想される。

その他の分析欄

繰出金において、後期高齢者特別会計の療養給付費負担金及び介護保険特別会計繰出金(事務費)が増加したことが主な要因である。今後においては、地域で管理している水道施設を村の簡易水道施設へ編入する協議もなされているが、一方で災害後給水人口の減少もあり、場合によっては維持管理費の増加に伴う簡易水道会計への繰出金が増加する可能性がある。

補助費等の分析欄

人吉球磨広域行政組合負担金(ごみ処理費)及び人吉下球磨消防組合負担金は減少したものの有害鳥獣捕獲事業補助金等が増加したことにより横ばいとなっている。人吉球磨広域行政組合負担金(ごみ処理費)については、今後次期ごみ処理施設建設に伴い負担金が増額する仮試算が提示されているため、今後の状況を注視していく。

公債費の分析欄

緊急防災・減災事業債の元金償還金前年度比38,899千円増加したことに伴い、経常一般公債費が増加した。今後も令和2年7月豪雨災害復旧復興関連の起債が増加する見込みとなっており、公債費の増加が懸念されるため、基金残高や中長期財政の見通しを踏まえつつ、交付税措置率が有利な地方債を優先するなど計画的な公債費管理に努める。

公債費以外の分析欄

経常経費充当一般財源等(分子)は、前年度と比較して44,964千円の増となった。経常一般財源等(分母)は、前年度と比較して49,353千円の減となった。これにより、経常収支比率は3.4ポイント上昇した。経常収支比率が上昇した要因として、普通交付税が48,037千円の減、地方消費税交付金が14,082千円の減、原油価格や物価高騰による物件費の増等が挙げられる。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費の増加は、特別交付税の算定において、令和2年7月豪雨関連事業費の算入等により、当初の予想を上回る交付額となったことから、各種基金の積立金の財源として活用したことによる。民生費の減少は、障害福祉サービス等事業費や保育所等運営費の減によるものである。土木費の増加は、渡地区及び一勝地地区の災害公営住宅購入費が多額のため大きく影響している。災害復旧事業費については、令和2年7月豪雨災害復旧関連の事業はしばらく続く見込みである。公債費については、令和2年7月豪雨の復旧・復興事業の財源として、地方債の活用も大きくなることから、今後も増加が懸念される。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

物件費の増加は、一勝地交流センターを指定管理運営に変更したこと、また戸籍事務処理システムのベンダーを変更したことにより事務機等使用料が増加したことによる。補助費等については、地域脱炭素移行・再エネ推進事業補助金や住宅建設等支援補助金が減少している。令和2年7月豪雨災害からの被災者生活再建を支援するため横ばいが続くと思われる。普通建設事業費の増加は、渡地区及び一勝地地区の災害公営住宅購入費が多額のため大きく影響している。復興事業に伴い、今後も普通建設事業費が多額となり、住民一人当たりのコストも大きくなる見込みである。災害復旧事業費については、令和2年7月豪雨災害復旧関連の事業はしばらく続く見込みである。公債費については、復旧・復興の財源として地方債の活用も多くなることが見込まれることから、今後の増加が懸念される。積立金については、特別交付税の算定において、令和2年7月豪雨関連事業費の算入等により、当初の予想を上回る交付額となったことから、各種基金の積立金の財源として活用したことによる。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金の保有目安として、本村では標準財政規模の概ね50%としていた。令和2年7月豪雨災害の復旧・復興事業の財源として活用したため、標準財政規模比は低下していたが、本年度は普通交付税等の減額により標準財政規模が減少したため、4.86ポイント増加している。実質収支額については、繰越金の減少に伴い昨年度より減少した。本村の歳入は国県支出金や地方交付税が大きな割合を占めており、自主財源が乏しく、不透明な財政状況が続いているため、財政調整基金残高や実質収支額については注視していく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

標準財政規模に対する黒字比率は、介護保険特別会計以外において現象しており、連結の黒字比率は下降している。特別会計においては、一般会計からの繰出しを受けて運営しているため、今後も各種保険料(税)、水道料金などの財源の確保及び事務の効率化が必要である。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

元利償還金の額のうち、緊急防災・減災事業債が前年度と比較し38,906千円増加したことが主な要因である。令和2年7月豪雨災害の復旧・復興事業の財源として地方債の活用を予定しているため、地方材の残高及び公債費の増加が懸念される。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

令和2年7月豪雨災害に伴う復旧・復興事業の財源に地方債を活用したことから、令和2年度から一般会計等に係る地方債の現在高が増加しているため、将来負担額も増加している。一方、歳入総額の実績から充当可能基金へ積み立てを行ったことと、地方債の償還に関する基準財政需要額算入見込額の増加に伴い、充当可能財源も増加している。このことから、将来負担比率の分子は-2,896百万円となっているが、今後令和2年7月豪雨災害に伴う復旧・復興事業に活用する地方債の残高が増加する見込みであることから、充当可能財源の確保に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)各基金の預金利子とともに、年度末の歳入実績から財政調整基金、減債基金、村有施設整備基金等へ積み立てを行った。水資源活用基金については、村有林の伐採した樹木を売却した売上金から、木材搬出等に要した経費を差し引いた額を積み立てた。また、公営住宅及び共同施設の整備、修繕及び改良等に要する費用に充てるため、公営住宅維持管理基金を設置し、国庫補助金等の実績から積み立てを行った。(今後の方針)令和2年7月豪雨の復旧復興事業の財源として基金を活用する見込みであり、財政調整基金及び特定目的基金の残高が減少する可能性がある。取り崩しを行った基金は年度末の歳入実績を見ながら、また今後の復旧復興事業をはじめとした各事業の計画を考慮し、積み立てを行いたい。

財政調整基金

(増減理由)令和2年7月豪雨災害の復旧・復興費用として460百万円の繰入を行った。一方で、年度末の歳入実績から562百万円の積み立てを行った。(今後の方針)令和2年7月豪雨災害の復旧・復興を進めるにあたり、国県補助金や地方債を活用する見込みであるが、補助対象外や起債対象外の事業、あるいは特定目的基金の対象外の事業については、事業規模が大きければ財政調整基金で対応しなければいけないため、基金残高の減少が懸念される。年度末の歳入実績を見ながら計画的な積み立てを行いたい。

減債基金

(増減理由)令和2年7月豪雨災害の復旧・復興事業の財源として地方債を活用する見込みであるため、後年度の償還に備えて年度末の実績から572百万円積み立てを行った。(今後の方針)令和2年7月豪雨災害の復旧・復興事業を中心に地方債を活用する見込みであることから、公債費の増加が懸念されるため、これが住民サービスの低下に繋がらないよう減債基金を活用して負担の平準化を図っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)村有施設整備基金:村有施設の整備や維持補修事業災害復興基金:大規模な災害から復興を図るための事業ふるさと応援基金:寄附者の意向に沿った各種事業の財源として活用水資源活用基金:森林の豊かな恵みを地域住民の生活安定のために役立てるとともに、水資源の保全と活用を継続的に図る(増減理由)村有施設整備基金:災害公営住宅購入費や中学校校舎の改修工事等に財源として活用するために取り崩しを行う一方で、年度末の歳入実績から積み立てを行った。災害復興基金:令和2年7月豪雨災害の復旧復興事業の財源に活用するために取り崩しを行う一方で、災害復興寄附の実績により積み立てた。ふるさと応援基金:寄附者の意向に沿った事業の財源に活用するために取り崩しを行う一方で、ふるさと寄附の実績により積み立てた。水資源活用基金:村有林の伐採した樹木を売却した売上金から、木材搬出等に要した経費を差し引いた額を積み立てた。公営住宅維持管理基金:国庫補助金等の実績から積み立てを行った。(今後の方針)村有施設整備金:令和2年7月豪雨災害で滅失し、再建が必要な村有施設の整備に加えて、今後も村有施設の維持改修も必要になることから、年度末の歳入実績を見ながら積み立てを行いたい。災害復興基金:復興事業の財源に活用したい。ふるさと応援基金:寄附者の意向に沿った事業の財源として活用し、村の活性化を図りたい。水資源活用基金:簡易水道施設における配水管耐震化等の工事や、地区水道の維持にかかる補助金等の財源として活用していく。公営住宅維持管理基金:主に180181181国の家賃低廉化補助金を原資として積立て、公営住宅及び共同施設の整備、修繕及び改良等に活用していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は前年度比較で3.9ポイント減少し、類似団体平均より低い水準にある。令和5年度は、令和2年7月豪雨からの生活再建として、災害公営住宅を整備したことが主な減少要因である。今後については、既設の道路等の公共物の老朽化が進んでいるものの、復興事業に伴う公共施設の整備が予定されているため、減価償却率は減少すると見込まれる。

債務償還比率の分析欄

令和5年度は150.8%で前年度比較で19ポイント減少し、類似団体平均を下回った。本比率が減少した要因は、令和2年7月豪雨災害の影響による特別交付税の増額分や、歳入の実績により基金へ積立を行ったことで、充当可能財源が増加したことである。今後は、復興事業に伴う起債借入額の増加が見込まれることから、基金残高を注視し、中長期的視点に立った財政運営を行っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は(-)となっている。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は(-)となっている。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

令和5年度に類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が低くなっている施設は、公営住宅である。昨年度より、減価償却率が50.2ポイント減少した要因は、令和2年7月豪雨からの生活再建として村内2地区に災害公営住宅を整備したことである。一方で、有形固定資産減価償却率が増加したのは学校施設である。昨年度より、5.3ポイント増加した要因は、被災した学校施設の除却があったものの、その他の学校施設の老朽化が進んでいることである。今後は、義務教育学校が開校したことや、学校南校舎の老朽化が著しいことから、時期や事業費は未定だが学校建設あるいは大規模改修が想定されるため、学校施設の減価償却率は低い水準で推移すると見込まれる。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

令和5年度に類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高い施設は福祉施設である。当該福祉施設は老朽化が進んでいることから福祉施設の減価償却率は増加傾向にあるものの、大規模改修工事を予定していることから将来的には低い水準で推移すると見込まれる。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産は前年度と比較して2,803百万円増加し、19,955百万円となった。主な原因は、有形固定資産(事業用資産)の増加と基金の増加である。有形固定資産については、令和2年7月豪雨からの生活再建として、村内2地区に災害公営住宅を整備したことにより、事業用資産が前年度と比較して約159百万円増加し、基金については、財政調整基金、減債基金、村有施設整備基金へ積立を行ったことにより前年度と比較して約781百万円増加したことが要因である。一方で、一般会計等における負債は前年度と比較して387百万円増加し、6,612百万円となった。主な原因は、地方債の増加である。地方債については、災害公営住宅取得のために、公営住宅建設事業債を約419百万円発行したことにより、地方債の合計額は、前年度と比較して約496百万円増加したことが要因である。現状は、財政調整基金については、令和元年度以降増加傾向にあり標準財政規模の20%は維持できているが、今後も、復興事業に伴う起債借入額の増加が見込まれていることから、負債の増加が懸念される。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは前年度と比較して142百万円増加し、3,313百万円となった。主な原因は、経常費用のうち、人件費において、派遣職員給与等負担金の減少があったものの、それ以上に令和2年7月豪雨で被災した公有建物の共済保険金が、前年度と比較して約282百万円減少したこと等により、経常収益が前年度と比較して約289百万円減少したことから、前年より経常費用と経常収益の差が大きくなったことである。令和5年度以降は、物価高騰による行政コストの増が予想される。全体会計においては、介護保険特別会計で補助金等が26百万円減少したことから、純経常行政コストが22百万円減少した。連結会計においては、人吉球磨広域行政組合で物件費が81百万円減少したことから、純経常行政コストが66百万円減少した。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の本年度の差額は前年度と比較して1,006百万円増加し2,332百万円となり、また純資産残高は2,416百万円増加し13,343百万円となった、主な要因は、財源が前年と比較して約1,519百万円増加したことである。税収が191百万円減少したものの、国県補助金が約1,710百万円増加している。国県補助金の主な増加要因は、災害公営住宅建設補助金が約1,247百万円増加したこと等である。今後も、税収の大幅な増額は見込めないため、国県等の補助金を活用しつつ、不要な事業を見極める必要がある。全体会計においては、財源が純行政コストを上回ったため、純資産残高が増加した。今後は、簡易水道特別会計においては、災害復旧に伴う水道管の敷設等が予定されていることから有形固定資産は増加すると見込まれる。連結会計においては、財源が純行政コストを下回ったため、純資産残高が減少した。今後は、人吉球磨広域行政組合では、ごみ処理施設等の老朽化が著しいことから、処理施設の建設が予定され有形固定資産が増加する見込みである。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等における業務活動収支は、業務支出が百万円減少し、業務収入が292百万円減少した。投資活動経収支は投資活動支出の公共施設等整備費支出2,474百万円増加し、投資活動収入の国県等補助金収入は1,409百万円増加となった。これは、村内2地区に災害公営住宅を整備したことが要因である。今後も復興事業に伴う公共施設の整備が予定されており、それに伴う財源については交付税措置の有利な地方債を活用していく。全体会計では、簡易水道特別会計において業務支出が百万円減少したのに対し、業務収入が25百万円減少したため、結果的に業務活動収支が24百万円減少した。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

令和5年度は、災害公営住宅の整備、基金の増加により資産280,206万円増加した。今後も、復興事業に伴う公共施設の増加により、資産は増加する見込みであり、また人口減少が進んでいることから、住民一人当たりの資産額は高い水準で推移すると見込まれる。さらに、既設の公共施設等についても老朽化が進んでいることから、公共施設の集約化、複合化も含めた検討を行い、適切な施設管理を図る。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

村内2地区に災害公営住宅を整備したことや、特別交付税の算定において、令和2年7月豪雨関連の事業費の算定が多額となったことに伴い基金が増加し、資産は大幅に増加した。今後、災害からの復興事業に伴い公共施設等の整備を予定しているが、その財源は地方債を活用していく予定であることから、負債の増加が懸念される。今後は、地方債残高の抑制を念頭に置きながら、基金残高を注視し、中長期的視点に立った財政運営を行っていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

令和5年度は、災害復旧に関するコストが減少したが、それ以上に経常収益も減少したことから、純行政コストは前年度と比較して51,253万円増加し482,465万円となった。しかし依然として、類似団体平均を上回っている。今後も、復興事業に伴う公共施設の整備、営繕工事等が予定されていることから、行政コストは類似団体平均値を上回る値で推移すると見込まれる。事業に優先順位をつけ、真に必要な事業を実施していく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

負債合計は地方債が前年度比52,286万円増加したこと等により前年度比38,671万円増加し、住民一人当たりの負担額が前年度比27万円増加した。これは、令和5年度に、村内2地区に整備した災害公営住宅整備に伴う起債が主な増加要因である。今後も、令和2年7月豪雨災害に係る復興事業に地方債を活用する予定としていることから、地方債の残高の増加とともに、人口減少による住民一人当たりの負担額も増加すると思慮される。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

経常収益では前年度比283万円減少し353万円となった。また、経常費用についても142万円減少し3,666万円となり、受益者負担比率は9.6ポイントと前回より大幅に減少したが、類似団体平均値を上回っている。減少要因としては、令和4年度は、一王子団地の宅地の宅地譲与収入が一時的に増加していたからである。今後受益者負担の公平性からも使用料及び手数料等の見直しを検討していたなければならない。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,