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東京都武蔵村山市の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

基準財政収入額については、市民税や税連動交付金の増などにより、前年度と比較して380,450千円(4.1.%)の増となりました。基準財政需要額については、地域デジタル社会推進費の増などにより、前年度と比較して435,609千円(3.7%)の増となりました。以上により、昨年度から0.01ポイント減少し0.78となりました。類似団体平均を0.08上回っているものの、依然として交付税収入に依存しており、義務的経費等の削減が急務となっています。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率については、分母では市税が回復したことや税連動交付金等による増となり、118,798千円(0.8%)の増となりました。分子では物価高騰等の影響を受け補助費、維持補修費、繰出金が増加したことにより、全体では425,093千円(3.0%)の増となりました。以上により、分母は改善したものの、分子は悪化したことにより昨年度から2.0ポイント悪化し94.6%となりました。類似団体の平均を1.5上回っており、補助費や他会計への繰出金の削減が急務となっています。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体と比較して、人件費・物件費等が低くなっているのは、ごみ処理業務、常備消防業務等を一部事務組合等に委託して行っていることが主な要因として挙げられます。また、前年度の決算額と比較すると、人件費については給与改定等により増加しているものの、物件費については前年に比べ減少したことから、人口1人当たり人件費・物件費等は1,032円減少しました

ラスパイレス指数の分析欄

令和5年度のラスパイレス指数は、前年度と比較して0.5ポイント減少し、類似団体平均と比較してやや低い傾向となりました。今後も、国及び東京都の基準に準拠し、他の地方公共団体との均衡を考慮しつつ、職員の職務や責任、業績に応じた給与体系を構築するとともに、特殊勤務手当等各種手当の内容及び水準について、市民の理解が得られるよう、社会情勢の変化に応じて継続的に見直しを行っていきます。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たり職員数については、類似団体平均6.62人を大きく下回る4.97人となっています。公民の適切な役割分担を踏まえた指定管理者制度の継続や、行政評価を踏まえた事務事業の統廃合、DXを活用した業務の効率化を推進していき、職員が直接関与すべき分野を順次縮小することで、過度な職員数の補充はせず、適正な定員管理の実現に努めます。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率においては、類似団体平均の5.6%を大きく下回る1.7%となっているものの、前年度と比べ0.3ポイント悪化しています。これは、一般会計では起債の償還額、起債額ともに減少したものの、他会計では償還金や起債額が増加したこと、臨時財政対策債の発行額が近年減少した結果、前年度と比較して分母の標準財政規模が減少し、分子が増加したことが主な要因です。今後は、公共施設の老朽化に伴う地方債の発行額が見込まれるため、抑制に努め比率の改善を目指します。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率はマイナスの比率であることから「-%」であり、類似団体平均の4.2%を下回っており、昨年度の数値「-25.7%」に対して、今年度「-26.3%」で0.6ポイント改善しました。今後においても、「-%」を維持できるよう財政調整基金等の基金残高の維持に努めるとともに、臨時財政対策債等の地方債に依存しないように市税等の自主財源の確保に努めます。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は類似団体平均を2.4ポイント下回る21.8%となっています。職員給与の改定により、経常経費充当一般財源等が増となり昨年度から0.2ポイント悪化しました。類似団体平均と比較すると下回っていることから、今後においてもDXの推進等により効率的に事務を遂行し、更なる人件費の削減に努めます。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は類似団体平均を0.8ポイント上回る17.7%となっているが、前年度と比較して0.4ポイント改善しております。主な原因としては、コロナ対策、物価高騰対策事業の減少により事業委託料など経費が前年度と比較して減少したことが主な要因であると考えられます。今後も物件費は経済状況によって左右されることから、今後の動向を注視していく必要があります。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率はの21.6%となっており、昨年度と比較して0.3ポイント悪化しました。類似団体中最下位ではなくなったものの依然として低い水準です。類似団体平均の1.6倍程度の水準で推移しており、生活保護費において医療扶助、介護扶助が特に増加しており、保護世帯及び貧困世帯の高齢者の割合が高いことから、財政課題の大きな要因になっている。今後においては、被扶助者に向けた自立支援を継続して図っていき、扶助費の増加を抑制するよう努めます。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は類似団体平均を1.4ポイント上回14.3%となり、昨年度と比較して1.3ポイント悪化しました。その他の内訳は維持補修費(0.8%)と繰出金(13.5%)であり、維持補修費は前年度と比較して0.1%、繰出金は充当一般財源等が増えたことから1.2ポイント増加をしています。今後は、各特別会計の法定外の繰出金の削減が急務となっており、健全化計画等に基づき削減を図ります。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は類似団体平均を1.3ポイント下回る11.1%であり、前年度とから0.8ポイント悪化しました。主な要因としては、小平・村山・大和衛生組合負担金の増加等により一部事務組合への負担金は増加しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響により各種イベントが再開したことにより、市民団体への補助金交付が増加したことが考えられます。今後においては、行財政運営適正化に向けた取組みの中で掲げている見直し基準に従い、補助金の適切な運用を図ります。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は類似団体平均中6位の8.1%となっています。上述する扶助費の増加等義務的経費の増加により、臨時財政対策債を満額発行し財源不足額を補ってきましたが、近年は発行額の抑制に努めたことで地方債残高が減少し、比率の改善されました。また、公共施設整備事業の実施に伴い公債費が比例して増減することから、将来世代負担を見据えた計画的な地方債の発行をするよう努めていきます。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は類似団体平均を6.5ポイント上回る86.5%となり、昨年度と比較して2.2ポイント改善しました。類似団体平均と比較して、公債費、人件費は中位から上位を推移していものの、扶助費及びその他が毎年下位を推移していることから、公債費以外の比率は下位となっていると考えられます。今後においては、市単独事業で実施している事業の廃止を含めた見直しや、扶助費の増加や繰出金の抑制していくこと取組みをを実施していき、比率の改善に努めます。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費は、住民一人当たり245,445円となっており、類似団体平均と比較すると55,867円多い状況にあります。これは、高い水準で推移している扶助費の支出が最も多い目的別の区分が民生費であることが大きな要因であることが要因であると考えられます。また、昨年度と比較して住民一人あたりの決算額が増加した要因としては、扶助費と同様に、生活保護費や介護給付費・訓練等給付費の増加等や生活支援特別給付金等の物価高騰対策による補助金の増加が考えられます。また、令和3年度以降消防費のが増加傾向にあり、これは令和4年度から3か年かけて実施する(仮称)防災食育センター施設整備事業が要因であり、令和6年度については消防費の大幅に増加する予定です。なお、令和2年度の総務費は、新型コロナウイルス感染症の影響により、国の緊急経済対策として実施した特別定額給付金給付事業について、目的区分が総務費に位置づくことから、総務費の全体的な平均値が底上げされています。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり454,042円となっています。令和2年度の補助費等は、新型コロナウイルス感染症の影響により、国の緊急経済対策として実施した「特別定額給付金給付事業」について、国民一人に対し10万円を給付した「特別定額給付金」の性質区分が「補助費等」に位置づくことから、補助費等の全体的な平均値が底上げされています。繰出金は、住民一人当たり62,775円となっており、令和3年度以降大幅に増加しました。これは、都市核地区土地区画整理事業が終盤を迎えていることから、当該事業への繰出金増加によるものです。本市の住民一人当たりの金額が最も高い扶助費は、住民一人当たり176,258円となっており、類似団体平均と比較しても約1.4倍程度で推移しており、生活保護費や介護給付費・訓練等給付費の増加等が主な要因です。経常的な支出は今後も増加する見込みであり、団塊世代が75歳以上となる超高齢化社会を迎えており、扶助費や介護保険事業及び後期高齢者医療保険事業への繰出金の増加が見込まれることから、被扶助者への自立支援に向けた取組みを図るとともに、引き続き既存事業の見直しを行い歳出削減に努める必要があります。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

実質収支は、税連動交付金の増加や普通交付税の追加交付があったことなどから、885,059千円の黒字となりました。また、実質単年度収支は、基金の積立額が令和4年度を下回り、さらに基金を取崩したため419,286千円の赤字となりました。財政調整基金を標準財政規模と比較した比率については、財政調整基金の取崩したものの、令和3年度と同程度の数値となりました。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

一般会計については、税連動交付金の増加や普通交付税の追加交付があったことから、黒字となっています。特別会計については、一般会計からの多額の繰入金等により収支のバランスを図ったことから黒字となっており、国民健康保険事業特別会計においては203,062千円の黒字、介護保険特別会計においては133,767千円の黒字となり、その他の特別会計においても同様に一般会計からの繰入金により黒字となっています。国民健康保険事業については、令和5年度は国保財政健全化計画に基づき税率改定を実施し段階的に繰入金の抑制を図りました。しかし、市内における高齢化の進行により保険給付費は増加の見通しとなり、予断が許せない状況にあります。今後、一般会計繰入金の削減に向けて、国民健康保険事業においては引き続き国保財政計画を遂行していくとともに、介護保険事業においては、介護保険事業計画に基づき保険料の改定を段階的に行う予定です。一般会計については、財源の根幹をなす市税収入の確保のため、納税指導や滞納処分により収納対策を強化を図るとともに、各特別会計において保険税等の定期的な見直しにより、自主財源の確保に努め、一般会計に依存しない経営の健全化が急務となっています。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

実質公債費比率(単年度)の各年度の推移は、令和1年度が0.3%、令和2年度は1.0%、令和3年度は1.4%、令和4年度は2.0%、令和5年度は1.8%となっています。また、令和5年度の3カ年平均の比率を類似団体平均と比較すると、当市の1.7%に対して類似団体平均が5.8%であり、健全な水準といえます。しかし、過去に発行した臨時財政対策債の元利償還額や他会計の起債償還額の増加により、比率が上昇傾向となっています。今後においては、事業の必要性等を充分に検討し、起債に大きく依存しない財政運営に努めるとともに、市税等の納税指導や徴収強化を図り、引き続き健全な水準を維持できるよう努めます。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担比率に関しては、令和5年度まで分子のマイナスを維持しており、健全な水準にあります。地方債の残高は、発行額を抑制したことなどから、発行額が元金償還額を下回り昨年度と比較して減少しました。また、将来負担額が減少したため、将来負担比率は改善しました。今後においては、多摩都市モノレール延伸を見据えたまちづくり事業に係る将来負担額が増加することが見込まれるため、都市計画税の引き上げなどにより充当可能特定収入を確保するとともに、既存事業を見直すことで歳出を削減して財政調整基金をはじめとした各種基金の残高を維持し、比率の健全な水準を維持できるよう努めます。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)基金全体の金額としては、前年度と比較して648,481千円減少しています。その理由として、扶助費や他会計への繰出金などの支出の増加により財政調整基金の取崩しを行ったことにより昨年度に比べ、大幅に減少しました。(今後の方針)令和6年度については、(仮称)防災食育センターは令和6年度に竣工予定であることから備品整備基金の取崩しを予定しており、残高の減少が見込まれます。今後は、少子高齢化による扶助費の増加、多摩都市モノレール延伸に向けた整備事業の実施により財源不足額が見込まれ財政調整基金の残高が減少する見込みであるため、標準財政規模の10%以上を維持できるよう歳出削減に努め持続可能な財政運営に取り組んでいきます。公共施設整備基金は各施設の老朽化に対応するため今後も基金残高を確保する必要があり、市有地売払収入等を積立原資として積立を行います。減債基金は令和3年度臨時財政対策債の元利償還額に充当することから計画的な取崩しを行います。また、令和5年度に積立てを行った分については令和6年度と令和7年度の臨時財政対策債の元利償還額に充当を予定しています。多摩都市モノレール基金については、目標額の10億円を達成したものの、多摩都市モノレール延伸に係る事業費は目標額を上回る見込みであるため、今後も多摩都市モノレール啓発物品の売払収入を積立原資として積み立てを行う予定です。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金残高については、前年度余剰金の1/2である416,717千円を積み立て、取崩額は887,626千円となったため、前年度と比較して470,908千円減少しました。(今後の方針)物価高騰の影響を受けた施設の維持管理経費や委託料などの物件費の増加が見込まれることに加え、超高齢化社会における扶助費の一層の増加、処遇改善による人件費の増加など、様々な要因から経常的な支出が増加する見込みであり、厳しい財政状況となる見通しですが、行政評価を活用し既存事業を見直すことで歳出を削減し、引き続き財政調整基金残高を標準財政規模の10%以上となるよう確保に努めます。

減債基金

(増減理由)令和3年度に借り入れた臨時財政対策債の元利償還金として、減債基金を3,345千円取り崩しました。また、令和5年度の普通交付税の再算定において、令和6年度及び令和7年度の臨時財政対策債の元利償還金に充てることとして交付された79,103千円を基金に積立てました。(今後の方針)令和3年度臨時財政対策債の元金償還については、今後も計画的に取崩しを行っていきます。また、令和5年度積立分については、令和6年度と令和7年度に取崩すことを予定しています。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設や道路における新設、増設、改築、修繕など普通建設事業に活用します。多摩都市モノレール基金:軌道交通が整備されていない本市において、公共交通の主力となる多摩都市モノレールの延伸に関する費用に活用します。庁舎等用地取得基金:武蔵村山市庁舎及び武蔵村山市民会館の用地を取得する資金を積み立てます。みどりの基金:公園、緑地等の用地の確保並びにみどりの保護及び育成事業に活用します。防災食育センター備品整備基金:(仮称)武蔵村山市防災食育センターにおける各種機能を保持するために必要な備品等を整備するため、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和49年法律第101号)第9条第2項に規定する特定防衛施設周辺整備調整交付金の一部を原資として積立てを行います。(増減理由)公共施設整備基金:施設整備事業費や都市核地区土地区画整理事業等に充当たことから残高が減少しました。多摩都市モノレール基金:多摩都市モノレールの延伸のために寄附されたふるさと寄附金を積み立てたため、残高が微増しました。みどりの基金:樹木等剪定委託料等に対して、基金を取り崩したため減少しました。防災食育センター備品整備基金:特定防衛施設周辺整備調整交付金の充当により残高が増加しました。(今後の方針)引き続き計画的な積立てを行い、各基金の目的に沿った各種事業の財源確保に努めます。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は全国平均を下回っているものの、都平均を上回っており、固定資産の老朽化が進んでいます。類似団体における順位は比較的上位に位置していますが、多くの施設で老朽化が進んでいることから、総量抑制、最適配置、公民連携に取組みながら、公共施設の長期的、総合的な管理を推進していきます。

債務償還比率の分析欄

令和3年度の債務償還比率は、全国平均を上回り、類似団体内順位は上位の結果となっています。これは、臨時財政対策債の発行可能額の増により経常一般財源等が増加したことから、分母である償還充当限度額は増加し、比率は147.7ポイントと大幅に改善しました。しかし、今後も施設の老朽化に係る施設整備事業に対して地方債の発行が見込まれることから、起債の抑制に取り組む必要があります。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和3年度の将来負担比率は、将来負担額21,202,350千円に対し、控除される充当可能財源等が23,318,661千円となり、差引の結果将来負担比率は生じていません。有形固定資産減価償却率は上記の分析のとおり老朽化が進んでいる状況であることから、将来負担額の増加に配慮しながら、公共施設の老朽化対策に計画的に取り組んでいく必要があります。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

前年度に引き続き、将来負担比率及び実質公債費比率ともに類似団体内平均値を下回っており、健全な水準であると言えます。しかし、実質公債費比率は施設の老朽化による投資的経費の増加に連動し、市債残高が増加傾向であることから、比率が増加傾向にあります。現在のペースで今後とも市債の借り入れを続けていくと将来負担が増加していくため、計画的な老朽化対策や臨時財政対策債の発行抑制等を行い、将来負担の増加を抑制していく必要があります。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

大部分の施設類型で有形固定資産減価償却率が高く、各施設の老朽化が進行している状況である。令和2年度に施設保全計画を策定し、計画的な維持管理を目指すこととしているが、厳しい財政状況のため、老朽化対策に必要な財源確保の目途は立たず、現状の施設数を同規模で維持していくことは困難である。今後、より具体的な個別施設計画を策定し、計画的な更新・改修等に取組む必要がある。道路については、昭和59年度以前の工作物取得価額が算定不能であることから備忘価額としているため、数値上、類似他団体や東京都と比較しても減価償却率が低くなっている。保育所や児童館は、減価償却率が高く、全国平均、都平均を大きく上回り、類似団体内順位も下位となっている。なお、保育所は、令和4年度から民設民営方式に移行し、当該建物を無償譲渡している。児童館は、地区会館等との複合施設が多いため、当該施設と合わせて方向性を検討していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

大部分の施設類型で有形固定資産減価償却率が高く、各施設の老朽化が進行している状況である。令和2年度に施設保全計画を策定し、計画的な維持管理を目指すこととしているが、厳しい財政状況のため、老朽化対策に必要な財源確保の目途は立たず、現状の施設数を同規模で維持していくことは困難である。今後、より具体的な個別施設計画を策定し、計画的な更新・改修等に取組む必要がある。体育館・プールについては、大部分を占める体育館が比較的新しいことから、数値上償却率が低くなっているが、プールの老朽度は非常に高い。図書館、市庁舎、保健センターは、減価償却率が高く、全国平均及び都平均を大きく上回り、類似団体内でも下位となっている。市民会館については、比較的大きなホールを有していることから1人当たり面積が都平均を上回り、全国平均程度となっているが、償却率は高い状況である。各施設の老朽化、類似機能の重複、地域偏在などの課題を解消するため、今後、(仮称)生涯学習センターの整備の検討や、市庁舎建設に向けた検討の中で、既存施設の集約化や最適配置についても検討す必要がある。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等における資産総額については、前年度末から2億7百万円の微減(△0.3%)となった。金額の変動及び伸び率が大きいものは、有形固定資産における事業用資産の建設仮勘定であり、令和4年度から継続費を設定して実施している(仮称)防災食育センター施設整備事業が要因となっている。令和4年度から比較すると2億7千9百万円の増(+65.6%)となり、令和3年度と比較した場合、5億9千万円の増(+517.5%)となった。なお、当該事業による建設仮勘定は、事業完了年度である令和6年度に資産に振り替える予定である。有形固定資産全体では2億9千3百万円の増(+0.5%)となった。一方、流動資産は主に基金の変動が大きく、財政調整基金の基金残高の減により、3億4千2百万円の減(△9.0%)となった。一般会計等における負債総額については、前年度末から11億7千5百万円の減(△6.7%)となった。金額の変動が最も大きいものは地方債であり、臨時財政対策債額の減少、その他起債抑制により現在高が減少したことから7億6千7百万円の減(△6.1%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は301億7百万円となり、前年度比7億9千9百万円の増(+2.7%)となった。経常費用のうち、人件費等の業務費用は138億1千7百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は162億8千9百万円である。移転費用のうち、社会保障給付は80億9千1百万円であり、前年度比3億7千1百万円の増(+4.8%)となっているが、これは、物価高騰による負担の影響が大きい住民税非課税世帯・低所得世帯に対する生活支援特別給付金給付事業によるものである。今後も高齢化の進展などにより増加が見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により、経費の抑制に努める。また、他会計への繰出金は44億5千2百万円であり、前年度比6億7千5百万円の増(+17.9%)となった。全体では、一般会計等に比べて、経常収益が10億8千3百万円多くなっているが、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上していることにより移転費用も104億3千3百万円多くなり、その結果、純経常行政コストは119億9千6百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が14億1百万円多くなっているが、経常費用も199億3千3百万円多くなり、その結果、純経常行政コストは185億3千2百万円多くなっている類似団体に比べ、社会保障給付等の増加が続いており、市が単独で交付している補助金等の見直しや経常経費の削減に努め、適正な財政運営を図る必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(297億5千4百万円)が純行政コスト(288億8千9百万円)を上回ったことから、本年度差額は8億6千6百万円、純資産残高は令和4年度から比較すると9億6千8百万円の増となった。これは、市税、地方交付税税連動交付金等の増加によるものである。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が47億9千5百万円多くなっており、本年度差額は13億2千6百万円、純資産残高は一般会計等と比べて72億3千4百万円多くなっている。連結では、東京都後期高齢者医療広域連合の国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が190億8千4百万円多くなっており、本年度差額は16億9千7百万円、純資産残高は一般会計等と比べて117億7千9百万円多くなっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は6億2百万円、投資活動収支は2億5千2百万円の黒字収支となっている。これは投資活動収入における基金取崩収入の増加によるものである。また、財務活動収支については、地方債発行額が地方債償還支出を下回ったことから、8億5百万円の赤字収支となり、本年度末資金残高は10億3千9百万円となった。全体として、行政活動に必要な資金残高を確保できている状況である一方、必要な資金を地方債発行収入や基金取崩によって確保している状況が見受けられるため、自主財源の確保及び地方債の発行抑制等適正な行財政運営に努めていく必要がある。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より5億3千万円増加し、11億3千2百万円の黒字収支となった。また、投資活動収支も1億9千7百万円の黒字収支となっている。一方、財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから、9億1千4百万円の赤字収支となり、本年度末現金預金残高は前年度から4億9千2百万円増加し、26億3千7百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額・歳入額対資産比率が類似団体平均を大きく下回っているが、当団体では、道路の敷地のうち、取得価額が不明のものについて、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。また、歳入額対資産比率は類似団体に比べ低い状況であり、使用料金適正化など資産の効率的な活用など財源確保の課題がある。有形固定資産減価償却率については、類似団体平均と同程度であるが耐用年数に対して半分以上の年数が経過している。今後、公共施設等総合管理計画に基づき、施設総量及び配置の適正化や老朽化した施設について、長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。なお、本市HPで公表している「武蔵村山市財政白書(令和3年度決「算版)」に掲載している市民一人当たり資産額の数値が相違している理由として、財政白書は年度末時点(3.31)の人口を基礎数値としているためである。また、類似団体の数値が令和2年度から令和3年度にかけて変動しているが、武蔵村山市の類似団体区分が都市Ⅱ-1(R2)から都市Ⅱ-3(R3)へ変更したためである。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均と同程度であることから、平均的な水準を維持している状況である。将来世代負担比率は、類似団体平均を下回る3.7%となっているものの負債の大半を占めている特例的に発行している臨時財政対策債を比率算定上含めていないことや過去に形成した資産規模が類似団体に比べ低い水準にあることが要因である。令和4年度から令和6年度に(仮称)防災食育センター施設整備による地方債発行があることから、建設事業債と特例事業債の発行額を総括的に管理し、地方債残高の抑制を図る必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは前年に比べほぼ横ばいであるが、令和2年度まで類似団体平均を下回っていたものの、令和3年度は類似団体平均を上回っている。これは、武蔵村山市の類似団体区分が都市Ⅱ-1(R2)から都市Ⅱ-3(R3)へ変更したこと及び、コロナ禍及び物価高騰対策等における経済対策として実施した各給付金給付事業が継続していることが要因である。今後も高齢化の進展などにより社会保障給付の増加が見込まれるため、市が単独で交付している補助金等の見直しや経常経費の削減に努め、適正な財政運営を図る必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を下回っている。負債の大半を占める臨時財政対策債については、平成13年度から発行し続けており、残高が107億3千万円(地方債残高の81.9%)となっている。今後は、臨時財政対策債の発行抑制に努め、適正な財政運営を図っていく。業務・投資活動収支は、2億5千万円の黒字となっているが、類似団体平均を下回っている。業務活動収支における業務収入が増加したことで業務・投資活動収支が黒字となった。公共施設の整備に係る支出の増減により年度間の収支額が大きく変わる傾向があるため、経年で収支の動向を比較分析していく必要がある。なお、投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、(仮称)防災食育センター施設整備事業など公共施設等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

令和4年度からは、家庭ごみ有料化の導入により受益者負担比率がやや改善した。令和5年度は退職手当引当金繰入額の決算仕訳(前年度引当金の戻入)により、類似団体平均とほぼ同じとなった。しかし、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。当市の特性として社会保障費が類似団体と比較して高い水準にあることから、社会保障費の伸び率を考慮した経営経費の削減や自主財源の確保を図っていき、類似団体平均に中長期的に近づけていくよう対策を講じていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,