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地方財政ダッシュボード

千葉県勝浦市の財政状況(2022年度)

🏠勝浦市

地方公営企業の一覧

末端給水事業


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、前年度と比較し同率、類似団体内平均値と比較すると0.03%上回っており、昨年と比べても現状維持の状況にあるが、本市においては「人口減少」と「少子高齢化」が今後ますます進展し、依然厳しい状況が続くことが想定されることから、財政の根幹である市税について、課税客体の把握と、より一層の滞納整理の強化による収納率の向上を図り、歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

歳出について、物件費の増加、扶助費及び補助費の特定財源が減少となったこと、また公債費は大規模事業の元金償還が開始されたことにより増加となり、経常経費充当一般財源が増加となった。歳入について、地方税が増加となったが、地方特例交付金、地方消費税交付金等が減少となったため経常一般財源が減少となり、経常収支比率が3.0%の増加となった。今後の社会情勢、本市の人口減少及び少子高齢化を勘案するに経常経費充当一般財源は物件費及び扶助費が増加となり、経常一般財源は地方税等が減少していくことが見込まれ、今後も経常収支比率が増加していくことが考えられるため、経常経費充当事業費の削減を図る一方、地方税等の徴収率が上がるよう取り組む。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度と比較し138,699円増加し、類似団体内平均値と比較すると258,617円上回っている。前年度比較において増加となった主な要因として、ふるさと応援寄附者特産品等贈呈事業等の物件費が増加となったことが主な要因と考えられる。今後はより効率的な行政運営に努めるとともに、公共施設の再編を検討するなど、その他事務事業全般にわたり行財政改革を推進し、削減を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は、前年度と比較し0.5%増加し、類似団体内平均値と比較すると3.0%上回っている。増加要因は、「地方創生人材支援制度」の活用により、管理職級で大卒7年以上10年未満の階層に当たる国家公務員を採用したことが影響していると考えられる。今後については高年齢層の職員が退職することにより改善が図られるものと考えるが、更なる給与制度の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たり職員数は、前年度と比較し0.17人増加し、類似団体内平均値と比較すると4.09人上回っている。当市は、市域が広いうえ私立の保育園がなく、市内にある3か所すべての保育所を公立にて運営を行っているため、分子となる保育所職員がすべて市の職員となってしまうことが原因としてあげられる。また、前年度比較における増加した要因は、分母となる市の人口が年々大きく減少していることが影響していると考えられる。今後についても、指定管理者制度等を活用しながら定員適正化計画に基づき、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、前年度と比較し0.2%減少し、類似団体内平均値と比較すると1.2%下回っている。前年度比較における改善要因は、前年度の実質公債費比率において算定要素の一つである、単年度実質公債費比率の高かった令和元年度が今回の算定要素から外れたためであり、令和4年度における単年度実質公債費比率は令和3年度と比較して、臨時財政対策債発行可能額が減少したこと、水道事業会計への経営安定化支援のために繰り出しを行ったことにより0.7%上昇しているが、算定要素から外れた令和元年度と比較して令和4年度の標準税収入額や普通交付税等が増加していることから、減少となった。今後においても、公債費においては高水準で推移していくことが見込まれるため、更なる改善が図れるよう、引き続き新規地方債発行の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、前年度と比較して35.4%減少し、類似団体内平均値と比較すると11.9%下回っている。改善要因は、地方債現在高、退職手当負担見込額の減少したことにより将来負担額が減少し、主にふるさと応援基金が増加したこと等により将来負担額への充当可能財源等が前年度と比較して増加したことによる。しかしながら今後も充当可能基金の増加が継続していくことが不確定であり、引き続き新規地方債発行の抑制に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費における経常収支比率は、前年度と比較し1.0%減少し、類似団体内平均値と比較すると、6.8%上回っている。前年度比較における減少要因は、任期付き職員の雇用や会計年度任用職員の減員による常勤人件費の減少、期末手当の支給率の改定による経常経費充当一般財源の減少があり前年度比で減少した。依然として類似団体の比較において平均を大きく上回っているが、保育所職員等の直接雇用による人件費を含んでいることから、引き続き適正な定員管理の推進に努める。

物件費の分析欄

物件費における経常収支比率は、前年度と比較し2.1%増加し、類似団体内平均値と比較すると、3.9%上回っている。前年度比較における増加要因は、委託事業内容の増加による委託料及び物価高騰等による需用費の増加による経常経費充当一般財源の増加によるものと考えられる。物件費は年々増加傾向にあり、また今後も物価高騰の影響が見込まれることから、事務事業の見直し等により一層の内部コスト削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費における経常収支比率は、前年度と比較し0.8%増加し、類似団体内平均値と比較すると、4.4ポイント下回っている。前年度比較における増加要因は、民生費では自立支援給付事業、衛生費では感染症予防接種事業の経常経費充当一般財源の増加によるものと考えられる。今後は受給資格の審査等について、より一層の適正化を図ることによって執行経費の適正化に努める。

その他の分析欄

その他における経常収支比率は、前年度と比較し0.3%減少し、類似団体内平均値と比較すると、0.3%上回っている。前年度比較における減少要因は、経常的に実施する衛生費、土木費及び教育費の維持補修費が減少したことによる経常経費充当一般財源の減少によるものと考えられ、一方、繰出金は介護保険特別会計繰出金が増加しているが、その他全体では減少となっている。

補助費等の分析欄

補助費等における経常収支比率は、前年度と比較し0.5%増加し、類似団体内平均値と比較すると、3.0%下回っている。前年度比較における増加要因は、令和3年度における財源が経常経費充当特定財源であった事業が、令和4年度において経常経費充当特定財源がなくなり経常経費充当一般財源へと財源が変更となったことによるものと考えられる。今後は引き続き市単独事業に係る補助金について、その費用対効果や事業の必要性等の再点検を定期的に行い経費削減に努める。

公債費の分析欄

公債費における経常収支比率は、前年度と比較し0.9%増加し、類似団体内平均値と比較すると、1.1%下回っている。前年度比較における増加要因は、元金償還額が増加し、利子償還額が減少していることから、高利率で借入れた地方債の償還が終了し、低利率で借入れた地方債の償還が令和4年度より開始されたことが影響しており、また令和3年度償還終了起債額よりも令和4年度償還開始起債額が増額となることが考えられる。今後も事業の優先度を精査し、地方債の新規発行額の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外における経常収支比率は、前年度と比較し2.1%増加し、類似団体内平均値と比較すると、3.6%上回っている。前年度比較における増加要因は、歳出面では主に物件費の増加(2.1%)、扶助費の増加(0.8%)があげられる。歳入面においては経常経費一般財源となる地方税及び法人事業税交付金が増加しているものの、地方消費税交付金、地方特例交付金等の減少が大きく、経常経費一般財源全体としては減少となっていることがあげられる。本市は人件費及び物件費の経常収支比率が類似団体と比較して高いことから、更なる管理徹底を図り、健全な財政運営に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は住民一人当たり667,851円で、前年度と比較し351,759円の増加、類似団体内平均値と比較すると、565,909円上回っている。主な増加要因として、ふるさと応援寄附金の増加に伴いふるさと応援寄附者特産品等贈呈事業及びふるさと応援基金積立金が増加したためである。民生費は住民一人当たり176,046円で、前年度と比較し5,746円の減少、類似団体内平均値と比較すると32,667円下回っている。主な減少要因として、子育て世帯への臨時特別給付金給付事業費及び住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金(繰越分)等扶助費等の減少があげられる。衛生費は住民一人あたり73,953円で、前年度と比較し16,073円の増加、類似団体内平均値と比較すると10,557円上回っている。主な増加要因として、クリーンセンター維持補修工事及び上水道事業への繰出金による増加があげられ、クリーンセンター維持補修工事については今後も定期的な維持補修等の実施が見込まれている。農林水産業費は住民一人当たり22,853円で、前年度と比較し13,699円の減少、類似団体内平均値と比較すると3,135円上回っている。主な減少要因として、拠点漁港機能強化事業に対する補助金及び水産物供給基盤機能保全事業に係る事業費の減少によるものがあげられ、拠点漁港機能強化事業については令和5年度事業完了見込みとなっている。商工費は住民一人当たり34,911円で、前年度と比較し8,435円の増加、類似団体内平均値と比較すると10,274円上回っている。主な増加要因として、(仮称)かつうら海中公園再生計画事業及び商店街等にぎわい創出事業に係る事業費の増加によるものがあげられ、(仮称)かつうら海中公園再生計画事業における工事については令和4年度竣工となっている。教育費は住民一人当たり66,206円で、前年度と比較し3,645円の減少、類似団体内平均値と比較すると3,135円上回っている。主な増加要因として、令和4年度に新設した勝浦市学校教育施設整備基金への積立金及び令和4年度より補助率を引き上げた市内小中学生に対する学校給食費補助事業があげられ、どちらも令和5年度以降も継続した支出が見込まれる。全体として今後も経費の増加が見込まれることから全事業内容の精査を行い、経費の見直しを図り、健全な財政運営に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出総額を人口で割った住民一人当たりの歳出総額は、一人当たり1,165,206円となっており、主な構成項目は以下のことと考えている。人件費は、住民一人当たり119,516円となり、前年度と比較し223円の増加、類似団体内平均値と比較すると29,495円上回っている。平成26年度以降、増加しているが、主な増加要因として、毎年の人事委員勧告によるもの、勤続30年から35年の階層職員の給料が国の水準を上回っていることが影響し、また市立保育所等の人件費により類似団体よりも上回る要因となっている。今後については高年齢層の職員が退職することにより改善が図られると考えるが、更なる給与制度の適正化を行い人件費の抑制に努める。物件費は住民一人あたり320,848円となり、前年度と比較し134,633円の増加、類似団体内平均値と比較すると232,273円上回っている。主な増加要因として、ふるさと応援寄附者特産品等贈呈事業が考えられ、この事業費は物件費全体の約61.3%を占めていることが影響している。普通建設事業費は住民一人あたり80,020円となり、前年度と比較し7,394円の増加、類似団体内平均値と比較すると5,026円上回っている。増加要因として、クリーンセンター関連施設への経費及び庁舎エレベーター改修に伴う経費と考えており、クリーンセンター関連施設は今後も継続した改修が必要となる。また、普通建設事業費(うち新規整備)については、住民一人当たり40,108円となっており、前年度と比較し21,615円の増加、類似団体内平均値と比較すると23,060円上回っている。主な増加要因として、令和2年度から繰越事業となった滞在型施設の建設費(かつうら海中公園再生計画事業)が考えられる。普通建設事業費(うち更新整備)は住民一人当たり34,397円となり、前年度と比較し4,878円の減少、類似団体内平均値と比較すると13,454円下回っている。主な減少要因として、防災・安全社会資本整備交付金事業及び橋りょう改修による道路メンテナンス事業が考えられる。積立金については、住民一人当たり368,880円となっており、前年度と比較し211,629円の増加、類似団体内平均値と比較すると336,222円上回っている。主な増加要因として、ふるさと納税の寄附額が増加していることが考えられる。今後、令和5年度に制度改正が行われた影響や他団体の状況により寄付額は変動していくことから、ふるさと応援寄附金及び基金繰入金頼みの予算とならないよう、将来を見据えた健全な財政運営に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金は決算余剰金のうち純繰越金の1/2以上の積立てを行い、令和4年度財政調整基金残高は、前年度と比較し標準財政規模比0.39%減少となっているが、標準財政規模の10.0%以上を維持しており、基金繰入に関しては他基金を活用しながら最低額となるよう努めている。実質収支額は標準財政規模比8.76%と平成30年度以降、5.0%以上で推移しているが、令和3年度には財政調整基金の繰入を行わなかったこと及び令和4年度においては積立金以上の取崩しを行ったことから、実質単年度収支は標準財政規模比0.81%となっており、減少した。今後基金残高の状況により予算編成に影響を及ぼさないよう、健全な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

令和4年度の決算では一般会計のほか、水道事業会計や国民健康保険特別会計などを含めた全ての会計で黒字を達成した。前年度との比較においては、全体で2.34%の増加となっており、過去5年間で概ね20.0%以上を維持しており、財政的には健全な状態を維持している状態にあると考えられる。しかしながら今後についても、引き続き歳入の確保に努め、全ての会計において更なるコスト削減等の推進をより一層図り、各会計において健全な財政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金について、平成30年度に借入を行った臨時財政対策債、平成31年度に借入を行った認定こども園整備事業債、小・中学校空調設備整備事業等の元利償還金が開始されたことにより前年度と比較し39百万円の増加となった。公営企業債の元利償還金に対する繰入金について、国民健康保険事業及び水道事業に関する繰入金に対するものとなり、令和4年度の水道事業への繰入金が増額となっていることから14百万円の増額なっている。算入公債費等について、災害復旧費等に係る基準財政需要額の増額によるものとなっている。今後においても、交付税措置のある起債を活用し、地方債を財源として事業実施する場合は、事業の必要性や優先度を十分精査のうえ、地方債発行の抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度の将来負担比率のうち、一般会計等に係る地方債の現在高については、平成4年度及び平成6年度に借入を行った上水道一般会計出資債、平成9年度に借入を行った郁文小学校改築事業、平成14年度に借入を行った臨時財政対策債等の償還終了等の影響で前年度と比較し288百万円の減少となった。また、主にふるさと応援基金が増加したことにより、充当可能財源等が前年度と比較し、1,514百万円の増加となった。これらにより分子全体として、1,803百万円の減少となった。今後についても財政調整基金残高を確保できるよう、引き続き事業の優先度を調査し、地方債の新規発行の抑制に努める。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)・財政調整基金において407百万円を取り崩し、決算剰余金等により358百万円を積み立てた。令和4年度中に校舎等学校教育施設への整備に充てるための「勝浦市学校教育施設整備基金」を創設し、3.7百万円を積立て、またふるさと応援基金においては各事業へ充当すべく3,817百万円(返礼経費3,183百万円・事業充当634百万円)を取り崩し、寄附金により5,534百万円を積み立てた。これらにより基金全体としては1,684百万円の増となった。(今後の方針)・個々の基金の使途の明確化するため、令和5年度にふるさと応援基金を財源とし「勝浦市公共施設等整備基金」を創設し、また既存基金については使途に沿った事業に活用していく。

財政調整基金

(増減理由)・財政調整基金繰入金の積立金(358百万円)以上に、取り崩し額(407百万円)が多かったことにより減少(49百万円)となった。(今後の方針)・財政調整基金は、災害等への備えのため、5億円程度(標準財政規模の10%)を目途に積み立てることとしているが、予算編成により取り崩しを行っていることから、内容を精査し、他基金による取り崩しを含め検討を行う。

減債基金

(増減理由)・減債基金については、3ヵ年での変化なし。(今後の方針)・毎年度の計画的な積み立てや取り崩しは想定していないが、令和5年度において普通交付税(交付税臨時財政対策債償還基金費)の積立てを予定している。

その他特定目的基金

(基金の使途)・ふるさと応援基金:勝浦市に対する寄付者の思いを実現するため各種事業の財源として活用し、多様な人々の参加による活力あるふるさとづくりに資することを目的とする基金。・小高御代福祉基金:母子及び父子家庭に対する児童の入学祝金及び就職祝金の支給並びに心身障害者児に対する福祉手当の支給並びに高齢者の福祉に資する事業に充て、もって市民福祉の向上を図ることを目的とする基金。・勝浦市学校教育施設整備基金:学校教育施設の整備のために必要な資金を積み立てることを目的とする基金。(増減理由)・ふるさと応援基金:各種事業の財源として3,817百万円(返礼経費3,183百万円・事業充当634百万円)を取り崩し、寄附金により5,534百万円を積み立てたことにより基金残高は1,717百万円増加している。・小高御代福祉基金:各福祉事業への財源として、15百万円を取り崩し、利子による積み立てを行ったが、取崩し額と比較し少額であったことから、基金残高は15百万円減少している。・勝浦市学校教育施設整備基金:令和4年度中に基金を創設し、37百万円と積み立て、取り崩しを行わなかったことから基金残高は積立金37百万円となっている。(今後の方針)・ふるさと応援基金:令和5年10月制度改正による返礼率や返礼品の見直しに伴い、今後の寄附金は減少となる見込みであり、大幅な増加は見込めないため、現在の基金残高の有効活用を検討し、ふるさと応援寄附金に依存した予算編成とならないよう留意していく。・小高御代福祉基金:積み立てによる基金残高の増加は見込まれないことから、基金の使途に沿った事業充当に努める。・勝浦市学校教育施設整備基金:築60年を迎える勝浦中学校校舎及び各小学校校舎への整備等のため、必要に応じ積み立てを行い、基金残高を維持、増加させていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成30年度及び令和4年度のみの数値であるが、類似団体に比べ有形固定資産減価償却率が著しく上昇していることが分かる。学校給食施設整備事業(平成25)や芸術文化交流センター整備事業(平成26)等の大型の建設事業から10年程度経過したことにより、減価償却率の上昇が起こっているものと考えられる。今後施設の老朽化は確実に進行していくため、公共施設等総合管理計画に基づいた各施設の集約・複合化、廃止等を検討する一方、施設の今後を見据えた固定資産台帳上の施設カルテ等の活用を行うなど適正な維持管理に努めるとともに、公共施設に関する基金の積み増しなどの維持修繕に係る費用の確保を行っていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

令和4年度は507.4%、前年度と比較して4.06ポイント減少した。これは、近年整備された芸術文化交流センターや認定こども園や滞在型観光施設整備事業に係る新規発行地方債の影響により、将来負担額は一定程度上昇したが、近年大幅に増加したふるさと納税を原資とした特定目的基金の繰入金を充当したため、令和3年度は減少し、令和4年度も同水準で移行したものと分析する。一方で、少子高齢化による経常一般財源の減少、社会保障経費等の経常経費の増加により、債務償還比率が増加するが予想されるため、今後は人件費等を含めた経常的な経費の削減とともに、自主財源の確保に努め、数値の減少につなげていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率については前述のとおり。将来負担比率は類似団体と比べ、大幅に減少していることが分かる。近年大幅に増加したふるさと納税を原資とした特定目基金の繰入金を充当することにより、施設整備に係る起債の充当が抑制されているものと考えられる。公共施設等の維持管理については、固定資産台帳上の施設カルテ等を活用し投資を行う必要性が出てくる年度の見通しを立てた上で、公共施設等総合管理計画に基づき、財政規模に応じた適切な規模での施設整備・維持を行う必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、類似団体と比較して低く、財政の柔軟性は高いといえる。また、将来負担比率は、類似団体の数値よりも高い状態にあったが、令和4年度は類似団体の数値を下回った。今後も、過度に将来負担とならないような財政運営が必要であると分析する。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

平成30年度及び令和4年度のみの数値であるが、橋りょう・トンネル、港湾・漁港の有形固定資産減価償却率が他団体に比べ高くなっている。橋りょう・トンネルは施設点検等を行い、順次更新・修繕等を行っている状況であり、また港湾・漁港についても管理計画に基づき維持管理を行っている。道路については国交付金や公共施設当適正管理推進事業債を活用し、計画に基づき舗装修繕・打ち換え等を行い長寿命化等を図っている。公営住宅に関しては、除却を進めていく方向性であり、大規模な修繕等を行なっていないため、類似団体に比べ減価償却率が高い傾向にある。認定こども園・幼稚園・保育所については、認定こども園新規建築及びそれに伴う旧保育所の解体等により減価償却率が減少した。一人当たりの数値に着目すると、橋りょう・トンネル、港湾・漁港の数値が類似団体比較で高くなっているが、これは本市の地形・産業に起因するものと考えられる。今後の方針としては、人口減少・少子高齢化の現状を再度認識し、市内各公共施設の集約化・複合化の検討とともに、固定資産台帳の再点検により施設の状態を適切に把握し、計画的な老朽化対策に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

平成30年度及び令和4年度のみの数値であるが、直近では図書館、体育館・プール、庁舎の減価償却率が高くなっている。図書館については旧市役所庁舎を改装したものであるが、改修から年数が経過しており、類似団体と比較しても著しく減価償却率が高いため、公共施設等総合管理計画に基づいた他の公共施設との一体運用を検討する必要がある。体育館・プールについては類似団体と比較して著しく老朽化が進んでいることが分かり、公共施設等総合管理計画をもとに施設の適正管理を推進していく必要がある。庁舎については、令和4年度末現在において、建設以降大規模修繕等は行っていないという状況であり、施設の長寿命化を行いながら維持管理を図る必要がある。市民会館については平成26年度に新規に建設を行ったため、築年数が浅いことから類似団体よりも償却率が低いが、建築から年数が経過しているため、適切に維持管理を行い長寿命化を図る必要がある。一人当たりの数値に着目すると、庁舎の面積数値が類似団体比較で高くなっているため、施設の複合化を含めて検討を行う必要がある。今後の方針としては、人口減少・少子高齢化の現状を再度認識し、市内各公共施設の集約化・複合化の検討とともに、固定資産台帳の再点検により施設の状態を適切に把握し、計画的な老朽化対策に取り組んでいく。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

前年度と比較すると一般会計等において、資産は21.24億円(7.0%)の増加、負債は5.13億円(4.5%)の減少となり、全体会計では資産は20.85億円(5.8%)の増加、負債は6.04億円(4.0%)の減少、連結会計では資産は24.06億円(5.9%)の増加、負債は6.81億円(3.8%)の減少となっている。一般会計等において、減価償却費が公共施設等への投資額よりも約2.81億円上回っていることから、有形固定資産残高について増加したことが挙げられる。また、負債減少の主な要因は、地方債等償還支出が地方債発行収入よりも約3.33億円上回っていることから、地方債残高について減少したことが挙げられる。上記にもある通り、減価償却費が設備投資額を上回っているなど、今後は、施設や設備への投資が増加することが見込まれるため、計画的な財政運営が必要であると分析する。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

前年度と比較すると、経常経費から経常収益を引いた純経常行政コストは、一般会計等において、14.52億円(15.2%)の増加、全体会計では15.76億円(11.4%)の増加、連結会計では18.93億円(11.5%)の増加となっまた、純経常行政コストに臨時損益を加えた純行政コストは、一般会計等において14.47億円(15.1%)の増加、全体会計では15.7億円(11.3%)の増加、連結会合計では18.89億円(11.5%)の増加となっている。一般会計等において、純行政コストが増加した要因は、ふるさと納税関連経費が増加したことが挙げられる。今後も公共施設等の維持補修関係経費の増加が見込まれるため、物件費等の経常的な費用の削減が必要であり、行政コストの削減が必要であると分析する。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

前年度と比較すると、一般会計等では本年度末純資産残高が26.37億円(14.0%)の増加、全体会計では26.89億円(12.7%)の増加、連結会計では30.86億円(13.3%)の増加となっている。一般会計等において純資産が増加した要因は、資産が増加し、負債が減少したためである。資産増加の主な要因は、ふるさと納税による寄附金が前年度より大幅に増加したことによる基金残高の増加によるものであるが、臨時的な収入であるため、一時的に資産増加に働いたと分析している。今後は、老朽化が進展している公共施設が多いため、今後は公共施設の更新等により現金や基金等の資産の減少が見込まれ、行政コストのスリム化を実現するなど、純資産の確保が必要であると分析する。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支においては、一般会計等ではふるさと納税による寄附金の増加による業務収入の増加等により29.72億円の黒字となり、全体会計では31.28億円の黒字となり、連結会計では32.63億円の黒字となっている投資活動収支においては、一般会計等ではふるさと納税による寄附金の基金積立金支出の増加等により26.27億円の赤字となり、全体会計では赤字億円の27.75となり、連結会計では28.52億円の赤字となっている財務活動収支においては、一般会計等では地方債等発行収入の減少等により3.33億円の赤字となり、全体会計では3.99億円の赤字となり、連結会計では4.22億円の赤字となっている健全な財政運営のためには、業務活動や投資活動においても、ふるさと納税をはじめとする臨時的な収入に依存しない経常的な収入の確保、あるいは、経常的な支出の削減に向けた行財政改革を着実に実施することで、安定した資金の確保が実現できると分析する。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

老朽化した公共施設の維持管理等は順次行っているものの、住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率が類似団体平均を下回っている。しかしながら、更新あるいは長寿命化が必要な校舎等への対応が見込まれるため、今後は資産合計額が増加する見込みである。また、人口はさらに減少する見込みから、一人当たりの資産額が類似団体を上回る可能性もあるため、今後、公共施設の更新等を行う場合は、人口規模に見合った整備を行うことを前提とし、公共施設等総合管理計画に基づき、適正な管理を努めることが必要であると分析する。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

将来世代負担比率は類似団体と同程度ではあるものの、純資産比率は類似団体よりも低い比率となっている。これは、資産の老朽化が進めば純資産比率が低下していくため、今後、世代間のバランスを見ながら資産の更新や形成をしていく必要があると分析する。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っており、また、昨年度に比べても増加している。特に、純行政コストのうち約55%を占める物件費等について、ふるさと納税に係る事務経費が増加傾向にあり、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。ただし、ふるさと応援寄附金制度について、国の制度改正等により大幅に増減するものであることから、今後の見通しについては、分析が困難な状況にある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

基礎的財政収支は類似団体を上回る黒字額となっているものの、地方債残高や退職手当引当金の減少により、負債合計は減少しているが、人口減少に伴い住民一人当たりの負債額は、類似団体と比較すると上回っている。今後は、公共施設の更新等の適正管理を行った上で、市の人口規模に見合った地方債を発行するなどの財政運営が必要であると分析する。なお、受益者負担の水準については、「使用料見直しに関する基本方針」(令和3年10月策定)において、公共サービスの費用に対する受益者負担の考え方を明らかにするとともに、公平性・公正性や透明性の確保に努めている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体と比較して同程度となっているが、行政コストの削減等は行った上で、施設等を利用する受益者に対して適正な負担(使用料や手数料等)を求めることが必要であるため、受益者負担の観点から定期的な料金設定を検討しなければならないと分析する。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,