うるま市:簡易水道事業(法適用)

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経営比較分析表(2018年度)

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、100%以上(黒字)で推移しているが、平均値等を下回っている。前年度より比率が低下したことについては、基地用水道使用量の大幅増減(前年度比較:H29年18%増、H30年13%減)が大きな要因。また、家庭用使用水量が減少しており、節水型機器普及が要因にあると思われる。本市は、給水面積が広く、施設の維持管理コストが多くなるため、不断に効率的な経営のもと経費節減を図り、健全経営を維持するうえで、必要な適正原価を基礎とした水道料金の確保、経営の透明性を高めていくことが重要となる。③流動比率は、100%かつ平均値を上回り、支払能力は健全な状態。④企業債残高対給水収益比率は、平均値より低い比率。一方で、施設整備を計画的に着実に実施していくため、財源を確保する手段として、世代間負担の公平性、財政の健全性を踏まえ、企業債活用を検討する。⑤料金回収率は、100%以上で推移、適切な料金回収が出来ているが、平均値等を下回っており、今後、施設の更新投資による減価償却費の増加など、収益環境が悪化することが予測される。アセットマネジメントを踏まえた事業費の平準化、施設集約化・ダウンサイジング・適正配置を検討し、経営効率化による経常費用の節減に取り組む一方、施設を維持するうえで、必要な適正原価に見合った水道料金水準を検証する。⑥給水原価は、平均値等より高く、給水原価低減に取り組む必要がある。水道水を安定的に供給するため、水道施設を市内全域で管理しており、老朽給水管も数多く点在。継続的な漏水調査、早期修繕に対応する必要があるなど、施設の維持管理に必要な費用が多くなるため、給水原価も高くなるが、給水原価低減のため、水道施設の効率化に伴う維持管理費削減、業務の効率化、水道広域化・広域連携等、水道経営の効率化・健全化に取り組むことが重要となる。⑦施設利用率は、平均値等より高い状況にあるが、更新時には、施設規模のダウンサイジングや統廃合、集約化を図る等、より効率性を高める対応が不可欠。⑧有収率は、有効率向上対策により、年々減少していた漏水(無効水量)が平成30年度は増加に転じ、平均値等を上回っているものの、給水面積が広く管路延長が長い本市では、漏水解消が容易ではないことが改めて認識された。有収率の低下は事業経営への影響が大きいことから、重点的に、効果的な漏水調査と早期修繕及び管路更新に取り組む。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、減価償却がどの程度進んでいるのか(古くなっているのか)を表す指標で、平均値と同様に年々上昇傾向。法定耐用年数に近い保有資産が多いことを示している。減価償却率の増加とともに修繕コストの増加、施設の更新費用の増加が予測される。②③管路経年化率は、法定耐用年数を超えた管路延長の割合を表す指標。平均値に比べて低い数値となっているが、老朽化が進行していることを示し、今後も一定割合で増加し続けることが見込まれる。管路更新率は、平均値と同程度の比率となっている。老朽管路の更新と併せて、管路の耐震化を進めているが、市内全域にまだ多くの老朽管・非耐震管が残存している。災害対応拠点となる病院・広域避難場所への供給ルートを考慮するなど、優先度、重要度、管路の布設環境や劣化状況などを踏まえて更新投資を平準化し、計画的な更新に努める。

全体総括

本市水道事業は、県内で給水面積が3番目に広く、管路総延長が2番目に長い。また、配水管100m当たりの給水人口が県内の類似事業体と比較して低く、配水管使用効率が低い。こうしたなか、広範囲の給水区域に水道水を供給するため、多くの水道施設を保有・管理しているが、施設の老朽化が今後ますます進行すると予測される。水道は、平時及び災害時においても、市民生活を支える必要不可欠なライフラインであり、安全な水道・強靭な水道を図るため、水道施設の老朽化対策や災害対策に重点的に取り組む必要がある。そのため、平成31年3月に策定した「経営戦略」に基づき、「施設の集約化、規模の適正化、投資の合理化(事業の平準化)」を図り、更新費用、維持管理費用の縮減を図る一方で、経営基盤を強化する取り組みが大変重要となる。そのため、必要な水道料金水準の検討、企業債の有効活用、水道経営の効率化を図り、経営基盤の強化、水道経営の持続性の確保に取り組んでいく。

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