経営の健全性・効率性について
①『収益的収支比率』‥総費用に地方債償還金を加えた額が総収益でどの程度賄えているかを表す指標。過去5年間において100%を下回り、費用を収益で賄えていません。今後費用の削減等による経営努力や料金等を見直す必要があります。④『企業債残高対給水収益比率』‥給水収益に対する企業債残高の割合であり、企業債残高の規模を表す指標。右肩下がりで減少しており、企業債の償還が進んでいるといえますが、今後の施設の老朽化に伴う更新等により、企業債の増加が考えられます。⑤『料金回収率』‥給水に係る費用が、どの程度給水収益で賄えているかを表した指標。類似団体を上回ってはいるが、60%程度であるため、給水に係る費用を給水収益で賄えていない。今後も給水人口の減少に伴い料金収入も減少しているため、適切な料金改定が必要と考えられます。⑥『給水原価』‥有収水量1㎥あたりについて、どれだけの費用がかかっているかを表す指標。類似団体に比べ比較的低費用で安心・安全な水の供給ができています。⑦『施設利用率』‥配水能力に対する配水量の割合で、施設の利用状況を判断する指標。給水人口の減少による給水量の減少に伴い、低下しています。今後、施設の適正規模を検討する必要があります。⑧『有収率』‥施設の稼働が収益につながっているかを判断する指標。過去5年間において82%程度と類似団体を上回っており、良好であるといえます。
老朽化の状況について
③『管路更新率』‥当該年度に更新した管路延長の割合を表す指標。管路更新率が高くなっているのは、主に下水道工事等に伴う布設替によるものです。過去5年間において類似団体を下回っているため、老朽管の布設替を含め、計画的に管路の更新をしていく必要があります。
全体総括
簡易水道事業は、平成30年度に水道事業との統合をする予定ですが、今後は管路や施設等の老朽化による更新費用の増大に対し、給水人口の減少による料金収入の減少が見込まれます。そのため、統合後も引き続き経営状況を分析し、経費削減等経営改善に向けた取り組みを行う必要があります。