経営の健全性・効率性について
経費回収率(料金水準の適切性)が100%以下であることについて(要因)平成26年度決算値において、汚水処理原価122.17円に対する使用料単価は107.9円となっており、原価よりも安い使用料単価となっている。そのため、使用料で賄えない汚水処理費用は、一般会計からの基準外繰入金で補填されている。(約1億4千2百万円)汚水処理原価は、全国と比較して低い傾向にあるが、下水道使用料については、下水道の普及促進を優先するため、事業当初に低い使用料単価が設定されたまま現在に至っている。そのため、現在、熊本県内では一番安い下水道使用料単価となっている。なお、平成26年度においては、会計基準変更に伴い、汚水処理原価のうち資本費が低くなった影響で、経費回収率が上昇している。(今後の対策)平成26年度の、経費回収率は88.32%で、類似団体と比較して、特別低いものではないが、独立採算制の原則に基づき、一般会計からの基準外繰入金の抑制を図る必要がある。なお、現在、償還元金のピークであり、原価を100%回収しても不足する費用が見込まれるため、実質的な経費回収率は約80%となっている。そのため、適正な料金の検討を行う必要がある。(段階的に10%~25%の範囲で使用料単価を見直しを行うことで、6千万~1億4千万の増収と基準外繰入金の解消が見込まれる。)
老朽化の状況について
平成26年度末の下水道処理区域内人口普及率は97.9%となっており、今後は、下水道施設の維持や更新に重点を置き、「下水道長寿命化計画」により整備を進めていく。現在、②のとおり耐用年数を超えた管渠はないが、敷設後40年が経過し、経年劣化により管路等が腐食している状況が見られるため、順次計画に基づいて、長寿命化対策事業を行っているところである。また、近年の投資額は、減価償却費の1/2程度で推移しており、将来の負債・原価が抑制の傾向にある。
全体総括
上記に記載したとおり、経費回収率を改善する対策を進めていくとともに、計画的な投資を行い、将来の負債と原価の適正な水準の維持に努めていく。また、水洗化率を更に高める啓発活動も併せて行っていく。③の流動比率が平成26年度は100%を下回っているが、会計基準変更に伴い、流動負債に1年以内に償還予定の企業債が含まれているためであり、これについては、使用料収入などで償還予定である。また、⑦の施設利用率については、本町の公共下水道は熊本北部流域下水道に接続されているため表示がない。※本町では平成24年度から地方公営企業法を適用しており、それ以前の決算とは比較できないため、平成24年度からの比較表となっている。