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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
旧産炭地域で公営住宅が多いことから、所得水準が他の類似団体と比べて低く、また町内に主要産業がないことから財政基盤が弱い。近年は財政力指数が0.50前半台で推移しており、類似団体平均を依然として大きく下回っている。税収確保のため税等の徴収強化に努めているが、担税力のある中高~若年層の人口減少も始まっていることから、今後の確実な歳入の確保を行うためにも定住促進施策の推進を行い、安定的な税収確保に努め、また歳出面における経費削減に一層努めていく。
歳出においては、物件費、維持補修費、扶助費、補助費、繰出金は増加したものの、総額としては146百万円の微増であった。対して歳入では、地方税や普通交付税、各種交付金等が軒並み減額となり、総額で503百万円と大幅な減額となったことが経常収支比率の悪化の主な原因と考えられる。増え続ける経常経費をいかに削減できるかが、今後の課題となる。
類似団体と比較して人件費・物件費が低い要因として、ごみ・し尿処理事業や消防事業などを遠賀郡・中間市で構成する一部事務組合である遠賀・中間地域広域行政事務組合で行っていることがあげられる。職員数については、平成28年度は1名増となったものの、共済負担金や時間外手当等の減少により、総額では減少したため、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は522円減少している。また、一部事務組合への負担金、繰出金には人件費・物件費に充てられる経費も含まれており、一概には類似団体平均との比較はできないため、今後とも事務事業の効率化及び職員の給与水準及び職員数の適正化を図る。
平成23年度から給与抑制のため給料の2.5%削減を実施し、ラスパイレス指数は99.5%と国を下回った。しかし、平成24年4月から2年間国家公務員が東日本大震災の復興財源を確保するため、給料を平均7.8%引き下げたことにより指数の上昇を招いた。水巻町においても平成25年7月より国に準じた引き下げを実施し、給料削減措置を行った。今回のラスパイレス指数算定基準日である平成28年4月1日時点では、職員の年齢構成等の要因によりラスパイレス指数が減少した。今後、給与構造の検討や職員構成の変動を注視しながら、引き続き適正な給与体系を維持することで、能力や実績に応じた給与制度の確立を目指す。
人口千人当たりの職員数は4.69人と今年度決算においても類似団体と比較して大きく下回っている。要因としては、過去の組織機構の見直しによる課・係の統合、小学校給食調理業務や保育業務などの民間委託などによるものである。今後、権限移譲等に伴う業務追加により職員の負担増が懸念されるが、平成25年度に策定された定員適正化計画に基づき、真に必要な職員数の配置を行い、さらなる住民サービスの向上に努める。
一般会計における起債の抑制を行っているため、着実に実質公債費比率は改善している。普通会計における過去の既発債の償還終了に伴い元利償還金は減となっているが、公共下水道事業の進捗により公営企業債償還に伴う繰入金、一部事務組合における消防庁舎や火葬施設の建て替えによる新発債発行により組合等負担額は増加しているため、今後実質公債費比率が悪化する恐れがある。また、一般会計においても、公共施設等の大規模改修事業が増加する見込みのため、実質公債費比率が急激に上昇するおそれがある。今後の償還額を平準化し、事業計画や実施速度、適債性を十分考慮した起債管理に一層努めていく必要がある。
将来負担比率については、類似団体平均と比較しても良好な状態を維持できている。小中学校のエアコン設置事業に係る学校教育施設等整備事業債の発行により地方債現在高が増加したことや、下水道整備に係る公営企業債の新規発行により繰入見込額が増加したこと、退職手当負担見込額が増加したことで将来負担額が1.0とプラスに転じたが、依然として良好な状態を維持できている。今後も公共施設等の大規模改修事業や公共下水道事業の進捗に伴い繰出金の増加が見込まれるため、財政運営の健全化に努め、将来負担の緩和に努める。
平成18年度~23年度において実施した行財政改革緊急行動計画において職員数削減や特殊勤務手当を全廃したほか職員給与2.5%カットを実施したため、類似団体や全国平均と比較しても低い水準を維持できている。平成28年度は前年度と比較して、共済費等の減額により人件費そのものは減額となったものの、歳入経常一般財源が503,224千円減少したことで経常収支比率は悪化することとなった。
小中学校のICT化事業や定期予防接種等の増額で物件費総額は73,563千円の増額となったうえに、歳入経常一般財源が減少したため経常収支比率は2.5ポイント悪化することとなった。類似団体平均とは、ほぼ同水準を維持しているが、削減しがたい経費の増加が見込まれるため、引き続き経常経費の削減が必要である。
扶助費に係る経常収支比率は11.1%でありポイントとしては微増であるが、過去5年間徐々に悪化傾向にある。主な要因としては、年々増加傾向である更生医療費、障害福祉サービス費の増加があげられる。扶助費は容易に圧縮することができないことから、福祉施策全体の見直し、健康増進事業の充実を図ることで増え続ける扶助費を抑える必要があると考える。
その他経費の経常収支比率は、前年度に比べ2.3ポイント悪化し、類似団体と比較しても低い水準で推移している。主な要因としては、国保会計繰出金や公共下水道事業進捗(平成37年度完了予定)による公債費増加に対する基準内繰出の増加によるものである。また、公共下水道事業特別会計への繰出金は事業課との交渉により一定の金額での繰出を行っているが、今後使用料の増等は見込めないため増加する建設事業費と公債費を賄うための一般会計からの繰出しが大幅に増加する事が考えられる。そのため、将来負担を見据えた計画的な事業実施が求められる。
補助費等にかかる経常収支比率は、類似団体平均を大きく上回っているが、要因としては、ごみ・し尿処理事業や消防事業などを、遠賀郡・中間市で構成する一部事務組合である遠賀・中間地域広域行政事務組合で行っていることによるものである。そのうち、火葬施設費の増額により補助費の一部事務組合分は18,378千円増加、私立幼稚園就園奨励援助費を補助費へ組替えたことにより49,331千円増加したことで補助費の経常収支比率は悪化することととなった。
地方債残高は今後大幅な減少は見込めない状況となったが、公債費については類似団体よりも低い水準を維持している。昨年度に比べ、起債の償還終了に伴い公債費自体は減少したものの、歳入経常一般財源の減少により0.4ポイント悪化することとなった。学校等の公共施設の老朽化対策等、新発債借入の大幅な増加が見込まれることなどから、投資的事業の採択は財政計画、予算編成の段階で十分に精査を行い、国・県補助金を活用することで新発債発行を圧縮し、将来世代への負担を極力抑える財政運営に努める。
公債費を除く経常収支比率については、前年度から9.7ポイント悪化した。主な要因として、歳出が増加していることもあるが、歳入の減少が大きく、経常一般財源である普通交付税が238百万円、地方税が88百万円、地方消費税交付金が55百万円と大幅な減額となったことが挙げられる。今後は、自主財源確保に努め、経常支出の抑制を行っていく必要がある。
H24年度は水道事業の北九州市との統合のために基金取り崩しを行ったことで将来負担比率が0.7%となったが、その後は基金積み立てが順調に行えており、類似団体と比較しても良い水準で運営できている。実質公債費比率についても、類似団体より低い水準を維持できており健全な財政運営ができている。今後は、老朽化した施設の更新もあり将来負担比率、実質公債費比率のある程度の上昇は見込んでいるが、施設の統廃合・継続の判断を慎重に行い財政状況を急変させないよう細心の注意が必要である。
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