経営の健全性・効率性について
本市の下水道事業は、供用開始から25年を経過しますが、下水道普及率に大きな遅れがあり、未整備地区の早期整備に取り組んでいます。また、整備済の中心市街地から、郊外の未整備区域への人口移動等も、普及率が低い要因にもなっています。今後の下水道整備は、高い需要の見込める地域を優先するなど、処理場ストックを最大限に使用できるよう整備を進めていきます。本市下水道事業の企業債残高は、平成19年度の390億円をピークに減少していますが、今なお330億円の残高を抱えており、平成29年度は、元金償還24億円、支払利息4億円を支出しています。高利な起債が順次完済となり、支払利息は年々減少していますが、現在償還中の企業債のほとんどは元利均等のため、償還総額は、同程度で推移しています。多額の償還額は、①収益的収支比率、⑤経費回収率を低下させ、⑥汚水処理原価を押し上げる要因となります。なお、平成30年度から公営企業会計に移行することに伴い、平成29年度特別会計は、出納閉鎖期間(4/1~5/31)がありません。その期間内の歳入及び歳出は、決算に含まれないため、①から⑥の平成29年度の数値は、参考値となります。⑧水洗化率は、年々向上していますが、類似団体、全国平均と比較した場合、依然低い水準にあります。既整備区域の水洗化促進にも取り組む必要があります。
老朽化の状況について
管渠の老朽化は、進行していないため、老朽化対策は行っていませんが、機械設備・電気設備には耐用年数を経過している施設もあり、ストックマネジメント基本計画に基づき、長寿命化を含めた対策を行っていきます。
全体総括
平成30年度に公営企業会計に移行したことに伴い経営戦略を見直します。新たな経営戦略では、料金水準の見直しに先立ち、水洗化率向上へ向けた取組、維持管理費を削減する取組による経営改善について、目標を設定し、事業を継続できる財政基盤の強化を図ります。本市の下水道整備は、全国的に低い水準にありますが、岡山県都道府県構想(クリーンライフ100構想)の見直しを図る中で、未整備地域の解消、合併処理浄化槽の推進により、水洗化率の向上を目指します。また、平成30年12月に作成した「下水道事業ストックマネジメント基本計画」に基づき、効率的な施設更新に取り組みます。