経営の健全性・効率性について
①経営の健全性について収益的収支比率は、類似団体の平均値と比べ若干下回る数値で推移しており、H27年度については近年に比べ下降はしたものの、H23年度と比較すると約10.0%改善している。また、料金回収率については、H23年度と比べ約4.8%上昇しており、H27年度は前年度を若干下回りはしたものの、改善傾向にあると言える。しかしながら、類似団体と比べると平均値を下回る結果で推移しているため、収益的収支比率と見比べながら、適正な料金を検討していくことが必要である。企業債残高対給水収益比率については、類似団体の平均値を上回ってはいるものの年々改善傾向である。②経営の効率性について有収率については類似団体の平均値を大きく上回り、施設の稼働状況が収益に反映できていると言える。しかしながら一方で、施設利用率は類似団体の平均値を下回る結果となっていることから、今後は有収率とも見比べながら適正な施設規模の把握に努め、場合によってはダウンサイジング等を行うことによって更なる経営の効率化を図っていくことが必要である。また、給水原価については、類似団体の平均値を大きく上回る結果となっていることから、今後は維持管理費の抑制を図るなど経営の効率化に向けた取り組みが必要である。
老朽化の状況について
管路更新率について、H27年度は類似団体の平均値を上回りはしたものの、今後は管路や施設の大量更新時期を迎えることが見込まれていることから、耐用年数等を考慮し、優先順位をつけて計画的に更新及び老朽化対策を図っていくことが重要である。
全体総括
概ねの指標において類似団体の平均値に達していない結果となりはしたが、H23年度と比べ改善しているものが多く、改善傾向にあると言える。今後は引き続き起債残高の縮減及び維持管理費の抑制に努めていく。一方で、水道料金については、給水人口の減少を見据えた収益と経常費用の将来予測を立てることで適正な料金の設定を検討し、経営の健全化を図っていくことが重要である。また、将来の人口動態を踏まえた適正な施設規模の把握に努めるとともに、施設・管路等の耐用年数を考慮した計画的な更新を行っていくことで、費用の平準化を図り経営の効率化を目指す。