経営の健全性・効率性について
地理的条件等によって建設改良費が割高となっているため、他市町村に比較して企業債残高が多く、給水原価にも影響し、収益的収支比率も類似団体や全国平均から6%程度低くなっている。また、水道料金は市町村合併時に統一が行われず、上水道との統合が計画されたこともあって改定が先延ばしとなり、前述の状況と相まって料金回収率も低い状況となっている。しかし、このような厳しい経営環境の中でも高料金対策に係る国からの地方財政措置や市の一般会計からの繰入金等により事業運営が成り立っている。平成19年に簡易水道事業に対する国庫補助制度が限定・見直され、統合が推進されたことから、当市は平成21年に上水道との統合を決定し、平成29年度末統合予定として、現在、各施設の中央監視による一元管理や統廃合による合理化・効率化を進める等、経営基盤の強化に取り組んでいる。
老朽化の状況について
40年経過した管路割合は3.3%(H27)となっており、アセット・マネジメント(資産管理)に基づく延命化を管路20年とし投資額を平準化する予定。上水道との統合後5年間は管路経年化率の高い上水道の管路更新を優先し、簡易水道は上水道の3/4程度の更新計画としている。なお、管路更新率において、平成27年度数値が伸びているのは、現在取り組んでいる簡易水道統合整備事業における各工事が竣工し、管路の新設が増えたためである。
全体総括
平成30年度から予定の上水道との事業統合により、維持管理体制を集中・強化し、組織体制面の合理化によるコスト削減を図るとともに、計画的な老朽管路更新計画に基づく適正な料金設定を行う等、経営の健全・効率化を図ることとしている。