経営の健全性・効率性について
公共下水道について、類似団体平均と比較すると、①経常収支比率が類似団体よりやや下回っているものの、②累積欠損金比率はゼロであり、③流動比率・⑤経費回収率・⑥汚水処理原価・⑧水洗化率は類似団体より上回っていることから、総合的には類似団体平均値と近いものとなっている。今後、経常収支比率を上げるためにも更なる維持管理コストの削減が必要である。⑦施設利用率が類似団体より下回っているのは、吉川浄化センターの稼働率が当初の計画より下回った稼働率となっているためであるが、この点については、平成22年度に策定した下水道統合基本計画において、地理的に近くにある2施設の農業集落排水処理施設を吉川浄化センターへ統合する予定であり、類似施設の統廃合により効率的な施設運営を図る予定である。
老朽化の状況について
公共下水道事業は旧三木市で平成2年6月に供用を開始し、平成17年10月の市町合併により旧三木市と旧吉川町の公共下水道を統合し現在に至っているが、今後、自由が丘・緑が丘地域の開発により受贈された管渠の老朽化が予想されるため、老朽化対策として平成24年度に長寿命化計画を策定し、平成26年度より自由が丘・緑が丘の管渠について長寿命化工事に着手した。今後も引き続き老朽化対策を行う予定である。
全体総括
類似団体と比較すると概ね類似団体の平均値に近いが、⑦施設利用率が類似団体より大きく下回っており、今後、施設の統廃合により施設の利用率を上げるとともに維持管理経費の削減を図っていく予定である。しかしながら施設の統廃合の予定は農業集落排水処理施設のため、下水道事業全体での維持管理費の削減となるが公共下水道のみでの維持管理費の削減とはならないことが見込まれる。そのため、公共下水道についても施設の維持管理の方法を含めて更なる経費の削減が必要である。また、現時点では老朽化していない管渠についても、今後予想される老朽化に対応するために計画的な検討が必要である。