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2011年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2019年度)
財政力
財政力指数の分析欄
令和元年度の類似団体内順位においては、変動はなかったものの全国・県平均と比較しても平均値を上回っている。数値自体については、伊丹市行財政プランの方針に基づいた歳出の徹底的な見直し、及び税収等の徴収率向上対策を中心とした歳入確保に努めた結果、横ばいを保っている。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
阪神淡路大震災の影響を受けた平成7年度に90%を超えて以降、平成8年度、平成9年度を除き、経常収支比率90%以上の高い水準で推移している。そうした中、平成22年度に策定した伊丹市行財政プランにおいて、平成27年度までに経常収支比率95%以下という目標を掲げ、目標達成に向けて不断の歳出削減努力等を行った結果、目標を達成した。また、平成28年度以降も新たに策定した行財政プランにおいて、引き続き95%以下を維持することを目標として掲げており、令和元年度においても目標を達成した。令和元年度については、障害福祉サービス費等の扶助費および後期高齢者医療給付費負担金等の増加により上昇したと考えられる。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
類似団体内順位については、ほぼ変動のない位置にいると考える。また、数値についてはこれまでに引き続き、全国・県平均よりも低い水準で推移している。令和元年度については、人件費は退職手当や会計年度任用職員制度の導入等に伴う嘱託報酬の増加、物件費はプレミアム付商品券発行事業実施委託料やPCB処理等の手数料が増加したことにより上昇したと考えられる。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
昭和50年代の職員採用休止措置に伴う特異な職員年齢構成や、学歴によらず職員の能力・職務実績を重視した昇任管理を行っていることなどの事情により高い水準となっていた。平成27年度の給与制度の総合的見直し時に、一般行政職の給料表について国家公務員の見直し(平均2%の引き下げ)を上回る一律4%の引き下げを実施し、平成28年度の昇任制度の見直しに伴う、中高年齢層の給与水準の抑制による効果が現れ、近年は低下傾向にある。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
平成25年度までは類似団体との比較において、やや上位で推移していたが、平成26年度以降、再任用職員のフルタイム化に伴い、やや順位を下げる結果となっており、その後は横ばいで推移している。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
令和元年度においては、標準税収入等の増加および元利償還金の減少により単年度における実質公債費比率が5.1%と改善したことに伴い、3ヵ年平均における実質公債費比率も改善し、昨年度に引き続き、兵庫県平均値を下回る結果となった。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
財政規律を堅持する一環として、行財政プランにおいて新発行債の発行抑制を掲げ取り組んでおり、地方債残高は近年の減少傾向にある。将来負担比率は従前より全国の平均値を下回る状況にあることから、今後も突発的な事象がない限り、早期健全化基準はクリアできるものと考えている。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)
人件費
人件費の分析欄
平成19年度の給与構造改革(給料表を平均4.8%引き下げ)をはじめとして、地域手当支給率の引き下げや住居手当の減額改定、そして人事院勧告に沿った給与改定及び期末勤勉手当の年間支給割合の引き下げなど給与等の適正化に努めた結果、概ね類似団体順位は中位を保ってきた。令和元年度については、退職手当の増加等により上昇している。
物件費
物件費の分析欄
従来より、ごみ処理業務等を一部事務組合で行っていること等により物件費は、類似団体平均よりやや低い水準にあった。その反面で、一部事務組合の物件費等に充てる負担金により補助費が類似団体平均を上回る傾向となっている。令和元年度は市営住宅管理費等の増加がある一方で、小中学校等の臨時休業等に伴う賄材料費等の減少により、増減は見られなかった。
扶助費
扶助費の分析欄
類似団体平均、県平均からみても依然高い水準にとどまっている。近年ほぼ横ばいで推移していたが、令和元年度は施設型給付費や保育所保育委託料、児童扶養手当等が増加したことで上昇している。
その他
その他の分析欄
当該数値は一貫して類似団体平均値に比べて低い水準で推移している。要因は平成21年度から、下水道事業の会計制度を移行(特別会計から公営企業会計)したことなどがあげられる。令和元年度は繰出金(介護保険事業会計)の増加により上昇している。
補助費等
補助費等の分析欄
当該数値は一貫して類似団体平均値に比べて高い。要因は、ごみ処理業務等を一部事務組合で行っていること、下水道事業を公営企業で行っていることがあげられる。なお、平成25年度決算において土地開発公社他2団体のいわゆる第3セクターを解散したことによる関係補助金の削減により当該数値が改善した後は、ほぼ横ばいで推移している。
公債費
公債費の分析欄
これまで、阪神淡路大震災の災害復旧事業債の償還の影響から類似団体内順位は低位であったが、償還が進捗するにつれて改善している。近年は、臨時財政対策債に係る元利償還金の増加により横ばいで推移していたが、地方債償還のピークは過ぎ、令和元年度は低下している。一方で、今後は庁舎の整備や施設の大規模改修、公共施設の再配置等に伴い、公債費の増加が見込まれることには留意する必要がある。
公債費以外
公債費以外の分析欄
人件費の削減、扶助費の増加、公債費の抑制など、個々の経費の増減が結果として全体の均衡を保っている状況にあり、類似団体平均値よりも低い水準で推移している。近年はほぼ横ばいで推移していたが、令和元年度は人件費や扶助費、繰出金の増加により上昇している。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
目的別歳出の分析欄
市町村合併等大きな人口変動要因がないために、目的別歳出決算の変動は主として普通建設事業費の多寡によって変動することとなる。令和元年度と平成30年度の比較で増減が大きいものとして、民生費、労働費、教育費があげられる。労働費と教育費については、令和元年度に実施した普通建設事業費が増加したためであり、民生費については、国の幼児教育無償化を実施したことに伴う費用や児童扶養手当等の扶助費に係る社会保障関係費の増によるものである。類似団体と比較で大きな違いがあるものは、労働費と諸支出金である。労働費については、前述のとおり普通建設事業費の増によるものである。諸支出金については、過去から類似団体と比較して大きな乖離があるが、これは交通事業会計への補助を実施しているためである。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり370,444円となっている。主な構成項目である扶助費は一人当たり111,523円となっており年々増加している。主な増加要因は、国の幼児教育無償化による公私立の保育所・認定こども園等へ支弁する施設型給付費の増や、支払回数の見直しに伴う児童扶養手当の増などである。令和元年度は過去最高額となっており、今後も引き続き増加が見込まれる。令和元年度と平成30年度の比較で最も増加した普通建設事業費は、幼児教育施設の整備による認定こども園等整備事業や保育所施設整備事業、公共施設等の再配置を推進するための労働福祉会館整備事業等の増加により大幅に増加した。一方で、最も減少した積立金は、平成30年度に公共施設等の再編・老朽化対策に伴う公債費の増嵩に備えるための公債管理基金積立金等が大幅に増加したことで、結果として前年度と比較して減少した。
実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)
分析欄令和元年度決算において、歳入はマンションの建築等により新築家屋が増加したこと等による固定資産税の増加等により増加したが、歳出は扶助費が引き続き増加し、さらに普通建設事業費や人件費が増加したことで、歳入以上に増加した。以上から、実質収支額は昨年度に比較して減少した。一方で、実質単年度収支は、財政調整基金の土地開発基金への積み替えや幼児教育無償化施策等に伴う費用等を財政調整基金を取り崩して実施したため赤字となり、同様の理由により財政調整基金残高も減少した。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)
分析欄健全化法施行以来、国民健康保険事業特別会計(以下「国保会計」)及び中心市街地駐車場特別会計の慢性的な赤字を、その他の会計の黒字で補填している構造が続いていたが、国保会計については平成24年度以降黒字決算となり、以降年々改善されているため、特別会計等の収支は着実に改善している。残る中心市街地駐車場事業特別会計については、平成27年度に同特別会計廃止に伴い累積赤字の清算を実施した結果、その他会計の赤字が解消した。令和元年度も引き続き赤字は解消されている。令和元年度と平成30年度の比較において変動が大きかったものとして、モーターボート競走事業会計と国保会計によるものが挙げられる。モーターボート競走事業会計においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、インターネットを介して舟券を購入できる電話投票の会員が増加したこと等により、対前年度比で実質収支の増加となった。国保会計においては、被保険者や滞納繰越分の調定額の減による国民健康保険税の減少や繰越金の減少により、対前年度比で実質収支の減少となった。
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実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄平成26年度においては、借換債の発行を前提として行うテールヘビー返済(バルーン返済)について借換債を発行しなかったため、元利償還金が一時的に増加し実質公債費比率が悪化した。そのため、平成27年度は元利償還金が減少し、実質公債費比率が改善された。また、令和元年度においては、標準税収入額の増加や元利償還金の減少等により単年度における実質公債費比率が5.1%と改善したことに伴い、3ヵ年平均における実質公債費比率も改善している。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債の発行は行っていない。
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将来負担比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄職員の新陳代謝及び公営企業における企業債償還の進捗等により、健全化法施行以降一貫して将来負担比率の分子部分については減少を続けている。令和元年度は下水道事業会計における雨水処理に係る企業債償還の進捗等により、公営企業債等繰入見込額が減少し、今後の公共施設の大規模改修および建替えなどによる普通建設事業債の増加に備えた公共施設等整備保全基金への積立等の影響により充当可能基金が増加している。結果、将来負担比率は一貫して改善しており、令和元年度についても前年度に引き続き該当なしとなっている。
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基金残高に係る経年分析(2019年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)災害、急激な社会情勢の悪化、今後増加が見込まれる公共施設の再配置等に伴う公債費や改修費の増加等に備え目標を掲げ積立てを行っているため、基金残高の総額は増加傾向にある。(今後の方針)将来を見据えた基金の積立てを実施する一方、庁舎建替えや施設の再配置等に基金の活用を考えている。今後は、行財政プラン(令和3~6年度)の基金の管理方針に基づき、適正な管理・運営を行う。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)土地開発基金への積み替えや幼児教育無償化施策等に伴う基金の処分を実施したことにより、令和元年度の残高は減少した。(今後の方針)行財政プランにおいて、標準財政規模の17~20%の範囲内で積立・取崩を行うこととしている。
減債基金
減債基金
(増減理由)将来の公債費に備えるため基金の積立を実施したことにより、基金残高は増加した。(今後の方針)行財政プランにおいて、10年間の見込額平均(約77.0億円)を基準に積立・取崩を行うこととしている。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)公共施設の再配置や改修工事への備え等。(増減理由)今後、施設の再配置や大規模な改修工事、庁舎の建替え等が見込まれることから、これらの支出に備えるため基金残高は増加している。(今後の方針)行財政プランにおいて、公共施設等整備保全基金は10年間の見込額平均(約5.6億円)を基準に、一般職員退職手当基金は30年間の見込額平均(約7.5億円)を基準に積立・取崩を行うこととしている。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
全国及び兵庫県平均値より低く、類似団体内平均値と同程度の状況にある。全国平均値(平成29:59.3%、平成30:60.3%、令和1:63.4%)や類似団体平均値(平成29:58.9%、平成30:59.2%、令和1:60.4%)が年々上昇する中、本市においても同様の状況(平成29:57.4%、平成30:59.1%、令和1:59.5%)にあり、施設の老朽化が年々進行する傾向にある。そのため、引き続き公共施設等総合管理計画に基づき、計画的に更新工事を実施することで当比率の増加を抑えていく必要がある。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
全国、兵庫県平均値及び類似団体内平均値のそれぞれより低い状況にある。加えて、類似団体内平均値が過去5年間でほぼ横ばいであるのに対し、本市においては、過去5年間で100ポイント以上減少している状況にある。これは、主に公共施設マネジメントの着実な実施や毎年度の起債発行額に財政規律を設けるなど、将来負担が過大にならないよう取り組んだこと、さらには、地方債の繰上償還を可能な範囲において実施したことで、将来負担額が低下したことによる。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
類似団体内平均値と比較し将来負担比率が低い一方で、有形固定資産減価償却率が同程度の状況にある。これは、類似団体と同様に、施設の老朽化が年々進行している状況にあるため、引き続き公共施設等総合管理計画に基づき、計画的に更新工事を実施していく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
類似団体内平均値と比較し、実質公債費比率が高い一方で、将来負担比率が低い状況にある。将来負担比率が低い理由としては、主に毎年度の起債発行額に財政規律を設け、普通債の新規発行を抑制してきたことによる。そのため、実質公債費比率についても着実に低下しており、過去5年間においては、類似団体内平均値よりも大きく低下している傾向にある。
施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、「児童館」「公民館」「消防施設」である。「児童館」「公民館」「庁舎」については、統廃合や建替えを控えており、大規模な投資を実施していないため、類似団体及び兵庫県平均よりも有形固定資産減価償却率が高くなっている。有形固定資産減価償却率が特に低くなっている施設は、「認定こども園・幼稚園・保育所」であり、これは、幼稚園等統廃合実施による「さくらだいこども園」・「わかばこども園」・「こばと保育所」計3園を新設したことによるものであり、有形固定資産減価償却率が13.8ポイント低下している。来年度にも認定こども園が新設され、さらに統合を行った幼稚園等は順次解体するため、更なる低下が見込まれる。公営住宅については、個別施設計画にあたる、「伊丹市市営住宅等整備計画」を令和2年策定したところであり、公営住宅の集約化等の取組により、一人当たり面積及び有形固定資産減価償却率の低減を図っていきたい。
施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)
施設情報の分析欄
施設類型別ストック情報分析表①の分析欄に記載
財務書類に関する情報①(2019年度)
1.資産・負債の状況
平成30年度と比較し、資産は、一般会計等は2,459百万円、全体は1,387百万円、連結は1,052百万円の増加となっており、負債は、一般会計等は1,132百万円の増加、全体は1,476百万円、連結は1,918百万円の減少となっている。資産については、基金積立の増加や老朽化した公共施設等の再配置整備を進めたことにより、全体として増加となっている。負債については、一般会計等において上記再配置整備に伴い起債の借入が増加したことから、負債が増加したものの、全体連結においては、起債の償還が進展したことで減少している。今後も、資産において人口減少時代に即した適正な資産規模を見据えた施設マネジメントが必要である一方、負債において将来に負担を先送りしない起債管理が必要であると考えているため、令和3年度からの新行財政プランに基づき、着実に取り組んでいきたい。
2.行政コストの状況
平成30年度と比較すると、純経常行政コストについて、一般会計等は2,662百万円、全体は3,360百万円、連結は4,358百万円の増加となっており、純行政コストについても、一般会計等は2,726百万円、全体は3,376百万円、連結は4,309百万円の増加となっている。増加要因としては、一般会計等について、幼児教育無償化に伴う社会保障給付が増加したことや国の経済対策として実施したプレミアム付商品券発行事業を実施したことなどにより、行政コストが増加したものである。ただし、上記の大半は、国の補助金等を活用した事業であるため、純資産変動額に与える影響は限定的である。引き続き、将来を見据えた持続可能な行財政運営に向け、公共施設マネジメントの推進及び先端技術の利活用や公共私の協力関係構築等による効率的・効果的な行政経営に取り組んでいきたい。
3.純資産変動の状況
平成30年度と比較すると、本年度差額について、一般会計等は250百万円、全体は417百万円、連結は474百万円の減少、本年度純資産変動額について、一般会計等は131百万円、全体は314百万円、連結は528百万円の減少、純資産残高について、一般会計等は1,328百万円、全体は2,863百万円、連結は2,970百万円の増加となっている。一般会計等において、幼児教育無償化等に伴う社会保障給付の増加により、大幅に行政コストが増加したものの、国の補助金等が増加したことなどにより、平成30年度の変動額とほぼ同額となったものである。現状は、純資産変動額がプラスにあることから、行政コストをその年度の財源で賄えている状況にあるが、今後は、少子高齢化により税収の増加が見込めない一方で、社会保障給付の増加が見込まれる中、資産規模を適正化し維持管理費や減価償却費の逓減を図っていきたい。
4.資金収支の状況
平成30年度と比較すると、業務活動収支について、一般会計等は478百万円、全体は1,490百万円の減少、投資活動収支について、一般会計等は2,260百万円、全体は1,263百万円の減少、財務活動収支について、一般会計等は3,024百万円、全体は3,622百万円の増加となっているなお、業務・投資・財務活動の全てを合わせた収支について、一般会計等は286百万円、全体は869百万円の増加となっているが、これは将来を見据えて基金の積立や公共施設等の再配置整備を行った一方で、起債の発行額が大幅に増加したことが要因である。令和元年度の一般会計等において、財務活動収支がプラスに転じたものの、引き続き業務活動収支で得た資金を投資活動収支へ充当できていることから、同様の状況を継続できるようマネジメントしていきたい。
財務書類に関する情報②(2019年度)
1.資産の状況
平成28年度より住民一人当たり資産額は増加傾向、有形固定資産減価償却率は上昇傾向にある。また歳入額対資産比率は平成30年度まで増加傾向にあったが、令和元年度に歳入総額が大幅に増加にしたことにより減少している。これらは、施設の老朽化に伴い減価償却が進んでいる一方で、将来を見据えて基金を積み立てていることや公共施設の再配置整備を行ったことによる資産の増加が要因である。類似団体との比較において、住民一人当たり資産額、歳入額対資産比率とも本市の数値が高くなっており、本市の保有資産が相対的に大きい状況となっている。また、有形固定資産減価償却率については類似団体より高いが、ほぼ同様の状況にある。これらより、資産の規模が大きく、かつ減価償却が進んでいることが本市の課題と言える。そのため、適正な資産規模を見据えた施設マネジメントを進めていくことが不可欠と考えている。
2.資産と負債の比率
純資産比率が年々上昇傾向にある一方で、将来世代負担比率は減少傾向にある。また、類似団体と比較し、純資産比率は高く、将来世代負担比率は低い状況にある。これらは、地方債である借金を将来世代に過度に先送りすることなく、起債償還が着実に進んでいる結果である。今後、公共施設等の老朽化に伴う多額の施設更新を予定しているため、引き続き適切な起債管理を行っていきたい。
3.行政コストの状況
一人当たり行政コストについて、類似団体と比較すると低い数値となっており、相対的に効率的な行政経営ができていると考えられるが、今後、少子高齢化に伴う社会保障給付の増加が想定されるなか、施設マネジメントを進め、維持管理費や減価償却費を逓減させること、また、事務事業の見直し・効率化、組織力の強化、公共私の協力関係構築等によりコストを抑えていくことが必要と考えている。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額については、平成28年度より減少傾向にあるが、類似団体と比較すると高い数値である。これは、起債の償還が進んでいるものの、類似団体と比較し、保有資産が大きいため、これに紐づく負債規模も一定額大きいことが原因であり、将来的に資産規模の圧縮が必要である。基礎的財政収支については、類似団体と比較し平成30年度までは高い数値であったが、令和元年度は老朽化に伴う公共施設の整備が多額であったことから、低い数値となった。引き続き、多額の公共施設整備を予定していることや、少子高齢化により業務活動収支が厳しくなることが予想されることから、将来に負担を先送りしない財政運営が必要と考えている。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率について、類似団体平均と比較すると高い数値となっているが、これは相対的に使用料・手数料等の利用者負担を得られていることやモーターボート競走事業の収益金があること等が原因と考えられる。受益者負担のあり方については、施設を利用する市民と利用しない市民の適正な負担のあり方について検討を進めていく必要がある。また、施設マネジメントを進め、各施設の稼働率を高めることも必要と考えている。
類似団体【Ⅳ-3】
釧路市
苫小牧市
狭山市
上尾市
新座市
久喜市
市川市
松戸市
野田市
佐倉市
習志野市
流山市
八千代市
浦安市
立川市
府中市
町田市
小平市
日野市
西東京市
鎌倉市
藤沢市
秦野市
津市
宇治市
和泉市
伊丹市
川西市
宇部市
山口市
徳島市