経営の健全性・効率性について
総務省が示す類型区分に基づく類似団体と比較すると、⑤経費回収率、⑥汚水処理原価、⑦施設利用率(注:流域下水道で処理した水量を含んで計算されています)は平均値を概ね上回っている一方で、④企業債残高対事業規模比率や⑧水洗化率は平均値を下回っています。その要因としては、過去の整備に伴う多額の企業債の償還を続けていることと、現在も新規整備を進めているため、処理場や整備後間もない下水道管等の利用率が低く、それに伴い水洗化率も低くなっていることが挙げられます。そのため、今後も下水道施設の整備を計画的に進めるとともに、水洗化率や使用料の収納率の向上に努めます。なお、汚水処理に係る費用を、使用料収入でどの程度賄えているかを表す指標である経費回収率は、過去5年の平均が約88%で、類似団体との比較からも一定以上の料金水準を確保しています。
老朽化の状況について
平成4年から施設を供用し、平成27年度で23年を経過していますが、下水道管の耐用年数は50年であるため、現時点で老朽化に伴う更新は発生していません。
全体総括
平成28年度から、費用負担区分の明確化や資産の把握などを経営基盤強化の礎とすることを目的に地方公営企業法を適用し、官公庁会計から公営企業会計に移行します。しかし、公営企業会計を導入したからといって、すぐに「経営の健全性・効率性」が図られるわけではありません。企業を経営するという意識のもと、財務諸表等を活用した経営分析による事業評価を繰り返すことによって、「経営の健全性・効率性」の向上が図られます。今後は、より一層費用の削減を図るとともに、施設整備を計画的に進め、水洗化率や使用料の収納率を向上させることで、安定した財源の確保に努めていきます。