経営の健全性・効率性について
簡易水道事業は、中山間地域で運営されており、過疎化の進行に伴い給水人口も減少しているが、井戸水等自己水から水道へ転換する家庭も増えているため、給水収益は平成23年度以降横這である。反面、老朽化により施設の維持管理費は増加傾向にあり、類似団体と比較して⑥給水原価を押し上げる要因になっている。中山間地域の特徴として、集落が分散しており、それらへ給水する水道管路の延長も長大であるため、水質保全のための管末放水量を増やさざるを得ない状況にある。また、経年管の更新が困難な上、その多くは非耐震のビニール管で、山間部という特性から漏水が多発していることも⑧有収率を下げる要因になっている。平成29年度に簡易水道事業を上水道事業に統合するための簡易水道統合事業に対して地方債を一部財源としており、事業の進捗に応じて④企業債残高対給水収益比率は増加傾向にある。
老朽化の状況について
簡易水道統合事業により、管路の更新を積極的に進めており、平成26年度に稲武簡易水道統合事業が完了したため、③管路更新率がピークになっている。簡易水道事業全体の水道管路の延長は約690㎞に及ぶため、漏水多発路線の管路更新を優先的に実施している。
全体総括
過疎化が進む中、料金収入の増加は見込めないため、経費を抑えていく必要がある。簡易水道統合事業により、浄水場や配水場等施設の統廃合と管路の更新を行い、より効率的な水運用に取り組み、維持管理に掛かるコストの縮減を図ることが必要である。上水道事業への経営統合後は、組織体制の見直しや施設監視の集中化等により、更なる業務の効率化を進める必要がある。