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平成29年度の財政力指数は0.92であり類似団体平均値と比較し0.50ポイント上回っている。平成29年度の普通交付税算定において基準財政収入額は、固定資産税の増加があったものの、市町村たばこ税、地方消費税交付金が減少したため0.4%減少している。基準財政需要額は、臨時財政対策債償還費や65歳以上の人口増による高齢者保健福祉費が増加したが、人口減少等により0.3%減少した。結果、単年度の財政力指数は前年度より0.017増加となった。人口減少や高齢化(平成29.4.1現在45.5%)の問題を抱えており、市税収入の大幅な増加は期待できないため、収納率を引き上げるために、コンビニ収納や口座振替の加入勧奨に取り組んでいく。
平成29年度の経常収支比率は85.8%で類似団体平均値を7.5%下回っている。前年度と比較して歳入のうち市税は、前年度並みで配当割交付金、株式等譲渡所得割交付金、地方消費税交付金、地方交付税等が増加、歳出は、人件費、物件費等への経常経費一般財源充当額が増加したため経常収支比率が2.5%増加となった。今後とも、市税等の自主財源の確保及び事務事業の見直しを行い経常経費の削減に努める。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、類似団体平均値と比較して22,945円上回っている。人件費については、前年度と比較し定年退職者が増加、人件費は高い状況で推移している。今後も退職者の不補充、アウトソーシングの活用、再任用制度の活用を図り、職員数の適正管理を行い、人件費の抑制に努める。前年度と比較して委託料は減少したが、役務費が増加している。また、観光地という土地柄、公共施設が点在していることや、消防業務、廃棄物処理施設を単独で運営していることも物件費の割合が多い要因の一つである。引き続き公共施設の指定管理者制度の導入を推進し、施設の統廃合も含め事務事業の見直しを図っていく。
平成29年度(平成29年度は平成28年度の数値を引用している)は、102.9であり引き続き全国でも高水準で推移している。平成26年度に多くの管理職が退職したことに起因する昇任数の増加や管理、監督者の若年化、本市職員の経験年数別の在職階層の変動が顕著であり、類似団体平均、全国平均等を依然として大きく上回っている。今後とも職員配置や給与水準の適正化に努める。
平成29年4月1日現在普通会計職員は428人(地方公共団体定員管理調査による)で前年度と同数となった。観光地という行政需要から人口規模以上に消防部門へ職員を多く配置している。また、市の区域は海と山に囲まれた急勾配の土地であり、地域が分断し、各地区に支所や学校を配置しているため職員数が類似団体平均より2.06人上回っている。今後も、施設の統廃合を含め、より適切な職員の適正管理に努める。
償還元金を上回らない額での市債発行に努めていることや、過去の大型建設事業の元利償還が終了したこと、過去に新規の投資的事業を抑制してきたことが、類似団体平均値と比較し4.5ポイント下回っている要因である。今後、駅前広場整備事業や庁舎建設事業の大型建設事業の元金償還が控えており、また、公共施設の老朽化に伴う大規模修繕のための借入れも見込んでおり、投資的事業を取捨選択し、市債の新規発行額を計画的に行うように努める。
前年度に比べて2.9ポイント将来負担比率が増加している。分子構造の将来負担額の減少については、退職手当負担見込額の減少や一般会計等に係る地方債の現在高が減少、充当可能財源等は、財政調整基金や環境衛生施設等整備基金が減少したことによるもの。今後は、施設の老朽化が顕著であり、建替や大規模修繕の財源として起債や基金の取り崩しを要することから、起債発行額は償還額を超えないよう努め、健全な財政運営に努める。
人件費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.4%増加となった。要因は、定年退職者数の増加や人事院勧告による賞与引き上げによるものである。また、類似団体平均値と比較して3.4ポイント上回った要因としては、消防業務を直営で行っていることなどが挙げられる。また、今後、退職者の不補充、アウトソーシングの活用、再任用制度の活用を図り、職員数の適正管理を行い、人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は、前年度比で0.7ポイント増加しており、類似団体平均との比較でも、5.1ポイント上回っている。前年度と比較して委託料は減少したが、役務費が増加している。また、観光地という土地柄、公共施設が点在していることや、消防業務、廃棄物処理施設を単独で運営していることも物件費の割合が多い要因の一つである。引き続き公共施設の指定管理者制度の導入を推進し、施設の統廃合も含め事務事業の見直しを図っていく。
類似団体平均及び全国平均を下回る水準となっている。前年度と比較して、国の経済対策臨時福祉給付金が増加、年金生活者等支援臨時福祉給付金等が皆減したものの、地方裁量型認定こども園経費等が増加したことにより前年度より0.1ポイント増加となった。児童福祉費は増加、生活保護費は0.9%の微増となり、高齢者世帯に占める割合が80%を超えていることが特徴である。社会保障費関連経費は、今後も増加すると予想されるため、国の動向を注視しながら経費節減に努めていく。
その他の経常収支比率は、類似団体平均値を1.6ポイント下回っているが、前年度比では1.3ポイント増加した。繰出金については、後期高齢者医療事業特別会計、介護保険事業特別会計で団塊の世代が75歳を迎えることにより被保険者の数が増加していることや、給付費が伸びていることにより増加している。この傾向はしばらく続くことが予想される。各特別会計については、赤字補填が生じないように料金等の見直しを行いながら安定的な事業運営に努めていく。
類似団体と比較し大幅に下回る比率で推移している。これは、本市が一部事務組合等の組織に加入している数が、他団体と比較して少ないことから、補助及び負担金等の支出が少ないことが要因となっている。また、市単独で行う補助金等については、目的、必要性や効果等を精査し、廃止も含め検討をしていく。
前年度と同値の15.7ポイント、類似団体平均値と比較して2.7ポイント下回った。過去の大型建設事業の元利償還が終了したことや、元金償還額を上回らない額の借入れに努めたことによるものであるが、平成24年度から庁舎や中学校校舎建設の事業の借入れを行っており、今後も公共施設の修繕等による経費を見込んでいるため、借入れと償還のバランスを考慮し、計画的な運用に努める。
前年度比では2.5ポイント増加となり類似団体平均値を4.8ポイント下回った。観光地特有の行政需要から消防やごみ処理業務に職員を確保する必要があり、別荘を所有している市外納税者の対応経費を計上していることなどが、人件費を増大させている要因の一つである。今後も職員削減や、業務の委託化等を推進し経常経費の削減に努めていく。
(増減理由)決算剰余金を「財政調整基金」へ450百万円積立てたが、取崩しを535百万円したことや、エコ・プラント保全工事のため「環境衛生施設等整備基金」145百万円の取り崩しをしたことなどにより、基金全体としては、101百万円の減少し4,754百万円となった。(今後の方針)公共施設等総合管理計画が策定され、公共施設やインフラ整備等を計画的に実施していくことによる普通建設事業費の増加が見込まれることや、平成35年度以降、地方債の償還額が現在よりも約1億円程度増加することなどから、計画的に基金積立てを行い、将来負担を平準化させるために積立・取り崩しのバランスを図りながら基金残高を管理していく。また、財政調整基金は決算剰余金の概ね1/2を積立ててきたが、決算剰余金を減債基金や特定目的基金へ積立てることも視野に入れて基金管理を実施していく。
(増減理由)平成29年度は決算剰余金450百万円、下水道事業貸付金利子12百万円等を積立て、535百万円取崩したことにより、前年度末と比較して71百万円の減少となった。(今後の方針)公共施設等総合管理計画に基づき公共施設の改修、解体等の経費が増加することが想定されることや、経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合や、災害により生じた経費の財源又は災害により生じた減収を埋めるためなどの歳出に備えるために、標準財政規模の20%から30%程度の年度末残高を確保していきたい。
(増減理由)平成27年度から平成29年度にかけては、基金運用に伴う利子収入のみで、基金残高に大きな増減はなかった。(今後の方針)平成35年度以降、現在の市債償還額より約100百万円増加することが見込まれ、更に、公共施設等総合管理計画に基づき公共施設の改修、解体等の経費が増加することにより市債の借入額も増加することが予想されることから、他基金とのバランスをとりながら償還額の平準化のために積立額を増加させていきたい。
(基金の使途)・環境衛生施設等整備基金:ごみ及びし尿処理施設の整備、下水道施設の整備、管理及び運営の財源に充てる基金。・庁舎等建設基金:庁舎等(第1庁舎、第2庁舎、第3庁舎、南熱海支所、泉支所、消防本部及び消防署の庁舎、消防署南熱海出張所並びに消防署泉分遣所をいう。)を建設するための資金に充てる基金・観光振興基金:観光都市としてふさわしい観光施設の整備及び観光施策の推進を図る資金に充てる基金(増減理由)・庁舎等建設基金:南熱海支所・消防署南熱海出張所改築事業経費として100百万円積み立てたことにより増加・環境衛生施設等整備基金:エコ・プラント保全工事に充当し約145百万円の取り崩しをしたため減少・職員退職手当基金:定年退職者数の増加により100百万円の取り崩しをしたため減少(今後の方針)・環境衛生施設等整備基金:平成30年度でエコ・プラント保全工事(第4期)で完了するが、今後は、エコ・プラント予防保全工事及び、し尿処理施設経費が発生するため引き続き計画的な積立を行う。・庁舎等建設基金:平成30年度から南熱海支所・消防署南熱海出張所改築工事が開始されることにより、平成30年度から平成31年度にかけて約143百万円の取り崩しを見込んでいる。
有形固定資産減価償却率は類似団体より高い水準にあるが、当市では、平成29年12月に公共施設個別施設アクションプランを策定し平成31年2月に改定を行っており、当該計画に基づいた施設の維持管理を適切に進めていく。
近年、地方債は償還元金を上回らない額の市債発行に努めたことにより、将来負担比率が低い水準で推移している。その一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高い水準である。主な要因として、公営住宅が、昭和30年代後半から50年代前半にかけて、現在の90%以上が整備されたことや、橋梁・トンネルの有形固定資産減価償却率が高いことが挙げられる。今後、個別計画に基づき老朽化対策に取り組んでいく。
実質公債費比率及び将来負担比率は類似団体と比較して低い水準で推移しており、実質公債費比率は過去5年間で最少となった。これは、大規模事業の起債の償還が終了し、償還元金を上回らない額の市債発行に努めたことによるものである。また、将来負担比率は、将来負担額の地方債現在高が減少したが、それ以上に充当可能財源の充当可能特定歳入である都市計画税の減少が大きくなったため増加している。今後は、公共施設等管理計画による施設修繕・廃止等による歳出額の増加の財源を確保するため、起債借入額の増加や基金取崩しの増加が見込まれるため、実質公債費比率及び将来負担比率の増加が見込まれる。
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