経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、過去5年間100%を大きく上回っており、かつ、②累積欠損金も発生していないことから、健全な経営であるといえる。③流動比率は、更新工事の未払金がなかったため増加し、高い水準を維持しており、短期的な債務に対して十分な支払能力を有している。④企業債残高対給水収益比率は、新たな企業債の借入がないこともあり、類似団体平均値と同様に減少している。⑤料金回収率は、100%を上回っており、経営に必要な経費を料金で賄うことができる経営状況である。⑥給水原価は、類似団体平均値を上回っている状態が続いており、健全な経営を維持していくためにも、更なる経費の削減の検討が必要である。⑦施設利用率は、類似団体平均値と比較しても高い数値を維持しており、施設の規模については概ね適正である。⑧有収率は100%である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、みなし償却制度廃止時に、減価償却費等の一部について、振替え処理がされていないことが確認されたことから、適正に処理を行ったため大きく増加した。しかし、類似団体と同様に施設の老朽化は進んでいるため、翌年度以降も耐用年数に達した機械設備等の更新を計画に基づいて行っていく。②管路経年化率については、法定耐用年数(40年)に達していない状況であり、特別な事情(県道・市道の改良工事に伴う場合など。)に基づく場合の他は、管路の更新は行っていない。③管路更新率については、令和元年度に上記の特別な事情による県道の改良工事・漏水復旧工事に伴い管路更新を行ったが、本年度は行っていない。
全体総括
現在のところ、各指標が示すとおり概ね健全な経営状態であるといえる。しかし、ウクライナ情勢などの様々な要因を受けて、電力価格等が高騰し事業経費が増大しているため、先行き不透明な状況である。そのため、例年以上に施設設備の的確な現状把握を踏まえつつ、水道施設総合整備計画に基づき更新事業をすすめていくための財源確保及び必要不可欠な事業を執行していく必要がある。