若狭町：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

平成24年度から平成26年度にかけて実施した料金改定もあり、①収益的収支比率は100%以上で推移しているが、今後の人口減少等、社会情勢による給水収益の減少が懸念される。また、施設の老朽化に伴い維持修繕費も増加傾向にある。④企業債残高対給水収益比率は類似団体と比較すると低い水準にあるが、平成20年度に策定済みの簡易水道統合工事や施設更新工事が先送りされており、本格着手すれば財政事情などにより企業債残高が急増することは明確である。⑤料金回収率は⑥給水原価が安価であることもあり、類似団体と比較しても良好に推移している。⑦施設利用率は類似団体と同程度で。現状施設規模は適切といえるが、給水量は年々減少傾向にあり、統廃合を含めた施設の更新により、適正化を図る必要がある。⑧有収率は85%以上と、類似団体と比較しても良好に推移しているが、管路の老朽化が進んでおり、今後漏水の増加が懸念されるため、管路更新等の漏水防止に努める必要がある。

老朽化の状況について

現在、当町では13の簡易水道施設を運営している。（内三方地域12、上中地域1）その全ての施設で資産台帳が整備されていないため、①有形固定資産原価償却率や②管路経年比率は明確ではない。事業開始から40年以上経過している地区もあるが、計画的な施設の更新はできていないため、③管路更新率も類似団体と比較して低水準にある。現在のところ、漏水の多い路線を優先して管路更新にあたっているが、管路整備期間の把握をした上で、整備・更新していかなければならない。特に三十三簡水においては幹線道路に老朽管が多く残っており漏水の危険性が高く、早急な対応が必要である。また現状、施設及び管路の長寿命や耐震化が進んでいないため、主要施設を中心に更新していく必要がある。

全体総括

現状においては経営は健全であるように見えるが、簡易水道の統合や、老朽化した施設の大規模な更新を実施するための基金の積み立ては不十分なため、現時点からの資金の確保が必要である。近年の人口減少や、節水型社会の影響で、有収水量が年々減少している中、一般会計からの繰入も見込めないため、現在の料金体制では経営が困難になると予想される。平成20年度に策定した水道事業計画は現在の財政的に実施することが困難と判断したため、平成30～31年度にかけて計画の見直しを実施中である。その計画見直しの結果に基づき、施設の統廃合、更新及び料金改定を行う。また、施設の経年を把握するために資産台帳の作成・管理や、法適用化による企業会計運営に向けてのアセットマネジメント作業を実施中である。