経営の健全性・効率性について
①経常収支比率類似団体平均と同水準であるが、経常収益のうち約17%が基準外繰入金であり、一般会計からの繰入金に大きく依存した状態である。経費節減等の費用の削減と料金改定等による収益の増加に向けた取組が必要である。③流動比率流動比率が100%を大きく下回り、支払うべき負債に対する短期的な支払能力が不足している。資金繰りの観点からも基準外繰入金に依存しており、料金改定等の現金確保に向けた取組が必要である。⑤経費回収率類似団体平均と比較し低い水準にあり、汚水処理経費を料金収入で賄えていない。今後も施設の整備、更新に伴い汚水処理経費の増加が想定されるため、定期的な料金設定の見直しが必要である。⑥汚水処理原価安定した汚水処理コストを維持しているが、今後汚水処理経費の増加が見込まれるため、水洗化率の向上と有収水量の増加に向けた取組が必要である。⑧水洗化率類似団体と比較して高い水準となっているものの、100%には及ばず、今後更なる水洗化率の向上に努めていく必要がある。
老朽化の状況について
当市において法定耐用年数を超えた管渠はないが、平成28年度には硫化水素が原因と思われる管渠の腐食があったことから、管渠の改築工事を実施した。将来的な施設の老朽化に向けて、改築等に向けた財源確保や経営に与える影響等を検討し、経営改善の実施や投資計画等の見直しを行う必要がある。
全体総括
汚水処理費を下水道料金で賄える料金水準になっていないことから、基準外繰入金に頼った経営を行っている状況である。当該状況を是正するため、令和4年度及び令和6年度に料金改定を予定している。今後、施設の改築更新や汚水処理経費の増加が見込まれることから、安定的な財政運営のため、料金水準の妥当性について定期的な検討を行っていく必要がある。