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長引く景気低迷による個人住民税や地方消費税交付金等の減少があったものの、財政力指数は0.89と類似団体平均をやや上回っている。今後、就業者人口の減少等に伴う個人住民税のさらなる減少が危惧されている中、市税の安定的な確保につながる施策を検討していく必要がある。
義務的経費である扶助費のうち、子ども手当の創設や生活保護費の上昇等があったものの、計画に基づいた短期集中的な歳入歳出の見直しや、普通交付税及び臨時財政対策債の増加に伴い、昨年度比1.9%の改善となった。今後とも市税収入をはじめとした歳入の確保と歳出全般の見直しを進め、一層の財政構造の弾力性向上に努める。
地方債等の将来負担額は増加しているものの、比率を下げる要因である財政調整基金等の充当可能財源や標準財政規模の増加により、昨年度比6.4%の改善となった。起債や債務負担行為等将来にわたっての負担となるものについては、より一層注意を払い、将来負担の削減に努める。
昨年度と比較して幾分回復したものの、類似団体中において依然低位な順位である。今後においても、更なる事務事業の徹底した見直しや委託化を進めるなど経費削減に努める。
昨年度比1.2%増加しているが、要因として子ども手当の増額が挙げられる。類似団体平均を下回っているものの、今後も高齢化率の上昇等に伴い増加が見込まれることから、給付等に関する資格審査の適正化や単独事業の見直しにより適正化に努める。
昨年度比0.3%下回っているが、内訳を見ると維持補修費が2,926万2千円、繰出金が8,029万5千円増加している。維持補修費に関しては今後増加が見込まれることから、計画的にかつ支出の更なる適正化を図る。また、繰出金に関しては、石井土地区画整理事業への繰出金の増加によるものが主な要因であったが、今後とも適正な繰出金額の把握に努める。
埼玉県平均と比較すると1.3%上回っているが、これは当市が消防事業や下水道事業等を一部事務組合で処理しているため、負担金を支出しているのが主な要因である。補助費全体では年々比率は減少しているものの、今後とも更なる事業費補助の適正化を図る。
一般廃棄物処理事業債償還金等の減により、額として1億1,142万4千円の減となった。しかし、今後見込まれる臨時財政対策債や計画される普通建設事業債の償還等を考慮し、これからも公債費負担の適正化を図る。
経常収支比率は88.5%から86.6%と1.9%改善された。しかし、今後超高齢社会へと進む中、納税義務者の減少などにより市税収入の減少が避けられない一方で、医療費・扶助費等の社会保障費の大幅な増加等が財政を圧迫することが懸念される。したがって、健全な財政運営を維持するためには、引き続き行財政改革等による歳入歳出の見直しを進めるとともに、未来にわたって安定した市税収入を確保するため、様々な方策を検討していく必要がある。
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