経営の健全性・効率性について
①経常収支比率100%を超えているものの、経費回収率が100%を下回っており、黒字化は一般会計からの繰入金によるものである。引き続き費用の削減に加え使用料水準の適正化が必要である。②累積欠損金比率過去3年間発生していないため0%である。③流動比率100%を大きく下回り、類似団体平均及び全国平均よりも低い数値になっている。企業債償還金が大きな要因となっていることから、投資計画の見直しや収益拡大に繋がる対策を講じる必要がある。④企業債残高対事業規模比率企業債残高の減少により改善しているものの、依然として類似団体平均及び全国平均を大きく上回っている。各年の償還額を限度とした新規借入や使用料水準の適正化が必要である。⑤経費回収率昨年度と比較し0.21ポイント改善したが、依然として類似団体平均及び全国平均よりも低い状況にある。汚水処理費用の削減に加え、使用料水準の適正化が必要である。⑥汚水処理原価類似団体平均及び全国平均を上回っている。費用の削減について検討を続け、処理原価を現状よりも低額に抑えられるよう努めていく。⑧水洗化率類似団体平均及び全国平均を下回っている。未接続世帯への周知など、接続促進に取り組む。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率類似団体平均、全国平均を大きく下回っている。これは、平成29年度から地方公営企業法を一部適用した際、平成28年度までの償却累計額相当分を資産価格から差し引き、企業会計移行初年度に新たに資産を取得したものとみなして帳簿価格としたことにより、前年度末までの減価償却累計額がないため、低くなっている。②管渠老朽化率・③管渠改善率耐用年数(50年)に達した管渠が少なく、類似団体平均、全国平均を大きく下回っている。ただし、本市の公共下水道事業は昭和63年頃から急速に整備を進めており、これから耐用年数を経過する管渠が増加するため、改築更新費用の平準化や、財源の確保について検討し、適切に管渠等施設の維持管理及び長寿命化に取り組む必要がある。
全体総括
経費回収率が100%を大きく下回っていることから、使用料水準の適正化に取り組む必要がある。今後は、既設管渠が続々と耐用年数を経過し始めることから、計画的に改築更新に取り組み、費用の平準化及び削減に取り組んでいく。また、貸借対照表や損益計算書等の財務諸表により、本市の経営状況や資産等を正確に把握するとともに、平成30年度を計画初年度とする経営戦略を基に経営課題に適切に対応し、公営企業経営の原則である独立採算の実現に向け、より一層の経営の効率化及び健全化を図っていく。※平成29年度から地方公営企業法を一部適用し企業会計に移行したため、平成28年度以前の指標は表示していない。