箕面市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

①⑤については、新型コロナウイルス感染症に係る生活支援策として実施した下水道使用料の減免の影響により、令和2年度の経費回収率は減少していましたが、令和3年度は下水道使用料がコロナ禍以前の令和元年度の水準まで戻ったこと等により、経常収支比率、経費回収率ともに前年度に比べて大幅に上昇しており、いずれも類似団体平均値や全国平均値を上回っています。②については、平成17年度以降、累積欠損金は生じていません。③については、工事の竣工時期等による未払金の増減により、流動負債に年度間のばらつきは見られますが、全体としては現預金の増加に伴って流動資産が増加しており、類似団体と比較すると、ゆとりのある財政状況となっています。④については、老朽管の大量更新に備え、資金残高を勘案しながら借入抑制を実施しているため、企業債残高は順調に減少しています。⑥については、平成15年度の法適用時から上水道事業と下水道事業との組織統合を実施したことによる経費節減や、企業債の補償金免除繰上償還制度の活用、また企業債借入抑制による支払利息の減少効果等もあり、汚水処理原価を低く抑えています。⑦については、単独処理場を有していないため、当該値を計上していません。⑧については、一部区域を除いて水洗化済であり、水洗化率は約99.9％となっています。

老朽化の状況について

昭和42年の事業開始以前から敷設されている雨水管路に加え、汚水管路も法定耐用年数を経過した老朽管が増加しています。令和3年度末の整備状況では、管路全体の約20％が令和8年3月末までに法定耐用年数を超える見込みとなっています。①については、類似団体平均値と比較して高くなっているのは、本市の下水道施設が早い時期に整備を完了したことによるものです。②については、前年度と同じく汚水管路、雨水管路ともに法定耐用年数を経過した管路が増加しており、類似団体平均値や全国平均値と比較して高くなっています。③については、令和3年度は新規築造工事のみの施工であったため改善率は0％となっていますが、管路調査・健全度判定に基づき更生工事等を実施しているため、年度により施工延長のばらつきがあります。

全体総括

本市の公共下水道事業は昭和42年度に事業開始しており、法定耐用年数を経過した管路が増加していますが、平成27年3月に策定した「箕面市上下水道施設整備基本・実施計画」を経営戦略として位置づけ、ストックマネジメント計画に基づく健全度判定により管路の修繕・更生工事等を適切に実施することとしています。今後、短期間に大規模な管路更生が見込まれることから、建設改良積立金や内部留保資金のほか、国庫交付金等についても最大限に活用し、財源確保に努めます。なお、計画期間中、使用料値上げをすることなく老朽管路の計画的な更新等を実施し、経費回収率100％以上を維持するとしていますが、引き続くコロナ禍が使用料収入に及ぼす影響や、昨今の物価高騰等が処理原価に与える影響についても、慎重に見極めていく必要があります。