佐野市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、１１０％台で推移している。平成２９年度に委託料の増などにより減少したが、平成３０年度はやや回復した。②累積欠損金比率は、存在していない。③流動比率は、２００％台でほぼ横ばいであったが、平成３０年度は３３４％となっている。これは、建設改良費の減少に伴う現金の増による。④企業債残高対給水収益比率は、給水収益の約５倍の企業債残高があることを示し、類似団体や全国平均より高くなっている。⑤料金回収率は、平成３０年度は例年同様１００％を超え、また前年度より上昇した。⑥給水原価は、１㎥当たり１２０円台で推移しており、全国平均や類似団体と比べて低い。⑦施設利用率は、平成３０年度は前年度より微減となったが、全国平均や類似団体平均より高い。なお、平成２９年度の大幅な上昇は平成２８年度末の第５次拡張事業への変更認可によるものである。⑧有収率は、８２～８５％の範囲で年度ごとに増減があるが全般的には低下傾向にある。また全国平均や類似団体に比べても低い。経営の健全性・効率性は、①～⑦の指標からは比較的良い状態を保てているが、⑧の指標から見るとやや低い状況にあると分析される。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、平成３０年度は全国平均や類似団体を上回る約50％であり、水道施設全体の平均が耐用年数の半分の期間を経過したことを示している。経年比較は類似団体と同様に上昇傾向にある。②管路経年化率は、平成１０年度から平成２２年度にかけて石綿セメント管を集中的に更新したことにより、全国平均や類似団体を下回っている。経年比較は類似団体と同様に上昇傾向である。③管路更新率は、平成３０年度は前年度より増加したものの、全国平均や類似団体に比べると低い。これは施設更新等に資金を充てたためであり、更新計画に基づいて実施しているものである。

全体総括

比較的安定した経営を継続できていると捉えている。ただし、有収率の低下傾向と管路経年化比率の上昇については、抑制することが課題である。今後も引き続き、有収率向上のための効果的な漏水調査や、老朽管更新工事等の計画的な執行が、重要であると考えられる。