経営の健全性・効率性について
①経常収支比率及び⑤料金回収率は100％を上回っているとともに、②累積欠損金比率は0％であり、健全な経営を行っているといえる。しかし、①経常収支比率及び⑤料金回収率は4年連続で減少している。理由としては、H27年の水道料金改定に伴う激変緩和措置が終了し、新料金になったことによる給水収益の減少が挙げられる。③流動比率はH30年度より2年連続で減少し、本年度は類似団体の平均を下回った。主に給水収益の減少により、流動資産である現金が年々減少していることが原因である。今後も更なる費用削減や企業債の借入額調整により健全な経営を目指すとともに、料金改定に向けた調査、検討を行う。④企業債残高対給水収益比率は、主に水道施設更新のため、企業債借入額を令和元年度と比べ約5億円増額したことや、給水収益が減少したことにより増加した。今後も内部資金を考慮しつつ適正な企業債の借入額を設定し、企業債残高の縮小に務める。⑥給水原価は昨年よりも微増した。類似団体平均と比べ低い数値を維持できているので今後も継続していく。⑦施設利用率は、類似団体平均より高く、施設の利用状況や規模は適正と考えられるが、⑧有収率は、類似団体及び全国平均より大きく下回っている。主に漏水が原因であり、今後も漏水調査等を行いながら、計画的に老朽管の更新を継続していく必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率はR元年度まで連続で増加していたが、本年度は微減した。類似団体と比較して概ね平均的である。②管路経年化率はH30年度から2年連続して減少した。令和元年度と比べ約2.4億円多く布設替えを行い、法定耐用年数を過ぎた管路を効率的に更新したことより③管路更新率は類似団体値を大幅に上回った。H30年度に策定した水道ビジョンの中で、施設整備計画を策定し、施設、管路等の実際に使用可能な年数（目標耐用年数）を設定した。法定耐用年数を超えて施設や管路等を使用するため、今後①有形固定資産減価償却率、②管路経年化率ともに増加すると考えられるが、施設整備計画に基づき、効率的な施設や管路の更新を行っていく。※管路更新率(％)R01当該値は1.22の誤り
全体総括
現在は、概ね健全な経営が行われているといえるが、H27年の料金改定の影響や、給水人口の減少及び節水機器の普及により、更なる給水収益の減少が見込まれる。また、本年度はR元年東日本台風による災害復旧に伴う水道施設更新で建設改良費が例年より増加したほか、今後も老朽化した施設・管路の更新等に伴う建設改良費の増加が見込まれる。現在、将来に渡って安定的な水道事業を経営していくために、適切な水道料金改定に向けた調査や検討を行っている。また、水道ビジョンの施設設備計画に基づいた施設・管路の更新を行うとともに、効率的な漏水対策を行い、経営の健全化・効率化を図りながら事業運営を持続していく。
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2021年度