経営の健全性・効率性について
①⑤収益的収支比率及び料金回収率は97.27%,81.98%と類似団体平均値と比較すると高い数値となっている。主な要因は費用削減及び平成26年度から料金改定をしたことにより収益があがったためであるが,一般会計からの繰入金に依存していることも考えられるため,経費削減や必要な財源の確保が必要と考える。④企業債残高対給水収益比率は993.44%であり,類似団体平均値と比較すると低い数値となっているが,統合簡易水道事業を平成22年度から平成26年度まで実施した際に企業債を発行していることから,事業実施年度以前よりは高い数値となっているため,企業債発行を抑制していくよう努める。⑥給水原価については240.12円と前年度と比べ52.83円低くなったが,要因としては上水道事業との統合により費用の支払いを上水道会計に引き継いだことから費用額が少なくなったためであるが,これは一時的なものであるため,維持管理費の削減などに努めていく必要がある。⑦施設利用率は74.38%となっており,類似団体平均値と比較すると高い数値となっているが,一日配水能力と比較すると低い数値となっており,施設においての最大限の効果は発揮できていないと思われるため,統廃合を含めた検討を行っていく。⑧有収率については,全国平均及び類似団体平均値より下回っており,要因としては配水管の老朽化による漏水が原因である。以前から比較すると回復してはいるが,今後も老朽管更新を行い,改善していくよう努める。
老朽化の状況について
③管路更新率については0.79%となっており,全国平均及び類似団体平均値と比較するとやや高い数値であるが,前年度と比較すると0.88ポイントの減である。要因としては統合簡易水道事業が完了したことから,配水管布設替工事が減となったためである。しかし,統合簡易水道事業は給水区域の一部であり,昭和40年代から整備した配水管の更新は順次行っているが,それに係る財源確保が難しいことから,進んではいない状況である。今後はアセットマネジメント,水道施設更新計画等を策定し,効率的な管路更新が必要と考える。
全体総括
経営の健全性・効率性及び老朽化の状況を類似団体平均値と比較してもおおむね良好と言えるが,簡易水道事業は市の政策的観点から低い料金水準で経営を行っていることから,経営基盤が脆弱である。平成28年度の上水道事業との事業統合により,効率的な経営や財政基盤の強化を図り,市民に対するサービスの水準の維持向上を行うよう努めていく。また,水道事業が抱える老朽化した施設更新についても統合後に経営戦略や更新計画を策定し,効率的・効果的な水道事業経営を実施していく考えである。※表頭「普及率」については,算出の際の行政区域内人口は上水道事業分の人口を除いているため,「39.26%」となっているが,当市で公表している普及率は「97.15%」である。