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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(平成29年1月1日現在37.7%)により、財政基盤が弱く、類似団体平均を下回っている。歳出全般の見直しを実施するとともに、税の徴収強化など歳入確保に努め、財政の健全化を図る。
平成28年度の経常収支比率は、補助費等、人件費が増加し、普通交付税、臨時財政対策債が大幅に減少したため、前年度より3.3%増加した。病院事業繰出金、一部事務組合負担金など補助費等が多額であることが要因となり、類似団体平均を3.2%上回っている。今後は公債費の増加による経常収支比率の増加が見込まれるが、事務事業全般の見直しを進め、経常経費の抑制に努めていく。
類似団体平均と比較して、人件費・物件費等決算額が低くなっている要因として、ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることが挙げられる。一部事務組合の人件費・物件費等に充てる負担金を合計した場合、人口1人当たりの金額は大幅に増加することになる。今後はこれらも含めた経費について、抑制していく必要がある。
平成29年4月1日現在のラスパイレス指数は、類似団体平均を2.3ポイント下回っている。職員の採用を控えていた期間の影響で、30代から40代の職員の割合が低いことなどにより、ラスパイレス指数が類似団体よりも低くなっている。このため、社会人枠の採用による職員の確保により、行政需要への対応及び効率的な行政運営に努めるとともに、今後とも国家公務員等に準じた適正な給与制度の運営に努める。
平成28年度の人口千人当たりの職員数は、類似団体平均を1.20人下回っている。財政健全化の観点から、平成16年度から平成21年度までの6年間一般行政職を採用せず職員数を削減してきたが、多様化、複雑化する住民ニーズや増大する行政需要に対処するため、平成22年度から職員の採用を再開した。今後も定員管理計画に基づき、行政需要と職員数のバランスに配慮しながら、良好状態の維持に努める。
平成28年度の実質公債費比率は、過疎対策事業債の活用による基準財政需要額算入額の増加、病院事業債の償還に充てたと認められる額の減少により、前年度より1.5%減少した。平成27年度で公立病院特例債の償還が終了しているため、今後は徐々に類似団体平均程度まで減少する見込みである。
平成28年度の将来負担比率は、建設事業費の抑制により地方債残高が減少し、病院事業債の償還により公営企業債等繰入見込額が減少したため、前年度より4.7%減少した。依然として、公営企業に対する負担が多額であり、類似団体平均を41.4%上回っている。病院事業、下水道事業について、引き続き経営改善に努めていく。
人件費に係る経常収支比率は、職員の採用を控えていた期間の影響で、平成28年度では類似団体平均を0.7%下回っている。また、ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることも、人件費に係る経常収支比率が低い要因となっている。今後は、一部事務組合の人件費分に充てる負担金など、人件費に準ずる費用も含めた人件費関係全体について抑制に努めていく。
平成28年度の物件費に係る経常収支比率は、類似団体平均を1.2%上回っている。業務の民間委託等により、職員人件費から物件費へのシフトが起きているためであり、このことは人件費に係る経常収支比率が類似団体平均を下回っていることにも表れている。業務委託の内容についても定期的に見直し、経常経費の抑制に努めていく。
平成28年度の扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均を0.4%上回っている。障害者自立支援給付費など、義務的要素の強い経費であるが、類似団体平均を上回っていることから、個々の事業内容を精査し、経費の適正化を図っていく。
その他経費に係る経常収支比率は、類似団体平均と同水準である。介護保険事業、下水道事業など公営事業に対する繰り出しが増加傾向にあったが、介護保険繰出金については保険料の見直しにより、平成27年度から減少している。保険料、使用料等の適正な見直しにより、繰出金の抑制に努めていく。
平成28年度の補助費等に係る経常収支比率は、類似団体平均を6.0%上回っている。病院事業繰出金、一部事務組合負担金が多額であることが経常収支比率が高い要因となっている。病院事業の経営改善に取り組むとともに、一部事務組合に対する負担金、各種団体に対する補助金について、事業の再点検をするなど、経常経費の抑制に努めていく。
平成28年度の公債費に係る経常収支比率は、類似団体平均を3.7%下回っている。平成22年度に過疎地域の指定を受け、償還期間の短い過疎対策事業債の発行が増えていることから、経常収支比率は今後増加していくと見込まれる。建設事業費の抑制と地方債の計画的な発行により、公債費の抑制に努めていく。
平成28年度の公債費以外の経費に係る経常収支比率は、補助費等が類似団体平均を6.0%上回っていることなどにより、類似団体平均を6.9%上回っている。事務事業全般の見直しにより、経常経費の抑制に努めていく。
将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して高い水準にある。病院事業、下水道事業の元利償還金に対する繰入金、繰入見込額が多額であることが両比率が高い要因となっている。平成27年度で公立病院特例債の償還が終わり、今後は両比率ともに低下していく見込みであるが、公営企業の経営改善と地方債の発行抑制により、引き続き適正化に取り組んでいく必要がある。
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